成年後見人

成年後見人

認知症の進行など精神上の障害により判断能力を常時欠いている方を法的に保護し、その方のために財産の管理や療養看護の事務を行う者を成年後見人と言います。成年後見人は、親族等の申立てにより、家庭裁判所の審判により選任され、被後見人がした契約を取り消す権限と、被後見人を代理して契約を締結する権限を持っています。身体的介護などを行う者ではありません。

相続が発生した際、例えば、故人の配偶者が意思能力を失っている状態であれば、その配偶者は遺産分割協議に参加することができませんので、相続手続きが進まないということになります(勝手に代筆したり実印を使ったりして遺産分割協議書を作成すれば、私文書偽造という犯罪となりかねませんので、ご注意ください)。このようなときには、その配偶者を代理する成年後見人を選任する必要があります。成年後見人になるためには、特に資格等は必要ではなく、親族がなるケースが多いようですが、弁護士や社会福祉士など専門家に依頼することもできます。成年後見人に対する報酬は、本人の財産の中から、家庭裁判所が決定した金額を支払うこととなります。

成年後見人選任の申立ての際は、被後見人の生活の様子に関する説明を申立書に記載するほか、戸籍や医師の診断書、被後見人の財産の明細や収支の状況が分かる書類などを添付します。被後見人の状態によっては、更に精神鑑定を行うケースもあり、その費用は裁判所に予納する必要があります。
また、相続手続に絡んで申立てをする場合は、遺産分割協議書の案も必要になります。被後見人の不利にならないよう、原則的には被後見人が法定相続分以上の財産を取得するような内容であることが求められます。

選任の審判が出るまでには、ケースにより異なりますが、申立後1から3か月程度かかることが多いようです。また、成年後見人は、選任された後も、定期的に、被後見人の財産管理や療養看護の状況を裁判所に報告する必要があります。

判断能力が少し残っているけれど何らかの支援が必要という方のために、保佐や補助という制度もあります。