遺産相続のトラブル「争続」を回避する

イメージ 遺産相続のトラブル「争続」を回避する

家族会議のススメ

みなさんは、遺産相続に関わるトラブルは、遺産の取り分でもめることで起きるというイメージをお持ちではないでしょうか。実は相続に関わるトラブル、いわゆる“争続”が起きる理由の多くは、その背後にある「人間関係の悪化」によるものなのです。人間は兄弟姉妹や親戚同士でも、さまざまなもめ事を抱えているものです。
例えば、会社を経営している親族の間で商売上のトラブルが発生した場合、それはすぐ人間関係のトラブルに発展します。また、年老いた親の介護を押し付けられた者は、他のきょうだいに対して不平不満を抱えることでしょう。
相続に関わるトラブルが起きる理由が「人間関係の悪化」であるならば、それを防ぐためには関係を良好に保つしかありません。ご自身が亡くなった後に“争続”が起こらないように、被相続人はしっかりとした遺言書を作成しておくと同時に、年に一度でもよいので、家族や親戚などを集めて家族会議を開くのはいかがでしょうか。

親(被相続人)が主催する家族会議のポイント

1.家族への希望と感謝の気持ちを伝える
日頃お世話になっていること、わざわざ集まってくれたことへの感謝の気持ちを伝えましょう。どんなに関係の悪い親族であっても、感謝されれば悪い気持ちはしないものです。また、兄弟が多い家族の場合は、お互いに仲よくしてほしい旨を伝えましょう。

2.自身の希望を伝える
これからはこんな老後を過ごしたい、また、葬儀・お墓・終末医療のことなど、ご自身の希望をしっかりと伝えましょう。また、生活に援助が必要であれば、その費用負担のことも話し合っておくことです。

3.財産の内訳を伝える
相続人全員に、不動産の目録、預貯金、有価証券など、財産の内訳を伝えておきます。権利証(登記識別情報)や大切な書類、また、すでに遺言書がある場合は、その存在と保管場所もしっかり伝えておきましょう。

4.財産の分け方を決める
可能な範囲で財産の分割方法を決めておきます。財産の分配方法に相続人全員が納得できないというケースもあるかもしれないので、ここでできるだけ理解を得ておくことが、後のトラブルを防ぐことにつながります。

5.今後の相続について話し合う
遺言書の内容や生前贈与をどうするか、相続税対策をどうするかなど、相続に関連した現実的な問題について話し合います。ここで相続人全員の合意を得ることができれば、円満な相続を実現できると考えてよいでしょう。

6.家族会議の内容を書面化する
家族会議で決めた内容を、可能な限り遺言書などにまとめておきましょう。相続人がそろった場で決められた内容であれば、後日、遺言書を改ざん・偽造されるといった心配もなくなり、安心です。

これは家族会議のほんの一例ですが、こうした会議はご自身が元気なうちでなければ開けません。「自分の子供ともう何年も会っていない」という状態で、相続に不安のある方は、まずはお正月などに実家に顔を出してもらうことから始めてみてはいかがでしょうか。