遺産相続のトラブル「争続」を回避する

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遺産相続においては多くの人が「財産の多い家がそれを取り合っているのだろう」「うちは何も分けるものなどないから」という誤解に基づく思い込みをしてしまっています。
それにより、何の手も打たないうちに相続が開始し、思わぬトラブル発生に慌てることになるのです。
では、相続トラブルの原因となる要素、それを防ぐための対策を考えてみましょう。

「争続」となってしまう原因は何?

遺産相続でトラブルとなる要素はもちろん各家庭によりさまざまなのですが、典型的なトラブルのパターンがあります。

まずその一つとしては「財産自体が分けづらい性質である」ことです。
日本においてとても多い相続財産の構成は「大半が持ち家などの不動産であり、預貯金など分けやすい資産があまりない」というものです。
このような場合、不動産を誰かに相続させてしまえば当然、他の相続人から分割方法の不公平さへの不満が出ることになります。
不動産を売る、貸す、共有にするなど色々な方法がありますが、自分のケースではどのような方法がベストなのか、専門家に相談しながら考えていかなくてはなりません。

もう一つとしては「親の生前から抱いていた不満が親の死後、各相続人から出てくる」ことです。親の生前には仲が良さそうに見えていた兄弟でも実は数十年に渡って様々な不満をためていたことがあります。また、若い頃は仲が良かった兄弟でも年齢を重ねるごとに親の介護問題や、お互いの配偶者などを通じた不満が出てくることがあります。ただ、親の側がそれに気づいていなかったり、気づいていても認めたくない気持ちがあることから何の対策も打たないことが多いということなのです。

トラブルを防ぐためにできること「遺言書作成」

相続におけるトラブルを防ぐために親ができることとして最も有効なのが「遺言書の作成」です。
相続人は親がどのように遺産を分けてほしいのか、その意思がわからないためにお互いに都合の良い主張をするということがよくあります。それらを封じるためにも、親の側がまだ意思能力がしっかりしているうちに「公正証書遺言」によって意思を明確に表示しておく必要があります。
トラブルが高確率で予測される場合は自宅で作成する「自筆証書遺言」だと余計に揉め事を誘発してしまうおそれがあります。自分に都合の悪いことを書かれた相続人がその遺言書は誰かが親に無理やり書かせた、などのクレームをつけることが少なくないからです。よって、費用はかかりますが必ず公正証書遺言にすることをおすすめします。
公正証書遺言はいったん作成しても、その後の事情により何度でも変更できますので数年おきに見直しをして作り直すということもできます。

トラブルを防ぐためにできること「親が元気なうちの家族会議」

遺言書は「親の側が一方的に意思表示する」ものでしたが、もう一つの方法としては、早い段階で家族会議を持っておくこともよいでしょう。
家族会議のポイントを確認してみましょう。

親から子供たちへの気持ちを伝える

まず親の側が子供たちへの日頃からの感謝の気持ちをしっかり述べておくことです。兄弟の間の感情的な不満は、「兄弟の方が自分より優遇されていた」などの気持ちに基づくものが多いため、親が各相続人のことをしっかり考えているということを明確にすることが大切なのです。

見込まれる相続財産の内容を明確にする

また、親子間でお金の話をしづらいということもあるかも知れませんが、これでは問題を先延ばしにしているに過ぎません。自分が死亡した際にどのくらいの相続財産が見込まれるのかということを親が書面を使って子供に説明しておかなくてはなりません。

財産をどのように分けてほしいかを伝える

親自身の希望する分け方を具体的に子供達に伝えておきます。日本人はどうしても「お前たちの良いように分けなさい」などという言い方をしがちですが、それこそがトラブルの元凶になっているのです。
ただ、分け方を明確に伝えたら、なぜそのように希望するのかという根拠を併せて説明しておくことです。ここのところがはっきりしないと、せっかく希望を伝えても子供達に不満が残ることになってしまいます。
もし、特定の相続人に生前贈与などがあった場合、不公平感が残らないように調整するのも大切なことです。

家族会議の内容を書面化する

大切なことを話し合った後は、それを書面にし、後日「言った、言わない」の話にならないようにしておかなくてはなりません。

税金対策などについて

なお、相続財産が基礎控除である「3000万円+(600万円×法定相続人の数)」を超える家庭の場合は相続税対策が必要になってくることもあるでしょう。
こういったことはインターネットを使いこなす子供世代の方が新しい情報を持っていることもあり、親が一人で考えているよりも良い案が出てくることもあります。
ただ、やはり具体的な税金対策については税理士への相談が必須となりますので、できれば税理士と家族全員が揃う形での打ち合わせができることがベストです。

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