どの資格の専門家に頼むべき?

どの資格の専門家に頼むべき?

どの資格の専門家に頼むべき?

「相続を専門家に相談する」といっても、一体どこに行けばいいのだろう?と悩んでしまう方もいるでしょう。
相続の専門家には、ざっと挙げただけでも弁護士、税理士・公認会計士、司法書士、行政書士といったさまざまな業種があります。それぞれの専門家ができる範囲の仕事は異なりますし、訴訟の代理人、登記の代理人など「独占業務」といって、その専門家しかできないものもあります。
では、相続の専門家がどのようなことをできるのか、それぞれの業種別にまとめ、選ぶ際の注意点を考えてみましょう。

弁護士

弁護士は法律分野において万能の代理権を持っています。特に紛争性のない手続きだけの相続であっても、裁判が必要なところまでこじれている相続であっても対応することができます。
弁護士は、法律的な建前だけ言えば相続登記の代理や相続税申告の代理もできることになるのですが、現実には具体的手続きのノウハウを持っていないためにその部分だけは必要に応じて外注(つながりのある税理士や司法書士に申告や登記を依頼する)することがほとんどでしょう。
「弁護士は高い」というイメージは当然あるでしょう。ただ、もし紛争性があることが最初から明らかな案件については他の専門家を通じて最後に弁護士に行きつくよりも、最初から弁護士に相談した方が結果的に安上がりになることもあります。

税理士・公認会計士

税理士や公認会計士が相続において関与するのは「相続税申告が必要で、税務的アドバイスをしたり申告業務を代理しなくてはならない」案件です(税務申告の代理は司法書士や行政書士ではすることができません)。
相続税は平成27年1月に改正し、基礎控除(その範囲内なら相続税がかからない範囲の遺産額)が「3000万円+(600万円×法定相続人の数)」とされました。日本全体で見て、全相続開始に対し8%程度しか相続税がかかることはないのですが、もしこの範囲を超える財産がある人は真っ先に税理士のところに行って相談しなければなりません。
相続税申告および納付は「相続開始を知った日の翌日から10ヶ月」以内に行わなくてはなりませんが、相続財産の調査、遺産分割協議などを経て10ヶ月以内に申告まで済ませるというのは実は容易なことではありません。とにかくスタートを早くしなければ期限に遅れてしまう危険もありますので、相続税がかかる人は他のケースよりも急がなくてはならないのです。
なお、公認会計士は本来的な仕事が「(もっぱら大きな企業の)監査」なので、決算の内容が適正かどうかを調べることがメインであり、相続税申告に関与することはまれでしょう。そもそも相続税がかかる家庭自体が少ないため、税理士ですら8割方の人は相続税申告の代理をしたことがないのが実情ですから、公認会計士はなおさら経験のない人が多いと思われます。ただ、公認会計士の資格を取得すると自動的に税理士の資格もついてくるので、代理することについて法律的な問題はないというだけです。
後にも説明していますが「どの資格を持っているか」よりも、「その人が相続手続きに精通しているか」ということの方が大事な点です。公認会計士が上位資格だからといっても、そちらの方が相続税申告を依頼するのに適している、というわけではないのです。

司法書士

司法書士は、基本的には「相続登記(相続により不動産の名義を変更すること)」が必要な時に一番必要性が高まってくる業種です。もちろん、その前段階としての戸籍の取り寄せや遺産分割協議書の作成などもできますし、金融機関の解約などもすることができますので、相続における守備範囲としては広いといえます。
ただ、やはり紛争性がある事件については司法書士が代理や仲裁などができないため、上記のように最初から弁護士のところに行くべきです。紛争性や相続税申告の必要性がない
案件については司法書士の方が費用が安く済むことが多くなります。

行政書士

行政書士は司法書士との業務範囲の違いがわかりにくいところもあるのではないでしょうか。行政書士は司法書士と同じく戸籍の取り寄せや遺産分割協議書の作成、金融機関の解約といったところまではできます。ただ、相続登記の代理や相続放棄の書類作成はすることができません。
よって、相続財産に不動産が含まれる人、相続財産より負債が多い人は最初から司法書士に依頼した方が効率的です。

どの専門家にも共通する「選択の基準」とは?

言うまでもないのですが、その専門家個人が「相続を得手としていること」は大原則です。同じ弁護士であっても交通事故が得意、離婚が得意、債務整理が得意などその人により専門とする分野はまったく異なります。相続という大きなお金や複雑な人間関係が絡むことが多いため、家から近いからなどという基準で安易に選ぶべきではありません。
そして、正式依頼の前には必ず「専門家本人と話をする」ということも大切です。説明がわかりやすいか、費用の見通しをしっかり示してくれるか、質問をしやすい雰囲気かといったこと中心にチェックしましょう。もちろん法律や実務に関する十分な知識を持っていることも大切なポイントですが、特に相続人間での感情が絡む案件の場合は家庭内の複雑な事情を話せるような信頼に値する相手だと思えなくてはなりません。
専門家に相談しようと思い立ったら、まず自分が行けるエリア内で「相続が得意」として看板を掲げている事務所を探してみましょう。近年は、それぞれの専門家がウェブサイトで事務所理念や経験した案件などを説明していることも多くなり、依頼者側としては事務所を選ぶ際にとても参考になります。
また、相続を得意としている事務所は、たとえ自分のところでは対応できない手続きが出てきてもネットワークがしっかりしているため、即座に必要な専門家の紹介を受けることができます。やることが非常に多い相続手続きにおいてはこのような「依頼者にとっての利便性」も実は見逃せないポイントとなります。

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