遺言

人は自分の財産を、生きている間はもちろん、遺言をすることにより、亡くなってからも、原則として自由に処分することができます。また、非嫡出子の認知など身分上の事項も遺言によりすることができます。

特定の財産を特定の相続人に相続させる旨の遺言を作成すれば、遺言者の死亡時に、相続人間の協議を待つことなく、その方にその財産に関する権利が移転することになります。相続人以外の第三者に財産を渡す場合も(遺贈といいます)、同様です。

遺言の種類はいくつかありますが、一般によく利用されているのが、自筆証書遺言と公正証書遺言です。効力は、どちらでも変わりありません。

遺言

自筆証書遺言は、全文を自分の肉筆で書いたものです。日付と署名、押印があれば、用紙や様式の制限はありません。ただ、誤字があった場合や内容を変更する場合の修正の仕方は細かく決められていますので、注意が必要です。費用もかからず、自由に思い立ったときに書けますが、紛失や改ざんの恐れがあるほか、亡くなった後、遺族が家庭裁判所で遺言書の検認を受けなければならない手間があるというデメリットがあります。

一方、公正証書遺言は、公証役場で公証人に遺言したい内容を伝え、書面にしてもらう形で作成する遺言です。紛失や改ざんの恐れがなく、検認手続も不要である半面、作成に費用がかかるほか、ある程度の手間と時間がかかり、2名の証人が必要となるという面もあります。
遺言は、一度作成した後も、心情や状況の変化により、何度でも書き直すことができます。複数の遺言が残された場合は、最後の遺言が有効な遺言となります。また、遺言を書いた後に、遺言に書いた財産を処分したときは、その部分について遺言の効力がなくなることとなります。

原則として財産を自由に処分できると最初に書きましたが、その例外が遺留分という制度です。各相続人に保障された最低限の取り分のことで、遺留分を侵害する内容の遺言も書くことはできますが、相続人から請求があれば、遺留分については遺言のとおりにはならないことになります。