「何を相談したらいいか、わからない」をはっきりさせる。2名の弁護士からサポートを受けられる法律事務所
「財産の何が残っていて何が残っていないか、わからない状況だからこそ弁護士に相談してください」と話す、後藤先生と寺野先生。紛争になっていなくても、専門家を通せばスムーズに相続手続きを進められるそうです。
今回は、お二人がこれまで解決した事例や、弁護士に相談するか迷っている方へのメッセージを伺いました。
大阪弁護士会 法教育委員会・ハンセン病家族訴訟弁護団に所属し、公益活動・人権活動にも尽力。相談者から直接話を聞ける立場で問題解決をしたいという思いから、弁護士を志す。
本町ユナイテッド法律事務所
性差別・離婚問題・性犯被害などの社会問題に関心を持ち、弁護士を志す。大阪弁護士会 人権擁護委員会・犯罪被害者支援委員会に所属し、問題解決に力を入れている。語学力を生かし、外国人が当事者となった事件の解決実績あり。
本町ユナイテッド法律事務所
弁護士2名で担当して依頼を解決する
―先生方が解決した案件で、印象的なものを教えてください。
複数の土地にまたがって建っている建物の遺産分割をした事例
後藤先生:印象的なものというと、登記簿上2つに分かれている土地にまたがって建っている建物の遺産分割した案件ですね。被相続人が複数の不動産を持っていて、それを分割することになりました。
自宅と自宅周辺の土地は残し、それ以外の土地は売却。売却したお金を相続人で分割することになったのですが、調査してみると自宅が2つの土地にまたがって建っていました。
売却するためには、自宅がある土地と自宅がない土地を分筆(土地を分けて登記すること)する必要があります。まず、土地家屋調査士さんが測量した結果をもとに、土地をどのような形に分けた方が良いのかを決めます。そのあと司法書士さんに分筆の手続きを依頼しました。
分筆が終わったら遺産分割協議書を作成し、はじめの予定通りに分割を行うことができました。
数代前の相続登記を行った事例
後藤先生:相続のご依頼で独特なものに、何代にも渡って不動産の名義変更をしていないケースがあります。そのため遺産分割協議をする相続人が増えてしまうんです。
一つ上の世代からの名義変更だと、相続人調査がそんなに大変ではないんですが、3~4代前となるとかなりの数の戸籍を取得しますね。50くらい必要になったこともあります。
すべての戸籍を私たちの方で取り寄せたり、相続人の皆さんの住所を調べたり…。一番大変だったものは、相続人が九州・四国・中国・近畿など西日本全域に散らばっていたこともありました。
遺産分割協議をまとめるには、相続人全員の同意が必要になります。そのため相続人の皆さんに、「遺産分割協議に承諾してください」という書面をお送りします。
今のところ書面を送るだけで同意いただいていますが、もし同意いただけない場合は訴訟を提起することになりますね。
寺野先生:そういった土地の場合は、相続人同士でもめているというよりは、単に手続きをしていなかっただけのケースが大半です。ですので先方に送る文面もやわらかくして、なるべく円満に解決するようにしています。
お手紙をお送りする先は、つながりのなくなっている親戚の方が多いです。なので大抵はびっくりされますね。弁護士から急に手紙が来るわけですから。ときには詐欺のダイレクトメールとあやしまれることもあります。
私たちの名刺をつけたり事務所の電話番号を入れたりと、先方から安心して連絡していただけるように工夫しています。
語学力を生かして、海外の遺産分割を行う
―寺野先生は英語が堪能だとか。英語が必要になる場面もありますか?
寺野先生:そうですね、外国人が当事者になる相続だとか、過去に被相続人が海外にいたときに、その国の土地・財産を持っていたという事件を対応したことがあります。
どの案件も後藤と2名で対応していますが、海外に相続人がいる際の英語でのやりとりや、外国の法律を調べるための英語文献の確認はおおむね私が担当しています。
また日本と外国で法律や手続きが異なりますから、日本での手続きだけで解決しないものに関しては現地の弁護士とも連携することもありますね。
依頼者と直接関わりたいと思い、弁護士に
―お二人が弁護士を目指したきっかけを教えてください。
後藤先生:私ははじめ検察官・裁判官を含めて、法曹を目指していました。当時やっていたドラマの影響ですね。
その後ロースクールで、依頼者から話をしっかり聞けるのは弁護士だと学びました。それを聞いて、自分は弁護士の方が向いているかもしれないと思ったんです。
トラブル解決後、依頼者が満足した様子を裁判官・検察官ではわかりません。判決が終わったらそれまでです。弁護士だったら判決後の打ち合わせなどを通して、「こういうところが良かった」という話が聞けますから。
寺野先生:私ははじめは研究職を目指していました。性差別・性的マイノリティ・外国人問題などの社会問題の研究者になろうと思っていました。
でも研究者になると、一歩離れたところから当事者の方と関わる必要があります。もっと一人ひとりに関われたり、問題解決に携われる仕事の方が自分の性に合っていると思ったんです。
そうした問題を解決できるのは弁護士だと考えたので、弁護士を目指すことにしました。現在も社会問題に関心があるので、弁護団や委員会に入って活動をしています。
小規模事務所だからこその丁寧な対応
―本町ユナイテッド法律事務所は、お二人で開業されたと伺いました。今後の事務所の展望はありますか?
後藤先生:事務所の規模を大きくしたいとは考えていません。少人数だからこそ、ひとつひとつのご依頼にしっかり対応できると思いますから。
現状、すべてのご依頼を私と寺野の2名で対応しています。なのでどちらに聞いても状況がわかるようにしています。事務所の人数を増やさず、この状態で続けていこうと考えています。
今はコロナの影響で移動が制限されていますが、落ち着いたら遠方の方のご相談も受けたいと思っています。移動するのが大変な相談者の方もいらっしゃいますから、こちらから伺ってお話を聞けるようにしたいなと思っています。
九州くらいまででしたら、日帰りで行けますから足を延ばしたいですね。
弁護士に相談して「わからないことがわからない」をクリアに
―弁護士に依頼するか迷ってる人もいるかと思います。アドバイスいただけますか?
後藤先生:まずは相談だけでもしてみるのがいいと思います。弊所含めて、初回相談30分無料の事務所は多いですので、とりあえず相談してみて欲しいです。
「何を相談したらいいかわからない」とおっしゃる方もいるんですね。そういうときには今わかっていることを伝えていただければ。そうしたらこちらで、「不動産はありますか?」「ご家族は何名ですか?」と確認した上で、ご相談者様のお困りになられているポイントを把握したり、今後のこういう調査をした方が良いなど、話しながら進められますよ。
ご相談は不動産の有無や預貯金の金額など、財産項目のチェックから始めます。すると財産があるかどうかだけじゃなくて、あるかわからないものの洗い出しもできますよね。「保険があるかわからないから、調べる必要がありますね」というように。わからない項目は調査の方法をご提案することもできます。
弁護士から確認が入ることで、チェックが抜けていたところがわかったり、次の打ち手を考えるきっかけになると思うんです。それで一度考えていただいて、別の弁護士にも聞いてみようということでもいいと思っています。
一人でネットで調べるより、弁護士に相談した方が早いですし詳しい情報が手に入ります。なにより話をするだけでも楽になるかと思います。有益な情報をネットで見つけても、「じゃあ次はどうすればいいんだろう」と考えるストレスもありますよね。
寺野先生:財産項目については、「何を持っていて、何を持っていないかわからない」という相談も多くいただきます。一人暮らしの親御さんが亡くなった場合、すべて財産の管理を自分でしているからわからなくなってしまうんですね。
そういうときは通帳だけでも持ってきていただければ。「保険料が定期的に引き落とされているから保険があるんじゃないですか」「ご自身の別の銀行に振り込まれているから、別の口座があるんじゃないですか」というアドバイスができます。
とりあえず、わかっている書類だけでも持ってきていただけると良いかと思います。相続放棄は手続きの期間が短く、借金などがあったら大変です。もし何かに記録が残っていたら、知りませんでしたではすみませんから。
ですので弁護士に一度相談してから手続きする方が安全かなと思います。
後藤先生:もし被相続人の通帳を持っていない場合でも、弁護士でしたら銀行に履歴の照会ができます。それも照会可能な期間が決められていますので、そういう意味でも早めに相談いただければと思います。
いろいろと確認した後に、もう少し待ってから動いた方が良いときもあります。そういうときはこちらからそのようにお伝えしますので、まずは早めに相談してください。
―ありがとうございました!
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