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遺産分割協議がまとまる前に遺品整理と形見分けを...

質問者:T.I

父が死んだあと一人暮らしだった母が、ガンを発症し1年ほどの闘病生活の後他界しました。母が生前に「自分が死んだらこれは誰それに渡してほしい」といったことをいろいろと私に語ってくれていたので、なるべくその思いを実現したいと思います。また母が住んでいた家は賃貸なので早く解約しなければというのもあります。遺産分割協議がまとまるのはまだまだ先になりそうなのですが、住んでいた家の遺品整理と形見分けをどんどん進めてしまっていいものなのでしょうか?

  • 回答:遺産相続なび

    お母様の思いを実現したいという相談者の気持ちとは別に、法的には「被相続人(亡くなった人)がこう言っていた」ということだけを理由に形見分けなどをできない場合があります。

    ◎遺言書がなければ法的効力はない

    お母様が生前に法的に有効な遺言書を遺していれば別ですが、相続人の一人に対して「このように遺産を分けてほしい」と言っていただけなのであればそれだけで遺産を分ける手続きはできず、遺産分割協議が必要になります。つまり、相続人全員が内容につき合意して(手紙などでの合意でもOK)各人が実印を押印し印鑑証明書を添付しなければそれぞれの手続きの窓口で受け付けてもらえないということです。もし、相談者がお母様の意向を反映させたいということであれば遺産分割協議を通じて他の相続人にお母様の生前のお話を伝えて説得するしかないということになります。
    もちろん、単なる遺品の整理にとどまるのであれば相談者が一人で行っても構いませんが、その際、遺産内容をリスト化するなどして他の相続人から疑義を持たれないようにすることも大切です。

    ◎賃借人が死亡した場合はどうなるのか

    なお、被相続人が居住していた物件が賃貸だったという場合は、被相続人の死亡により当然に賃貸借契約が終了するわけではありません。契約関係としては、被相続人の死亡によって借主としての地位が共同相続人に不可分(分けられない状態)で相続されていることになります。よって、大家からの賃料請求が相談者一人に対して行われたら相談者はすべてを支払わなければならず、他の相続人の支払義務の分については立て替えている形になりますので後から請求し、相続人間で精算することになります。
    相続人が契約を継続する意思がそもそもない場合であっても相談者が一人で賃貸借契約を解除するわけにはいかないため、無駄な賃料を発生させないためには少しでも早く他の相続人との話し合いを持つ必要があります。

    ◎形見分けは財産の内容に応じて行う

    「形見分け」というのは「遺産分割」のひとつの類型ともいえますが、形見分けの中でも財産価値のあるものとないものでどう扱うべきか分けられます。市場に出しても明らかに価格がつかないと思われるような遺品であれば別ですが、もし少しでも価値があると考えられるものは遺産分割協議が調わないうちに処分などしてしまうことは避けなくてはなりません。ひとまず遺品を整理するにとどめて、遺産の全貌をはっきりさせた上で早めに話し合いを進めることを考えるべきでしょう。

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