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痴呆の入った父に無理やり書かせた遺言書でも有効...

質問者:Y.K

父の遺言書が出てきましたが、生前言っていた内容とまったく異なります。どうやら姉が痴呆の入った父に無理やり書かせたようなのですが、それでも有効なのでしょうか?

  • 回答:遺産相続なび

    お父様の遺言書が「自筆証書遺言」「公正証書遺言」など、どの類型の遺言書だったかによって有効、無効の判断における難しさは変わってきます。お姉様の態度によっては相談者だけで解決することが難しく、法律家の手を借りる必要が出てくることもあります。

    ◎自筆証書遺言であればまず形式的要件を確認

    「自筆証書遺言」といって、自宅で自分で作成するタイプの遺言書があります。これは、「全文を自筆で書くこと」「署名・押印があること」「日付が明確であること」など様々な形式的要件があり、これを一つでも欠いていれば内容が本人の意思通りだったとしても無効になります。
    相談者の場合、もし自筆証書遺言だったのであればまずこの点について確認するべきでしょう。 それらをすべて満たした遺言書があったとしたら、次に作成時点で遺言者本人に意思能力があったか(法的判断をできる状態にあったか)という点を検証することになります。自筆証書遺言については裁判所に「検認」という手続きを申立てなくてはなりませんが、検認はあくまで証拠保全という意味しかないので、検認を経たことで遺言内容の有効性が保証されたわけではありません。よって、もし有効性を争うのであれば「遺言書の日付の時点ですでに認知症だったことを医師の診断記録などで示す」などして客観的に証明していく必要があるでしょう。

    ◎公正証書遺言であれば無効にするのは難しい

    一方、「公正証書遺言」が作成されていた場合はどうなるのでしょうか。この有効性を覆すのは一般的にはかなり難しいと考えられます。なぜなら、公正証書遺言は本人と証人が公証役場で(または自宅や病院への出張で)公証人に面会し、本人確認と意思確認を行っていることが前提だからです。ただ、過去の裁判では無効とされた例も存在します。 たとえば、公証人による生年月日の確認などで大きく本人が申告を誤った(=意思能力に問題あり)にもかかわらずそのまま公正証書遺言作成を進めてしまったり、公正証書遺言作成時点で複数の医療機関の診断書がすでに認知症の状況にあることを認めているような場合です。
    公証人の意思確認の厳しさも実は画一的ではなく、人によっては一方的に遺言書を読み上げ、本人に異存がないかどうかを聞くだけということもあるため、公正証書遺言だからといって絶対に無効にならないわけではないことがこのような判例からわかります。ただ、やはり本気で有効性を争うのであれば弁護士に依頼して「どのような方法で無効主張するか」を相談することは必須なのではないでしょうか。

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