おひとり様が書くべきエンディングノートの項目は?

人は誰でも今わの際まで安心して暮らしたいと願うもの。

終活というと高齢者が取り組むイメージがありますが、いまや20代の若い世代でも終活を始める人が増えているようです。

はじめて著者がそれを知ったとき終活は高齢者が取り組むものと漠然と思っていたため、若い人の終活があまりにも意外に感じました。しかし、終活を始めるのは実は「加齢」や「身体の衰え」といった年齢に限ったことでは無いことが次のアンケート結果からわかりました。

上記の表は流通業界のITスペシャリストの株式会社プラネットが2019年6月28日~7月5日、インターネット上で20~60代の男女に「終活」を始めたきっかけについての意識調査の年齢を問わない総合の回答では「テレビや新聞・雑誌などで見聞きして」という回答が一番高く、次いで「加齢、心身の衰えを自覚して」という結果が多いことがわかりました。

ところが、年代別の回答では40代を境に体の衰えを感じはじめ、50代~60代では「加齢や心身の衰え」「親・兄弟や身近な人が亡くなった」など自身の「加齢を実感したこと」をきっかけとして終活を始める人が多いのですが

20~30代においては「配偶者や家族と将来のことを相談して」「親・兄弟や配偶者など身近な人がしているから」というように、周囲の相談や影響から将来のための備えとしての終活を考え始めているようです。

つまり終活を始めるのに「年齢や衰えを感じる頃に始める」ことだけが始める理由とするのは先入観であって、終活がテレビや新聞・雑誌などの影響により、若い世代においても元気なうちから将来を安心に過ごすための準備を始める意識を年齢を問わずもちはじめていることがわかりました。

終活はどんなことを備えるか

具体的に終活を始めた人に「自分の終活で、既に始めたり済ませたりしたこと、これからしたいこと」を調査した結果、以下の12の回答がトップにあがりました。

  1. 身の回りの持ち物の整理・処分…………………………………62.2%
  2. 金融取引や資産状況のリスト化…………………………………26.9%
  3. 銀行口座・クレジットカード暗証番号のリスト化…….21.5%
  4. PC・スマホなどデジタルデータの整理………………………16.9%
  5. お墓や供養の仕方の準備(お墓の選定.永代供養.散骨など)……13.3%
  6. オンラインサービスやSNSアカウント・パスワードのリスト化. 13.1%
  7. 写真(アナログ・デジタル)の整理・処分………………..12.8%
  8. 葬儀の準備(どのような葬儀にしたいか)……………….12.4%
  9. 日記や手紙などの整理・処分…………………………………….12.0%
  10. 家族・友人・知人などの連絡先リスト化…………………..11.2%
  11. 財産分与・生前贈与などの取り決め………………………….10.7%
  12. 形見・遺品の整理、取り決め……………………………………10.6%

圧倒的に多いのは「身の回りの持ち物の整理・処分」

家の中のものを減らして必要なものを限定して暮そうと心がければ、本当に必要なものが見えてくるというもの。終活を始めた人の実に6割を超える人が身の回りの持ちものの整理をはじめています。近年の断捨離ブームの影響もあるかもしれませんが、定年後のセカンドライフのための住環境も整います。

さらに、もしもあなたが亡くなった場合、遺品整理やあなたが契約したものの停止処理を行う必要がありますが、整理されていれば遺された家族が死後事務手続きをすすめやすくなります。「なにを遺品として遺すのか」「なにを契約したのか」をはっきりとエンディングノートに書いておくとよいでしょう。

使っていない口座やカードは解約を済ませておくのがおすすめ。

次いで「金融取引や資産状況のリスト化」「銀行口座・クレジットカード暗証番号のリスト化」とありますが財産分配としての役割もありますが、こちらも遺族が死後事務処理を進めるのに役立ちます。

住まいの解約、光熱費、スマホやパソコンのプロバイダ契約内容、金融機関口座や保険の停止、印鑑の場所などわからなければ、解約手続きがいつまでも進められません。

家族や代行業者が判断を決めかねてお手上げ状態にならないように、自分の身の回りの片付けをしながらエンディングノートに書いておくことは、意思表示としても大いに役立つこととなります。必要に応じて遺言書と一緒に役立てましょう。

「お墓や供養仕方の準備」よりも「PC・スマホなどデジタルデータの整理」に関心

今回のアンケートでは個人情報や日記など、人には見られたくない情報を整理しておきたいと思う人が多いことが理由のようですが、やはり日々手にしているものだからこそ関心が集まったのではないかといえます。

エンディングノートに事細かな情報を書いておくのであれば個人の端末が開かれるタイミングは少ないかもしれませんが、定額制の支払いを続けている場合は死後も引き落としは続きますし、FXなどの取引をしている場合借金が見つかった時点で家族に借金の迷惑をかける場合もあるのです。

生前は自分だけしか触れていなかったパーソナルな存在の携帯電話やパソコンですが、死後に遺された人の困惑を避けるよう見られてもいいように内容を整理して、エンディングノートや引出しにパスワードをいれておくなど「見られる準備」はしておきましょう。

ひとり暮らしの老後生活にどう備えるか?

さて、これまで終活の内容は「家族にどう遺すべきか」という内容が多いですが、「ひとり暮らし」の生活スタイルでも同じ終活スタイルやエンディングノートの書き方が良いのか気になるところです。

ここ数年、独身世帯が増加傾向にありますが、独居老人よりも現役世代の孤独死が増加しているのをご存知でしょうか。

厚生労働省の調べによると、高齢者に満たない年齢での孤独死の割合は5割を超え、 60歳未満の現役世代が男女ともに、およそ4割を占めていることがわかりました。

「子供が先に亡くなってしまった」「生涯未婚を覚悟している」などが理由でひとり暮らしをしている人にとっては孤独死はかけ離れることができない問題です。今後このような生活の中で注意すべき点を紹介します。

老後資金のたくわえを用意しておこう

老後、一人で暮らしていくのにいくらかかるのでしょうか。

公益財団法人生命保険文化センターの調査によると、世帯主が60歳以上の無職単身世帯では平均して毎月142,198円の支出があるようです。

ただし注意したいのは、このデータでは住居費がたったの「14,538円」しかありません。実際は、持ち家で無い限りこの金額で済むのも難しいところです。

ところが、このデータだけでも無職である高齢者が年金だけで暮らしていけるのかというと実際には国民年金の受給だけでは4万円から6万円ほど不足している実態があがっていることから、よほどの貯金が無いと老後安心した暮らしができないことがわかります。

まずは固定費から見直してみる

長く雇用されている企業でも高齢になれば定年を迎えます。たとえ家で細々と暮していたとしても持家で無い限り住居費をはじめ光熱費はかかりますし、日用品や食費も欠かせません。

このほか、車を所持していないと生活ができない地域では車の維持費用が必要になりますし、ペットを飼っている家ではペットの餌代、医療費、保険料などがかかります。交際をなるべく減らしたところで、冠婚葬祭があれば急な出費もあるでしょう。

固定費用とは主に以下のようなものです。

  • 住居費
  • 水道光熱費
  • 生活日用品
  • 食費
  • 通信費(ネットや電話代)
  • 医療費
  • 車の維持費(ガソリン代・車検費用など)
  • ペットにかかる費用(医療費、保険代、餌代)
  • 交際費(食事、冠婚葬祭費用)
  • 交通費  など

固定費用は生活していく中で最低限必要な費用とも言えますが、うまく調整すれば一番節約しやすい費用ともいえます。

たとえば、車がなくともスーパーなどに通える家賃の安い住まいはいくらでもありますし、電気代とガス代をうまくまとめていくらか割安にできるサービスを利用したり、元気なうちは食事も自炊すれば幾分節約ができます。

元気なうちに節約や要らないものを削減して、貯金にまわしておきましょう。

節約が難しいもしもに備えておく

救急車の車内診療は13,000円の
医療費がかかる。

高齢者にかかる医療費は月額平均8,000〜9,000円といわれています。しかし、手術や入院となればこれに限りません。

健康的に暮らせない時点で自炊が難しくなるため食費もかかります。通院となれば、移動代にタクシーを利用することも増えるでしょう。

一人暮らしで、特に誰に相談できる状況でない場合は月額の固定費だけでなく、急病・災害・認知症・葬儀のような「もしも」を予期してすすめることが終活をしていく中で欠かせません。

もし現在働ける状況であるならば、どうにかなるかなとは考えず老後に備えて貯蓄や個人年金保険などに加入しておきましょう。

個人年金保険の加入を検討する

個人年金保険とは普段支払っている国民年金や厚生年金などの公的年金を補う役割のできる個人で契約できる年金です。20歳から加入できます。

契約時に60歳や65歳までのように保険料の払込期間をあらかじめ決めて、保険料を支払います。払込期間を過ぎたら毎年一定した額の年金が受取れるので、これだけで生活費の全てを埋められるとは限りませんが、あくまで貯蓄型の保険として公的年金と合わせて支払われる安心感につながります。

おもな個人年金の種類には以下のようなものがあります。

終身年金:保険料払込期間が過ぎたら受取人が生存している限り一生涯年金を受け取れるもの。

有期年金:保険料払込期間が過ぎたら受取人が生存している限り契約期間の一定期間年金を受け取れる。ただし、遺族に受け取れる年金が無い。

確定年金:保険料払込期間が過ぎたら受取人の生存に限らず契約期間まで年金を受け取れる。そのため、期間中に受取人が死亡している場合でも遺族に期間内まで年金が支払われる。

終身年金や有期年金は受取人が早く死亡した場合、元本割れを起こすケースや返戻される分も少ないため、損をしますが、頼れる家族が全くいないような場合には適合しているといえます。

このほか、外貨で支払いをするプランなどありますので、保険契約時に相談してみると良いでしょう。

節約と生活に必要な分としての貯蓄を無理なくバランスよく保てるシミュレーションができると、老後も安心して暮らせます。

加入後は契約内容がわかるように忘れずにエンディングノートに必ず記入しておきましょう。

介護について調べておく

高齢になって認知症や衰弱により要支援・要介護の認定を受ける場合、40歳以上でも介護保険が利用できます。介護保険のサービスを受ければ所得によっても変わりますが年金収入など280万円未満の人であれば1割の負担で介護サービスを利用できます。

ただしそれを超えると2割負担、さらに340万円以上だと3割負担となります。(※単身の場合)

介護保険で受けられるサービスを一部紹介します。

家庭で受けられる介護・看護サービス

ヘルパーが家庭を訪問して生活援助をする「訪問介護」や「訪問入浴介護」、また、看護師や理学療養士が主治医と連絡をとりながら看護する「訪問看護」を受けられます。

施設にでかけて受けられる介護・看護サービス

在宅で介護を受けている利用者が送迎車などを使って施設に通って入浴や食事など介護を受けるサービスです。自宅にいるままでは会話が減り閉じこもりがちになりますが、施設に出かけることでストレスの軽減を図ります。

「デイサービス」や「デイケア」など呼ばれます。デイケアは医師を常駐させることが義務とされているリハビリテーションサービスです。ほかに数日から1週間などの短期間入所する「ショートステイ」というサービスもあります。

施設で生活して受けられる介護・看護サービス

常に介護が必要で家庭での生活が困難な場合(要介護3〜5)「特別養護老人ホーム」を利用できます。名前は似ていますが、病状が安定しており在宅復帰を目指す場合(要介護1〜5)は「介護老人保健施設」を利用します。この介護老人福祉説はあくまで復帰を目指すためにリハビリをメインとしているため長くとも半年ほどの入居期間が設けられています。

また認知症の高齢者を対象とした「認知症高齢者グループホーム」は医療ケアには特化していませんが認知症ケアのスタッフのもと少人数のグループで生活できます。

そのほかのサービス

家庭で受けられるサービスや訪問型、宿泊型などをそれぞれで手続きを行わずに申し込みができる「小規模多機能型住宅介護」の利用や、介護施設などに入所中の高齢者が日常生活の上で介護や支援を受けられる「特定施設入居者生活介護」などのサービス。

また、一日に数回訪問介護員などのサービスを受けられる「定期巡回・臨時対応型訪問介護看護」。介護用ベッドや車椅子などのレンタル・自宅に手すりの取り付けや段差の解消などの必要な費用負担、などのサービスを受けられます。

くわしくは市町村の介護保険窓口で相談してみましょう。

希望する介護の方法についても、エンディングノートにまとめておくようにしましょう。

生前契約を結ぶ

高齢者住宅に移り住む場合や入院の際、身元保証人として家族の同意が必要になります。

しかし、家族がいない場合や頼めない事情がある場合は入居手続きがすすめられません。

この場合、行政書士などの士業を持つ専門家や信頼のあるNPO法人などに生前契約として身元保証を依頼することができます。

生前契約にはさまざまな種類がありますが締結すれば身元保証人だけではなく、契約手続きや、金融口座の引出し、支払い管理など、自分が寝たきりになってから亡くなったあとまで備えることができます。

寝たきりに備える(財産管理契約)

認知症や外傷による意識不明にはなっておらず、まだ本人には判断能力はあるけれど、病気で寝たきりの状態になった場合に備えておく契約です。

寝たきり状態になってしまうと、ちょっとした買い物を周囲に頼むことはできるかもしれませんが、そのお金を金融口座から引出しにいくことが困難になります。お金を金融口座から引出すには、その都度「委任状」を用意して信用のおける人に頼むことになります。

こういった財産に関する諸手続きを本人に代わって手続きしてくれるための契約を財産管理契約といいます。

財産管理契約には、本人の委任であることを証明できるので公共料金などの支払いや口座からのお金の引出し以外にも、大事な事務手続きや病院、介護施設への入所手続き、保険の契約などその都度委任状を必要とする部分を担って助ける契約です。

家族や士業を持つ専門家、NPO法人など信頼のおける人でしたら頼むことができます。

他人からみれば、知らない人が自分の財産を使い込んでいるように見えますが公正証書を作っておくことで契約したという証明ができるので依頼もしやすくなります。

財産管理契約にはデメリットもあります。

この財産管理契約の受任者が本来の働きを遂行してもらうために、確実に信頼のおける人を受任者として選ぶ必要がありますし、法律に反しない範囲という自由な契約内容ですのでよく確認して不必要な契約項目はあらかじめ断っておく必要があります。

念の為預金口座の引出しの際はトラブルを防ぐために通帳や印鑑は利用ごとに手渡して報告と確認をおこなったり、管理監督する監督人を立てておくと安心です。

また、受任者が周囲から使い込んでいると思われないよう公正証書を用意しておくとトラブルを未然に防ぎます。

またこの契約は認知症や病気で判断能力が無くなると効力がありませんので、その場合に備えて「任意後見契約」を結んでおくと良いでしょう。

認知症に備える

任意後見契約

財産管理契約では、認知症になってからでは効力が無いため、認知症にも備えるのであれば判断力のある財産管理契約の締結の時点で「任意後見契約」、さらに財産管理契約から任意後見契約の流れを監督できるよう定期的な訪問をする「見守り契約」も結んでおくことをおすすめします。

任意後見契約であれば、自分が判断能力を無くしたあとも、財産管理契約のような、生きている間の管理を依頼できます。

しかし、預金口座などの引出しに関することはもう判断能力が無くなると本人も管理できないので、認知症などの発症後に、家庭裁判所による後見監督人が選任されたあとに後見契約が開始されます。

後見人についても公正証書とエンディングノートで契約内容を残しておきましょう。

死後に備える

死後事務委任契約

亡くなったあと病院の支払いや、老人ホーム、家賃、役所への事務手続き、葬儀、納骨、埋葬等を委任する生前契約を死後事務委任契約といいます。

もちろん一般的には家族がこの手続をすることになりますが、家族も体が不自由で動けないなどやむをえない事情がある場合に、本人が死後放置されてしまうことを避けるためあらかじめ契約をしておきます。

「財産管理契約」から一貫して契約をしておくことでもしもの安心につながります。

契約内容を確認し、いずれも遺言書、公正証書、エンディングノートに残しておきましょう。

孤独死を避けるために

孤独死から発見されるには平均で17日もかかるそうです。3日以内に見つかる確率は4割ほどしかありません。

ひとり暮らしの世帯者は、常に孤独死をするリスクを抱えています。

孤独死を発見できるタイミングは家族や身近なひとよりも、近所の人が異臭に気づいたときや家主が家賃の支払いの遅れによる問い合わせが一番多いようです。

できるだけ早い発見をしてもらうためにどんな対策をしたらいいでしょうか。

宅配サービスを利用する

今は自炊をするにも宅配サービスが充実していますが、特に高齢で外出が難しいなど、出来合いの弁当や温めるだけの食事宅配サービスを使って、定期的に人の出入りをしてもらうという方法は見守りサービスとしても利用されています。

出来合いの食事は飽きてしまわないか不安かもしれませんが、最近の食事宅配サービスは介護食のほかにもダイエット中にピッタリの低カロリーメニュー糖質制限のもの、学生さんなど、がっつり食べたいメニュー、産後子育てに追われたママを助けるメニュー、などバラエティが豊富でいろいろな方が利用しています。

自治体でも1食500円〜700円程度で一般食やエネルギー食を届けてくれるサービスと提携しているサービスもあるので検討してみるといいでしょう。

みまもり訪問サービスや電話サービスを利用する

訪問サービスには、日常の家事を手伝うケアから介護または医療にかかるケアまでさまざまな種類のサービスがあります。

24時間つきっきりのサービスはちょっとという方には、定期的に時間を区切った世話を頼めるのでご自分に合ったサービスを選びましょう。

・医療機関、またはホームヘルパーによる訪問サービス

理学療法士などが入浴介助、食事や排泄等の介助・病気や障害の状態観察・がん末期や終末期などでも自宅で過ごせるようなターミナルケアをおこなうサービスです。

入院中から病院と連携して在宅生活に向けた支援を行います。

要支援・要介護認定を受けた在宅生活を行っている方で、主治医の指示やケアプランにより、訪問リハビリが必要とされた人が利用対象とされています。

定休日や訪問エリアをあらかじめ確認しておきましょう。

・高齢者向けの見守りサービス

自宅内にカメラやセンサーをつけて、一定時間以上動きがない場合に電話連絡や警備会社の現場派遣員と消防が救助活動が駆けつけてくれるサービスです。

緊急ボタンをあらかじめ家のなかやペンダント状に用意しておくサービスも。いざという時に自分でボタンを押して助けが呼べるので、安心です。

民間のサービスにもありますが自治体によっては、同様のサービスを用意しているところもあるので最寄りの自治体の福祉課に相談してみましょう。

ボランティアや地域交流に参加する

運動がてら、散歩や外出、地域ボランティアなどに参加して積極的に仲良しのコミュニケーションを作るようにしましょう。

よく顔を出すようにすれば「あれ、今日は◯◯さん来てないわね」という会話も生まれもしものときも早めの発見につながります。

自治体の福祉だけをあてにすると65歳の高齢者を対象としたものが多いので、若い人が対策をする場合は、こういった近隣の地域交流を積極的に図ることがおすすめです。

若いうちから「もしも」を体験してみる

定年すら見えていない若いひとが終活をはじめる場合、もしもの場合や高齢者特有の悩みに備えることは難しいことです。そこで、終活を考えるにあたって情報収集の方法をいくつか紹介します。

終活セミナーに参加する

一番効率的な手段は終活セミナーに参加してみることです。

規模の大きな終活フェアでは、保険・相続・仏壇・形見整理・葬式・お墓について一度に業者を介して情報を収集できます。

銀行が個別に行っているセミナーでは相続やお金に関すること、葬儀業者や石材店が行っているセミナーではこれまで行われた葬儀や葬送の方法についてなどを具体的な事例を交えて紹介しています。

まずは、なにもわからない「なんとなく」の状態でかまいませんので参加してみると見えなかった必要なものが見えてくるものです。

終活カフェで語らう

全国に終活カフェとして数少ないですが、美味しいごはんやお茶を飲みながら気軽に立ち寄れる通年定期的に開催されている終活カフェを紹介します。

東京都の終活カフェ

(東京|江東区)
ブルーオーシャンカフェ
東京都江東区住吉2-2-4
営業時間 10:00-17:00(ラストオーダー16:30)
定休日 水曜日

ブルーオーシャンカフェは木の温もりが感じられるシンプルな店内。薬膳カレーやタコライスやロコモコ丼などカフェメニューも美味しいと評判。定期的に終活に関するセミナーを開催していて、終活以外の懇親会などのレンタルスペースとしても活用できます。終活としても地域のコミュニティの場としても親しみのあるカフェ。

ブルーオーシャンカフェの運営会社は株式会社ハウスボートクラブ。

カフェ事業のほか、2011年から都内初の手元供養専門ショップや海洋散骨事業などを手がけている会社。海洋散骨のガイドラインを策定する「日本海洋散骨協会」を設立するなどの取り組みなど、海洋散骨に健全な普及を行っています。


(東京|港区)
CAFEかのん
東京都港区赤坂2-21-1
営業時間 -  (下記にお問い合わせください)
電話 03-3583-3916



厳選豆から焙煎したコーヒー、小麦粉を使わないオーガニックカレー、日替わりの工夫を凝らしたおにぎりなどカフェ利用で訪れる人を飽きさせないメニュー。

また、エンディングノート、遺影撮影、介護、保険、葬儀に至るまで業者では聞けないような内容も気軽に終活関連全般をアドバイス、相談ができる。赤坂駅から歩いて6分という立地もおすすめです。

奈良県の終活カフェ

(奈良|奈良市)
日々紡々
奈良県奈良市北永井町390-1
営業時間 イベントによる
電話 080-3775-3088


日々紡々(にちにちつむつむ)は誰でも気軽に立ち寄れるつどいの場。
古き良き旧奈良町の町家づくりのレンタルスペースで、毎月1回参加者全員でエンディングノートを綴って定期的なノートづくりの習慣を身につけます。

VRで認知症体験

老後の不安というと、認知症もそのひとつではないでしょうか。
物忘れや判断力が無くなれば自分の財産の管理はおろか、食事や生活に支障をきたすでしょう。しかしどんな症状もなってみて初めてなにが必要なのかが見えてくるというもの。

いま、VR(バーチャルリアリティ)の仕組みを使って認知症の類似体験ができます。

これは、認知症ではない人がVRモニターを装着することで視覚的に認知症の人の体験ができることで、これまで誤った偏見を持たれていた認知症の理解を深められるプロジェクト。

千葉県にある株式会社シルバーウッドという企業が協力して開催しています。

2017年2月の開催を始めとして、2018年の1年間だけで、37都道府県277会場、375回もの開催を通して多くの若い人の関心を寄せているようです。

▼ VR認知症疑似体験会の様子

認知症の専門医や介護に携わるたちに多く体験されているようですが、「もし自分が認知症になったなら」という視点で体験してみることで、これからの終活の取り組み方も変化していくかもしれません。

ひとり暮らしの終活の備え、エンディングノートに残す項目は

ひとり暮らしの終活の場合、倒れた場合や、死後事務処理はあなたを何も知らない状態の発見者が対応をせまられます。必ずエンディングノートを書いておきましょう。

  • 緊急の連絡先について
  • 自分自身について(個人情報など)
  • 医療・介護について
  • 葬儀・納骨について
  • 相続について
  • 遺言について
  • 家族へのメッセージ
  • その他ペットのことなど

また、終活を行うなかで発見したことや気になったこともノートに書いてかまいません。何度も書き直してもかまいませんし、完成しても年に一度は見直して変更した内容を更新しましょう。

最後に

本人が元気で暮らしている間は、他人には関係の無いことという意識を持ちやすいものです。しかし先にも書いたように「もしも」のときの手続きをする場合、開始した手続きを全て終了させる必要があります。そのため、検討したり契約した内容はすべてエンディングノートに書いておきましょう。生前中も備忘録としても活用できます。

また、備えを始めるとできるだけお金をかけないように、動かないように閉じこもりがちになりますが、健康に気を使って生きていくことの方がよほど医療費もかからず、精神衛生上にもプラスにはたらきます。シンプルな生活のなかでも生きがいを持ってより充実した日々を送りましょう。

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