かつての相続税は、納税対象が一部の富裕層に限られていましたが、今や一般の人にも十分関係のある税金です。
さらに首都圏を中心とする不動産価格の上昇も相まって、課税対象者はさらに増加傾向にあります。
相続した財産が基礎控除額を上回る場合、支払わなくてはいけない相続税。「相続税の申告、自分でやるべきか、税理士に頼むべきか」多くの人がこの分かれ道で悩みます。
結論から言うと、相続財産に不動産や非上場株式が含まれる、特例を使いたい、相続人が複数いるなど、少しでも複雑な要素がある場合は税理士への依頼をおすすめします。 判断を誤ると、払わなくていい税金を払ったり、逆に申告漏れで税務調査を受けたりするリスクがあるためです。
この記事では、税理士が必要なケース・自分でできるケースの判断基準、依頼しなかった場合のリスク、費用の相場までまとめて解説します。
税理士が必要かどうかは、まずこの5つを確認
以下のいずれかに当てはまる場合は、税理士に相談したほうが安全です。
1.相続財産が基礎控除額を超えている
相続税の基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」です。これを超える財産がある場合、相続税の申告・納税が必要になります。都心部では不動産の価格上昇により、以前より基礎控除を超えるケースが増えています。
2.相続財産に不動産や非上場株式が含まれる
現金や上場株式は評価がわかりやすいのですが、不動産や非上場株式は評価方法が複雑です。特に土地は、現地調査や役所調査によって評価額が下がる要素(高圧線の存在や都市計画道路の予定地など)が見つかることもあり、専門知識がないと払い過ぎになりがちです。
3.配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例を使いたい
配偶者が相続する財産のうち、1億6,000万円と法定相続分のいずれか多い金額までは相続税がかかりません(配偶者の税額軽減)。ただし、この特例は相続税がゼロになっても申告自体は必要です。小規模宅地等の特例なども含め、特例の適用には要件確認と書類作成が必要で、様々な特例を知らずに使わないと不要な税金を払うことになります。
4.二次相続まで見据えた対策をしたい
一次相続(例えば、高齢の父母のどちらかが亡くなった際の相続)で配偶者に多く遺産を集めると、その場の相続税は抑えられますが、二次相続(残った配偶者が亡くなった際の相続)で相続人が減り、控除額も減るため、結果的に家族全体の税負担が増えることがあります。この見通しを立てるには専門的な計算が必要です。
5.準確定申告が必要
亡くなった方に事業所得や不動産所得があった場合など、確定申告が必要だった方が亡くなったときは、相続人が代わりに「準確定申告」を、原則死亡を知った日の翌日から4ヵ月以内に行う必要があります。所得の内容が複雑な場合は税理士への相談が安心です。
税理士に依頼しなくてもよい(自分でできる)ケース
一方で、以下の条件をすべて満たす場合は、自分で申告できる可能性があります。
- 相続財産が基礎控除額以下で、そもそも相続税がかからない
- 財産が現金・預貯金・上場株式など評価の簡単なものだけで、不動産や非上場株式がない
- 相続人同士で揉めておらず、分割方法もシンプル
- 配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例など、複雑な特例を使う必要がない
このような場合は、国税庁の申告書作成コーナーなどを使って自分で申告することも可能です。ただし、「基礎控除以下だと思っていたが、実は不動産の評価を誤っていた」というケースもあるため、財産の内容が少しでも複雑なら、無料相談だけでも利用して確認することをおすすめします。
判断を誤るとどうなるか
「自分でできると思って進めた結果、判断を誤った」場合のリスクは軽くありません。
申告漏れ・評価誤りによる税務調査
国税庁の統計でも、相続税の実地調査が行われた件数のうち、約8割で申告漏れなどが指摘されています。相続人自身での申告は書類の精度が低いとみなされ、調査対象になりやすい傾向があります。
追徴課税・延滞税
申告漏れや誤りが見つかると、本来の税額に加えてペナルティとして延滞税や過少申告加算税(悪質な場合は重加算税)が課される可能性があります。
特例を使えず払い過ぎる
小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減は、申告期限内に手続きをしないと使えなくなる場合があります。「知らなかった」だけで数百万円単位の差が出ることもあります。
申告期限(10ヵ月)に間に合わない
相続税の申告・納税は、相続の開始を知った日の翌日から10ヵ月以内に行う必要があります。財産調査や評価に時間がかかり、期限に遅れると延滞税が発生します。
「自分でできるかどうか」の判断そのものを誤ると、税務調査や追徴課税につながりかねません。財産構成が少しでも複雑な場合は、判断に迷った時点で専門家に確認するのが安全です。
依頼するなら、相続に強い税理士を選ぶ

税理士であれば誰でも相続税申告はできますが、相続は税理士試験の必修科目ではないため、相続の経験が少ない税理士も多く存在します。依頼する際は、以下のポイントを確認しましょう。
- 相続税申告を専門・得意分野としているか
- 面談した税理士が最後まで担当してくれるか
- 遺産分割方法について具体的な提案をしてくれるか
- 土地がある場合、必要あれば現地調査・役所調査をおこなってくれるか
- 書面添付制度(税務調査のリスクを下げる制度)に対応しているか
税理士費用の目安
相続税申告を税理士に依頼する場合の費用は、遺産総額の0.5〜1%程度が相場です。例えば遺産5,000万円なら25万〜50万円程度が目安になります。相続人の数や不動産の評価が必要な場合は、別途費用が加算されることもあります。費用は相続財産から直接差し引くことはできず、相続人が相続割合に応じて分担して支払うのが一般的です。
相続の税理士費用は誰が支払う?
相続税申告の税理士費用は、お葬式費用のように相続財産から差し引くことはできません。
相続人の誰が支払っても良いのですが、相続割合に応じて共同で支払うことが多いです。また、相続人に高齢の配偶者がいる場合は、2次相続に向けて少しでも財産を減らすために配偶者が支払うのもよいでしょう。
まとめ
相続税がかかる可能性がある、不動産や非上場株式がある、特例を使いたい——これらのいずれかに当てはまるなら、税理士への依頼を検討する価値があります。逆に、財産が単純で基礎控除内であることが確実なら、自分での申告も選択肢になります。
ただし、「自分でできる」と思い込んで判断を誤ると、税務調査や追徴課税につながるリスクがあります。判断に迷う場合は、無料相談を活用して確認するだけでも十分価値があります
どの専門家に相談すべきか分からない場合は、相続全般の相談に対応している窓口に問い合わせるのもひとつの方法です。「いい相続」では、電話またはメールで相続の相談を受け付けており、状況をお伝えいただければ、相談すべき専門家の種類の判断や無料面談のご案内も可能です。電話・メールでのお問い合わせは無料です。判断に迷っている方は、まずお気軽にご相談ください。
▼実際に「いい相続」を利用して、税理士に相続税申告を依頼した方のインタビューはこちら
ご希望の地域の専門家を探す
ご相談される方のお住いの地域、遠く離れたご実家の近くなど、ご希望に応じてお選びください。
相続手続きのご相談
まずは
STEP1お問い合わせ
お客様に合う専門家をご紹介
STEP3お申し込み
お見積りをご確認の上お申込み
参考価格
*参考価格は「いい相続」がご案内した行政書士に依頼した場合の目安の料金です。
相続のことなら
「いい相続」に
ご相談ください