【相続セミナー】おひとりさま・お子様のいないご夫婦の終活セミナー|動画付き
いい相続の姉妹サイト「窓口de終活」では様々な無料セミナーをおこなっています。そのなかで、相続に関連したセミナーの一部をいい相続でも取り上げてご紹介していきます。
2023年1月12日、午前、午後の2回に分けて開催した相続セミナー「おひとり様・お子様のいないご夫婦のための相続対策」。
相続のセミナーというと堅苦しいイメージがあるかもしれませんが、この日は満足度の高い少人数制だったので参加された方と講師とで活発に質疑応答がおこなわれていました。
- 同居する人がいないひとり世帯の方
- ひとり世帯になるかもしれないご不安がある方
- ひとり世帯の親戚がいる方
オープニング:おひとり様の相続の不安とは?
おひとり様という言葉の捉え方は、年代や状況によって様々ですが、
- 配偶者と離別、親兄弟と死別等をされておひとりでお過ごしの方
- 生涯独身でひとりで生活している方
- お子様がいないご夫婦(おひとり様になる可能性が高い予備軍)・・・
このように、おひとりおひとり背景は違いますが、頼りになる方が身の回りにいらっしゃらない方を対象として、今後のもしもに備えてどういったことをしておくのがよいか、というお話をさせていただきたいと思います。
ところで皆様は、おひとりでお過ごしになられる中でこんな不安を感じたことはありませんか?
- もし重い病気になってしまったらどうしよう?
- 誰も病院に付き添ってくれたり、入院費などのことをサポートしてくれる人もいないときはどうするのだろう?
- 自分の判断力が低下してしまった場合は、誰が判断してくれるの?
- どんなサポートサービスがあるのかしら?
- このまま、一人で最後まで自宅に住み続けられるのか?
- 私の財産は万が一があったときは誰が受け継ぐのかしら?
- 手続きは誰が行うんだ?
- 自分に万が一があったときは葬儀は誰が出してくれるのか?
- 友人などに頼んでいても、友人のほうが先にということもあるからどうすればよいのだろうか?
このように考えだすと、あれもこれもと不安が尽きないかと思います。
しかし、皆様の不安に対する対策はちゃんとあります。
本日はその不安に対する対策をひとつずつみていくことにしましょう。
セミナーの目次
- 医療同意について
- 身元保証について
- お住まいについて
- 財産の管理について
- 死後の手続きについて
- まとめ
1.医療同意について
一つ、事例をご紹介します。
とても元気に日常を過ごしていた80歳のAさん、久しぶりに都内に買い物にでかけた際、駅のホームを歩いていたら、つまづいて線路へ転落、腕と足の骨折と脳挫傷で病院に運ばれました。 後遺症がだいぶひどい状態で、命は取り留めたが自分でどう生活していくかなど判断ができる状態ではなくなってしまいました。
Aさんのように、脳挫傷となれば、また、自分の命に関わるような病気になったときは、おそらく自分自身で医療方針について判断する能力はなくなっている可能性が高いと思われます。
そんな時、お医者様が勝手に治療方針を決める訳にはいかない、かつ病院での治療が終わって退院してほしくても、ご本人にはどうしたいという判断ができないため、病院も困ってしまうという事態が起こります。
ご自身の意思を代弁してくれる家族がいないのであれば、事前に書面に残しておき、頼れる近くの方などに託しておくと良いでしょう。
医療同意について書くこととは
では、実際にはどういうことを書けば良いのでしょうか?
医療同意については、ご自身の診療に関する希望を書いていきます。
最期を過ごしたい場所は?
自宅、病院 介護施設、どこでも良い、などを書きます。
自分で食べることができなくなったり、医師に回復不能と判断された時の栄養を取り込む手段は?
鼻から胃管を入れる胃ろうをしてほしい、口から入るものを食べる分だけ食べさせてもらいたい、などを書きます。
医師が回復不能と判断した時点でやってほしくないことは?
心肺蘇生、気管切開などを書きます。
「どういう状態になってしまった際は、どうしてほしいか」というということを書いて置くと良いでしょう。
こういうことを書いておけるのがエンディングノートです。今回セミナーにご参加いただいた方にお配りさせていただきましたので是非お持ち帰りいただき、このエンディングノートに「私の診療に関する希望」というページがありますのでためしにご記入してみていただければと思います。
2.身元保証について
身元保証が必要不可欠な状況はどんな状況でしょうか?
- 病院に入院することになった
- 介護サービスを利用したい
- 賃貸住宅契約をしたい、など
身寄りがいない、身元保証人を頼める人がいないという場合は、身元保証のサービスの利用を検討しておくと良いでしょう。
3.住まいについて
ある程度の年齢になってくると、体の衰えも感じ始めたりします。例えば、家の中の階段が少しつらいな、などというときです。
もし、ご自身のお体の状態が心配になったときに、早めに施設に入居して安心したいのか、できる限り在宅介護を受けながら、自宅で過ごしたいのかなどを一度考えてみてください。
いままで生きてきて、なかなか200点満点の住まいはなかったのではないでしょうか?
たとえば、もう一部屋あればいいのにな、とか、住み心地はいいけど駅から遠いとか、広いけれど掃除が大変とか、サウナがついていればいいのにとか、もうきりがないですよね。介護が始まってもそれは同じと思っていただき、完璧を求めすぎてしまわないのも一つの注意点です。
では、いつ、どんなタイミングで介護施設などに入るべきなのでしょうか?
答えは・・・残念ながらありません。
おひとりおひとりのライフスタイルの価値観や、性格的なもの、考え方、心と身体の状況、財産状況など総合的に判断していくものだと思います。
ここである事例をご覧ください。
症状の進行により退去することになった80代のBさんのお話です。
Bさんは、サービス付き高齢者住宅にご入居されていらっしゃいました。ご入居されていらっしゃる方はほとんどご自身で自立して生活ができる、もしくは軽度の介護を必要とする人たちでした。Bさんも最初は自立していましたが、徐々に認知症が進行してしまい、他の入居者に迷惑をかけてしまうようなことも出てきたのです。
理論的には、要介護5の人でも過ごせると掲げていたサービス付き高齢者住宅でしたが、他の入居者に迷惑をかけてしまっては、退去を視野にいれなければならなくなってしまうことがあります。
Bさんは、要介護1だったのですが、介護認定の区分変更を行い「要介護3」となり、同時に、後見人をつける手続きをして特別養護老人ホームへ転居することになった・・・ということです。
Bさんにとっては居心地が良かったこの住まいが、認知症が進んでしまったことによって、住み替えをしなくてはならない状態になってしまいましたが、この時点ではすでにご自身で判断をすることができなくなっていました。
今お話しした事例から、一人暮らしの心配度や、財産、資金繰りの状況、心や体の状態を考慮して、元気なうちにシュミレーションをしながら検討する必要があることがおわかりいただけるかと思います。
一人暮らしが心配だから、早めに施設に入居をすることを検討している場合は、色々な候補の老人ホームを見学して比較検討し、ご自身が納得して入居できるというメリットはありますが、逆に長く住まうことによって費用がかかりすぎるというデメリットや、ご自身と入居者との身体的状況に差があり、施設に馴染めないなどということも起こりえます。
皆様おひとりおひとりのタイミングを良く見計らっていただきたいと思います。
こう考えていくと、終の棲家というものは、健康面や環境といった不確定要素が多いので最適なタイミングがいつか、ということは言い切れないものなのです。
ですから、今できることをしておくことが重要です。
ご自身の思いや希望を書面にしておくこと、またそのご希望や思いが叶えられるように備えをしておくことだと思います。
4.財産の整理について
さて、続きまして4番目の財産の整理について。
認知症が進んでしまい、後見人が選任されたときや亡くなったあとに遺言にあることを実現しようとしたとき、皆様の財産についての情報がわからなかったら後見人や遺言執行者は財産を特定するために大変な労力を費やすことになります。
例えば、財産調査に多大な労力がかかれば費用も膨らみます。財産の把握ができなければご自身が思っていたような処分や、相続がなされないということになります。そして、見つけることができなかった財産があった場合は、放置されることにもなりかねません。
特に今はインターネットバンキング等で、通帳が存在しないケースが多く、スマホや、パソコンにある情報は探しきれない可能性もあります。亡くなったあとに指紋認証することもできないですよね。
そこで財産目録を作成しておくことをおすすめしております。
財産はプラスの財産、マイナスの財産と分けて考えます。
例えば、プラスの財産は、不動産や預貯金・株式や、投資信託などです。
マイナスの財産は、住宅ローンやキャッシングなど借りているお金を記載しておきます。
書いたものは封をしてもかまいませんので、誰もわからない所にしまい込むのではなくエンディング期に皆様が尊厳をたくそうとしている人(または団体)に預けておいてください。
▶【項目別の記入例付き】財産目録の作成方法|自分で作るための書き方や考え方までわかりやすく解説【行政書士監修】5.死後の手続きについて
5つ目は死後の手続きです。
皆様に万が一のことがあったあと、葬儀や、納骨、家具家財などの処分、パソコンやスマホの廃棄・解約、ペットの世話など、こうした手続き「死後事務」をだれかに委任しておくとよいです。
葬儀や、納骨などもそれなりに費用はかかりますよね。死後にかかる費用を想定して死後事務の委任契約や、事務費用や資産のお金を預けておく、第三者受け取りの生命保険を利用するなどいくつか方法がありますのでご自身に合った対策を是非検討していただきたいと思います。
6.本日のまとめ
今までお話したとおり、おひとりさまの終活の中で、不安を安心にかえる方法は、
- 医療の希望を書面に残す
- 身元保証サービスの利用検討
- 住まいの検討
- 財産目録を作成する
- 亡くなったあとのことは委任、信託する
と多岐にわたります。
これらの皆様のエンディング期を支援してくれる多種多様なサービスや仕組みに対して、皆様に代わって、皆様の意向を理解して選択のサポートしてくれたり、実行してくれる役割を担ってくれるサポーターが必要となります。そのサポーターをご紹介しているのが鎌倉新書です。
サポート事例
では実際に当社でサポートさせて頂いた方の事例をご紹介します。
66歳の男性のCさんは、ご親族は母方の叔父叔母のみであり、ご高齢ということもあったため、ご自身としてはおひとりさまになるというご不安をお持ちでした。。
ご自身に万が一があったときには、火葬式をしてほしい、そして菩提寺に納骨してほしいという強いご希望がありました。ただ、誰がそれを実行してくれるのか、誰に頼めばよいのか・・・。
ご自身で、ネットで調べたり、役所にいき、葬儀社を紹介してもらうなどできる限りお調べになったそうでしたが、思うような答えは返ってこなかったそうです。 そんな中で当社を見つけていただきました。。
当社の担当者が、何度もお話をお伺いし、Cさんの状況をよく理解した上で、ご希望通りの納骨ができるようご手配をするサポートをさせていただきました。加えて、認知症に備えた契約、さらに、ご自身の財産をどのように遺贈するか明確にしておくために公正証書遺言を作成できる業者様をご紹介しました。。
Cさんの不安を安心に変えられたことが、ご期待以上であったと大変喜んでいただきました。
鎌倉新書では、おひとりさま、お子様のいらっしゃらないご夫婦の終活において、皆様のお話をじっくりとお伺いし、お悩みや希望にあった情報提供とおひとりおひとりの状況やご希望にあった各分野の専門家をコーディネートして、お悩みやご不安の解決のサポートをしております。
ぜひお気軽にご自身の終活や相続のお悩みをご相談ください。
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