死亡届の書き方と必要書類、死亡に伴う各種手続をわかりやすく説明
本記事は、いい相続の姉妹サイト「遺産相続弁護士ガイド」で2018年10月26日に公開された記事を再編集したものです。

大切な家族が亡くなったとき、気が動転して、何をすれば良いかわからなくなってしまいます。
しかし、死亡後にはいろいろな手続きが発生します。死亡届から始まり葬儀、相続の手続きなどを行わなければいけません。
死亡届や相続税申告など期限が決まっている手続きもあるので、漏れのないよう処理していく必要があります。行政書士などの手を借りるのもひとつの方法です。手間を省くだけでなく、記載ミスもありません。
ここでは、最初の手続きである死亡届について解説します。是非、参考にしてください。
死亡届とは何か?
死亡届とは、亡くなられた方の戸籍を抹消するための届出書です(戸籍法86条)。
第八十六条 死亡の届出は、届出義務者が、死亡の事実を知つた日から七日以内(国外で死亡があつたときは、その事実を知つた日から三箇月以内)に、これをしなければならない。
死亡届が重要なのは、それが受理されることで、公に死亡が確認されて、相続をはじめとした故人をめぐる法律関係が変動するからです。
死亡届を提出しないとその後の相続手続きは行うことができません。すなわち、死亡しているにもかかわらず火葬・埋葬ができないだけではなく、年金受給や公共料金・税金の支払いなどの場面で混乱を生じてしまいます。
死亡届の届出義務者
死亡届は誰でも提出できるわけではありません。
届出義務がある者
故人と一定の関係がある者は、死亡届を提出する義務があります。(戸籍法87条)
- 同居の親族
- その他の同居人
- 家主、地主、家屋の管理人、土地の管理人
なお、届出義務者ではありませんが、同居していない親族、後見人、保佐人、補助人、任意後見人も死亡届を提出することが出来ます(同法87条2項)。
届出義務があるのに、期間内に届出をしなかったときは5万円以下の過料※に処せられます(戸籍法135条)。
※過料とは、金銭支払いを要求する行政罰ですが、刑法上の「科料」とは異なり刑罰ではありません。
提出する人は代理人でもOK
死亡届を提出するのは親族のほか、葬儀社、士業などの代理人が行うこともできます。ただ、死亡届を提出する者と死亡届を作成する者(届出者)は異なり、死亡届の作成は前述の戸籍法に定められている者のみが行うことができます。葬儀社などの代理人が作成できない点に注意が必要です。
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死亡届の届出期限
死亡届の届出期間期間は、届出義務者が死亡の事実を知った日から7日以内です(戸籍法86条1項)。
例えば、死亡の事実を知った日が1月1日ならば、1月7日までに届け出る必要があります。
海外で死亡した場合の届出期限は?
海外で死亡した場合は、届出義務者が死亡の事実を知った日から3か月以内に届出なくてはなりません。
戸籍法86条1項 死亡の届出は、届出義務者が、死亡の事実を知つた日から七日以内(国外で死亡があつたときは、その事実を知つた日から三箇月以内)に、これをしなければならない。
届出期間を過ぎた場合は罰則がある
届出義務があるのに、正当な理由なく期間内に届出をしなかったときは5万円以下の過料に処せられます。
ただし、届出期間は、届出義務がある者に対する規定ですので、届出義務がない者には適用はありません。
たとえば、同居していない親族は、死亡の事実を知っても、届出義務者ではありませんから、そもそも届出しなくともかまいませんし、届出をする場合でも、この届出期間を過ぎていても、法的には何ら問題はありません。
もっとも、法的責任の問題とは別に、どなたかが亡くなられて、誰も届出ていないという例外的な事実を知ったときは放置しないで、速やかに警察や自治体に相談したほうが良いでしょう。
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死亡届の届出先

死亡届は市役所、区役所または町村役場や病院などで入手することができます。
死亡届は、次のいずれかの土地の市区町村(市役所、区役所、役場)の戸籍課や戸籍係等に提出します。
- 死亡地
- 死亡者の本籍地
- 届出人の住所地や所在地
死亡届は、役所の開庁日のほか、夜間受付、休日受付、宿直室などでも受付が可能です(詳しくは、届出先予定の役所に確認してください)。
死亡届の書き方

記載が要求される事項
死亡届に記載しなくてはならない事項は、次のとおりです。
- 届出日
- 死亡者の名前
- 死亡者の生年月日
- 死亡の日時
- 死亡場所
- 本籍地
- 配偶者の有無と年齢(いない場合で、離婚歴がある場合、直前の婚姻は死別か離婚か)
- 死亡当時の世帯の主な仕事
- 届出人の関係と、住所、本籍、署名等
死亡届の書式
死亡届書の書式は、届出先の各市区町村の戸籍課などに用意されています。
また病院で亡くなられたときは、病院で用意してくれている場合が通常です。
用紙の左側が死亡届、右側が死亡診断書(死体検案書)となっています(死亡診断書、死体検案書については次項で説明します)。
法務省ホームページに記載例などが公開されています。死亡届の添付書類
死亡届には、死亡診断書または死亡検案書を添付しなくてはなりません(戸籍法86条)。これは通常、死亡届と同じ用紙になっています。
死亡診断書
死亡した人の生前から、その人を診療していた医師が、その患者が死亡したときに、死亡の事実を確認して作成する診断書の一種が死亡診断書です。
死亡検案書
死亡検案書とは、医師が死体について死亡の事実(死因、死期など)を医学的・法律的に証明するために作成した文書です。警察医や監察医が作成します。
死亡診断書(死亡検案書)の書式
各市町村の戸籍課窓口に用意してある死亡届の書式は、その右側が死亡診断書及び死体検案書となっており、医師に記入してもらう部分です。
診断書(検案書)を得られない場合
大規模な天災など、やむを得ない事由によって、死亡診断書、死体検案書が得られない場合は、次の両方が必要となります(戸籍法86条3項)。
- 「死亡の事実を証すべき書面」を提出すること
- 届出書に診断書、検案書を得られない理由を記載すること
この「死亡の事実を証すべき書面」とは、死亡診断書、死体検案書と同程度に、特定人の死亡の事実を客観的に認定できる資料であることが要求されており、東日本大震災の際には法務省が被災時の状況や滞在場所などを記入するだけの定型の書式を用意し、被害状況を把握している地元の市町村に死亡の判断をまかせるなど届出者の負担を軽減する特別な取扱がなされました。
後見人、保佐人、補助人、任意後見人が届け出る場合
死亡した人との法的関係を明らかにするため、次のうちのどちらかの書類が必要です。
- 登記事項証明書
- 審判書謄本とその確定証明書
死亡と各種手続
死亡届を出した後に必要となる各種手続きについて説明します。
世帯主の変更
世帯主が死亡すると住民票の世帯主変更届を14日以内に提出しなくてはなりません(住民基本台帳法25条)。
期限を過ぎてしまうと5万円以下の過料となります(同52条2項)。
住民票の削除
亡くなられた方の住民票の削除は、役所側が職権で行うことが可能ですので、死亡届を提出すれば住民票から削除され、特別な手続きは不要です(住民基本台帳法8条)
火葬許可申請書・火葬許可証
火葬を行うには、市町村長(特別区長を含む)の許可が必要です。
この許可を受けると「火葬許可証」が発行されます(墓地、埋葬等に関する法律5条、8条)。
許可なく火葬を行うと2万円以下の罰金又は拘留若しくは科料となります(同法21条1号、罰金等臨時措置法2条1項)ので、火葬場が受け付けてくれません。
拘留とは1日以上1か月未満、刑務所に拘禁される刑です(刑法16条)。
科料とは千円以上1万円未満の金銭の支払いを科される刑です(刑法17条)。
火葬許可証は、死亡届を提出するだけで許可証を発行してくれる自治体と、別途、火葬許可申請書の提出が必要な自治体に分かれます。
後者であっても実際は死亡届を提出する際に窓口で申請書に記入するだけですので、特に準備は必要ありません。
年金
年金受給者が死亡したときは、死亡届の届出義務者が、死亡の事実を年金事務所または年金相談センターに届出なくてはなりません(国民年金法105条4項)。
違反した場合は10万円以下の過料となります(同法114条4号)。
届出をしていないと、故人の未受給の年金があった場合や遺族年金を受け取ることができる場合に、これを受け取れなくなる危険がありますので、確実に届出をしてください。
また届出をしないで故人の口座に年金が送金され続けたままにしておくと、最悪の場合、詐欺罪に問われる危険がありますので放置してはいけません。
死亡届の用紙は、市・区役所または町村役場の国民年金の窓口にあるほか、日本年金機構のサイトからもダウンロードできます。
国民健康保険
死亡から14日以内に保険者である自治体の窓口に国民健康保険被保険者資格喪失届を提出する必要があります。
届出書の書式と記載要領は、各自治体のサイトに公表されています(例:東京都江戸川区のサイト)。
銀行
銀行に死亡を届け出るには、特別な方法や書類はありません。死亡の事実を銀行に伝えるだけで銀行側は口座を凍結します。
銀行側からは、誰が正当な相続人かを知ることはできないので、預金の払い戻しに応じることによって相続争いに巻き込まれるリスクを避けたいからです。
口座が凍結されてしまうと葬儀費用などが必要になっても引き出せなくなりますから、死亡の事実をすぐに銀行に伝えるかどうかは慎重に判断するべきでしょう。
預金の相続手続きは、各銀行が用意している書式がありますので、相続関係を証明できる戸籍書類とともに提出することになります。
銀行によって手続きが異なりますので、その銀行のサイトか窓口で確認する必要があります。
まとめ
死亡届について基礎知識をまとめました。不明な点は、各自治体などの窓口に直接に問い合わせをすることをおすすめします。
よく確認をして漏れのないように手続きをしてください。
▼実際に「いい相続」を利用して、行政書士に死後手続きを依頼した方のインタビューはこちら
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