「相性の良い弁護士を選んでください」共感力と、理系の経歴を生かして論理的に問題を解決する
「依頼者さんが一番相性の良いと思う弁護士を見つけてください」と一番に依頼者の気持ちを考える比留川 浩介弁護士。理系の大学を卒業後、社会人経験を経て弁護士になったという、異色の経歴の持ち主です。
特許に関係する業務や企業法務、さらには一般民事まで幅広く対応。そんな比留川先生の相続事例や弁護士を目指したきっかけ、弁護士探しのアドバイスなどを伺いました。
特許・実用新案に関する業務全般を行う雄渾特許法律事務所のパートナー弁護士。そのほかに企業法務や相続・離婚・交通事故などの一般民事なども幅広く対応。「率直な気持ちを伺いたい」と依頼者の気持ちに寄り添いながら問題解決を行う。
雄渾特許法律事務所 比留川 浩介
目次
特許に関係する業務のほか、企業法務や一般民事にも幅広く対応
―比留川先生が所属する事務所では、特許に関わる業務を主に行っているんですか?
はい。弁理士と弁護士、特許技術者が所属して特許・商標・意匠の出願書類の作成から特許庁への出願手続き、権利化までサポートしています。ほかにも知財のライセンス契約や価値評価など、権利後の知財の活用に関するコンサルティングを行っております。弁理士は特許や知的財産と言われるものを専門に扱う職業ですね。
僕は知的財産の紛争とか契約書まわりなど、主に法律に関わる部分を行っています。また、知財の活用に関するコンサルティングも積極的に行っております。ほかにも中小企業の企業法務や相続、交通事故、離婚などの一般民事の案件も受けています。あと非常勤ですが特許庁でも働いていますね。
中小企業の事業承継で、次の経営者にスムーズに相続した事例
―これまで先生が担当した案件で、印象的な相続の事例はありますか?
そうですね、中小企業の事業承継の案件は印象に残っています。依頼人は亡くなった社長の相続人の方です。
前提として中小企業って起業や経営にあたって、銀行から融資をうけて、その融資の保証人を社長個人がなる場合が多いんです。そうなると社長が亡くなったとき、その保証債務はマイナスの財産として相続財産の一部となってしまいます。
この案件でも結構融資額が大きくて。でも会社を継がない相続人にとって、できればその債務は相続したくない。じゃあどうしようかという話になるんです。
このときは次の社長さんが運良く見つかりまして。その方に保証人になってもらうことで解決しました。銀行の担当者の方と何度か交渉して、かなり尽力していただいたのでスムーズな事業承継ができたんです。
あと保証債務の他に、中小企業の株式についても、次の社長さんに譲渡しました。社長にならない人が株式をもっていても価値がないですから。
中小企業の株式は非公開なので、株式の値段の付け方ってすごく難しいんです。上場企業だとまた違うんですが。会社の事業でどのくらい利益をあげているかなど考慮して値段を付けるんですが、中小企業は赤字に近い経営をしているケースも多い。そういった株式の価値ってゼロに近くなってしまうんです。
でも相続人にとってはできるだけ高い値段で譲渡したい。なので将来の会社の利益とか事業の予測なんかも踏まえてそれなりの値段を付けて。次の社長さんと交渉して譲渡契約をした感じですね。
理系の大学院を卒業し、社会人を経て弁護士に
―比留川先生が弁護士を目指したきっかけはありますか?
実は、僕は理系の大学を出て研究者になるつもりだったんです。でも大学院生のときに、青色発光ダイオード(青色LED)を開発してノーベル物理学賞を取った中村 修二先生の訴訟があって。
いわゆる「中村裁判」などと呼ばれる裁判ですね。中村先生が青色発光ダイオードの画期的な発明をして、それについて自分がきちんと対価をもらってない、という訴訟です。
中村先生はその当時勤めていた会社から、2万円しか対価としてもらっていなかったんです。一審では企業側に200億円の支払いが命じられ話題になりましたが、最終的に約6億円の支払いで和解となりました。
この訴訟って社会的にも結構影響があって。中村先生の本を読んだんですが、「この裁判は自分のためじゃなく、研究者のためにやっている」と書かれていました。「後世の技術発展のために、研究者に正当な報酬を支払われることが必要だ」と説いていたんです。
僕もすごく影響を受けて、「そういう社会に影響を与える裁判をやってみたい」と思って弁護士になりたいと思いました。
―すごいですね。大学院卒業後は出版社に勤めていたようですが、どうしてでしょうか?
はい。勉強時間を確保しつつ生活のために、出版社で働いていました。専門書を出版している会社だったので、大学院での勉強も活かせました。働きながらロースクールに通って、頑張って勉強しましたよ。
今は企業法務の仕事もしているので、サラリーマンをしていた経験は活かされていると感じています。企業のやり方や社会人の常識も知れたし、働いている人の気持ちにも共感できますからね。
―弁護士になるまでにさまざまな経験をされていますが、実際に弁護士になってみていかがですか?
すごく良かったと思います。いろんな経験ができて、たくさんの人に関わって。相続、紛争、離婚などさまざま問題の解決に携われて、喜んでもらうことができます。特許庁に出向したのもとても良い経験でした。
特許庁だと法律の最新のところに関われたりとか。標準必須特許と呼ばれる人々の身近な生活を支える特許だと、その特許使用料を巡って世界中で話し合いをするんです。その場に参加させてもらったりしたのも貴重な経験でした。
そういったことも含め、いろいろな経験ができたのは弁護士になれたおかげかなと。
複数の弁護士と話をして、自分に合う弁護士を見つけてほしい
―弁護士を探している人に向けて、弁護士探しのアドバイスはありますか?
弁護士が相手だといろいろ構えてしまうと思うんですけど、できるだけ生の声というか、率直なお気持ちを話すことですね。いろいろな事情もあると思いますが、できるだけ本音を話して、共感してくれる弁護士が良いと思います。
そのうえで、複数の弁護士と話して自分に合う弁護士を選んでください。1人の弁護士だけと話して決めてしまうより、僕はむしろ何人か弁護士を見たほうが良いと思っています。
何人か弁護士と話すうちに、やっぱり合わないと感じることもありますから。僕は円満に解決したいほうですが、好戦的にやりたい弁護士もいますからね。
相性が合わないのに進めてもお互いに良くないので。最初のほうが依頼者の方も断りやすいですよね。
無料相談などを利用して、最終的に自分にあう弁護士を決めてもらえば良いと思います。相談だけでも大丈夫ですよ。ぜひ、お越しいただければと思います。
―ありがとうございました。
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