「お客さんと伴走して、解決の方向性を見出していく」個人の相続から事業承継まで、あらゆる法律問題に対応
「インターネットに書いてあることはあくまで一般論ですから、ご自身の相談にそのままあてはまるかどうかと言えばそうとは限りません。疑問に思うことがあれば弁護士に相談してくださいね」と話してくれた田中 智晴弁護士。事務所を共同で運営する松原 浩晃弁護士とは、司法修習生のときにサッカーを通じて知り合ったそう。
今回は、相続に関する解決事例や弁護士として配慮していることを伺いました。ぜひ、弁護士を探すときの参考にしてください。
目次
当事者が多く感情的な対立が激しい相続案件は、解決に時間がかかる
―相続の案件は、普段はどのくらい来ますか?
全体を占める割合は時期によって異なりますが、常に相続の案件は複数件受けています。弁護士のもとに来る案件は、ご自身たちでは解決が難しい案件であり、解決に時間がかかるものが多いと思います。
相続以外の案件ですと、中小企業からのご相談、いわゆる企業法務が多いですね。契約書や労務に関することが多いです。それに加えて、私は事業承継や事業再生、会社や事業を終了するときの支援・サポートにも力を入れています。事業承継の観点から、相続に関わることもありますね。
―解決に時間がかかるということは、もめているからでしょうか?
そうですね、紛争が長期化する理由は2つあると思っています。ひとつは、当事者の数が多いこと。最近はご兄弟に数も少なくなっていますが、今相続を迎えられる世代の方は4、5人の兄弟姉妹がいらっしゃることも少なくありません。さらに、代襲相続といって、相続人が亡くなってそのお子さんたちが相続人となっていることも多いです。
もうひとつの理由は、感情的な対立が激しいこと。遠くの親戚になってしまっているのでお互いに知らない、そうなるとお互いにあまり良くない先入観を抱いてしまっていることが多いです。もしくは、昔は親戚付き合いをしていたけど、なにかをきっかけに疎遠になったり、仲違いしてしまうこともよくあります。
相手方とお骨やお墓に対する考え方が異なり、解決までに時間がかかった事例
―田中先生が、これまで印象に残った相続の事例はありますか?
亡くなった方に最初の奥様と再婚した奥様がいた相続の事例ですね。それぞれお子さんがいて、面識はないものの、お互いあまり良い感情を持っていない間柄でした。
依頼者さんは、後妻側の相続人でした。相手方のお子さんたちには私からお手紙を送ったのですが、幸い向こうに取りまとめをしてくださる方がいて、その方を中心に交渉を行いましたね。
相続財産としては、現金が少しと不動産です。不動産は住みたい方がいらっしゃらなければ売却してお金に換えて分割します。そのときも皆さんのご了解を得ながら売却を進めました。
大変だったのが、お骨やお墓に対する考え方の違いです。こちらは関西ですが、相手方は東北に住んでいらっしゃったんです。そして本家のお墓が東北にある。「故人のお骨はどちらで納骨しよう」という話になりました。
関西にはお墓がないので依頼者さんとも相談して「こちらで永代供養をしてもらえるお寺に頼みましょうか」と提案したところ、「本家のお墓に納骨したほうが良いと思います」「お骨をもって挨拶に来るべきじゃないんですか」と言われてしまって。
本家のお墓に入れるなら今後のお墓の管理も必要になるし、管理してくれる人にお金を出す必要がある。そういった金銭的な部分以外で結構隔たりがありましたね。
最終的にお骨は本家のお墓に入れてもらって、管理する人にもいくばくかお礼を渡すことで、お互い納得して解決ができました。ずっと手紙や電話のやりとりをしていましたが、最後に私も東北に行ってご挨拶しましたよ。
困っている人を助けられる仕事として、弁護士を選んだ
―田中先生は、どうして弁護士になろうと思ったんですか?
もともと手に職をつけたくて、何か資格を取ろうと思っていたんです。
司法試験に合格すると裁判官、弁護士、検察官のいずれかを選ぶんですが、最初は検察官にあこがれていたんです。
キムタクのドラマが流行るよりずと前ですが(笑)。よくニュースで東京地検特捜部のガサ入れって映るじゃないですか。大量の段ボールを抱えて出てきたりして。そういうのがカッコよく見えて、中学生くらいから漠然としたものですが憧れがあったんです。
でもやっぱり、身の回りの友人や家族が困っているときに力になりたいと思いまして。なので、弁護士を選びました。
弁護士はやろうと思えばどこでも仕事ができますし、仕事の幅が広いのが良いですね。
―事務所の共同経営者である松原先生とは、どのように出会ったんですか?
司法試験に合格すると司法修習があるんですが、そのときに出会いました。司法修習生で集まってサッカーをしていたんです。私はサッカーの経験はなかったんですけど、友人に連れられて行ってみたら楽しくて、今も下手の横好きですが、サッカーやフットサルをしています。サッカーを通じて松原弁護士と親しくなりました。
人となりは知っていましたし、開業する前には一緒に仕事をしてみて、仕事のやり方や感覚が一致しているか等確認した上で、一緒に独立・開業することを決めました。
わかりやすい説明と、ゆっくり話すことを心掛ける
―田中先生はお客さんと話すとき、気をつけていることはありますか?
そうですね、まずはわかりやすい説明を心掛けています。お客さんによって法律に詳しかったり、そうでなかったりといろんな方がいますから。
自戒の念を込めてですが、弁護士って法律用語をそのまま使ってしまう人も多いですから。あとは正確に伝えようとして難しい表現になってしまったり。
企業の法務部の方であればそれで通じることもありますが、一般の方には噛み砕いてわかりやすく説明した方が良いと思っています。それができているかどうかわかりませんが、常に意識し続けなくてはいけないと思っています。
もうひとつ、ゆっくり話すことです。これは最近特に意識していることです。弁護士って早口の人が多いんです。早口で話すと頭が良さそうに見えるじゃないですか(笑)。実際、頭の回転が早い人は早口だと思います。
でも、私は分かりやすく説明するためには、ゆっくり話した方が良いと思っています。将来的には早口で分かりやすい説明ができる人になりたいですね(笑)。
―そうですね、今も先生のお話はとても聞きやすいです!最後に、相談を検討している方へメッセージをお願いします。
「何が問題なのか?」「これは弁護士に相談することなのか?」そこからよくわからない人が多いと思います。わからなければ、ぜひ弁護士のもとに相談に来ていただければと思います。
相談してみて「これは税理士に依頼した方が良いですね」となったとしても、遠慮する必要もありませんから。気軽にお越しくださいね。
最近は、得られる情報が多すぎてどれが正しいかわからないことがあります。例えば、遺産分割協議で検索しても、山ほどホームページが出てきます。そのなかには良くできているものもあるけど、説明がシンプルすぎたり、必ずしも正確でないこともあるように思います。
それに、インターネットで書かれていることはあくまで一般論なので、自身の状況にぴったり当てはまることは少ない。ご自身のケースではどうなのか、専門家にアドバイスしてもらうと、安心できるかなと思いますね。
インターネットは便利だけど、鵜呑みすると危険なこともあるので、参考情報としつつ弁護士に相談して欲しいですね。
悩んでいても問題は解決しないと思います。弁護士とのコミュニケーションが大事ですから、自分の説明したことがうまく伝わってなかったり、疑問に思うことがあれば早めに聞いてくださいね。
―ありがとうございました。
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