親切丁寧な対応で依頼者からの信頼も厚い。冷静な判断で最適解を探す
「感情面に配慮しつつ、結論とそれに至る過程は明確にする」と落ち着いた対応に定評のある鶴羽 良弘先生。親切丁寧な対応で、初対面の相談者も話しやすい雰囲気が感じられます。
今回は実際に担当した相続の事例や、相談者と話をするうえで配慮することを伺いました。
徳島県出身。大学入学を機に上京し、弁護士になるきっかけを得た。離婚・遺産相続・交通事故・借金から不動産や労働問題など、幅広く対応可能。
判例や法律の書籍はかかさずチェック、常に弁護士としての技術向上に努める。
段貞行法律事務所 鶴羽 良弘
目次
相続や離婚問題を含んだ「家族の問題」を解決する
―相続の案件は、これまでどのくらい担当しましたか?
遺産相続の依頼は20件くらいですかね。今年になってから結構力を入れてやっています。それまでは事務所に来た案件を代表弁護士の段 貞行先生と一緒にやっていました。それまでは年に2件くらいでしたが、今年になって結構増えた感じですね。
―どうして最近相続案件に力を入れるようになったんですか?
これまで離婚案件などが多かったんですけど、その依頼者から「親が亡くなりましたが相続の相談もして良いですか」というのを聞くようになって。それで「相続案件は今後増えるだろうし、取り扱う分野として広げよう」と思いました。
―離婚問題から相続の問題に発展することもあるんでしょうか?
最近離婚事件も当事者だけでなく、その親も来ることが多くなってきています。前は本人だけ来られるのが多かったですね。奥様から「離婚して子どもの親権は元夫になってしまうけど、自分の親が子に生前贈与しておきたい」などの話にもなるんです。
最近は少子化が進んだせいか、おばあさんが孫と関わる機会が増えて生前贈与とか学費の話なども絡んできますからね。
なので離婚、相続など区別せず広い意味での「家族の問題」と捉えています。
被相続人の遺産における、使途不明金の詳細を示した事例
―これまでに印象に残っている相続案件はありますか?
使途不明金を巡る問題、いわゆる「被相続人の遺産を使い込まれた」と訴えられた事例は印象に残っています。依頼人は親の介護をしていた方ですね。
お世話をしている立場ですから、親の生活費や施設にかかるお金を親の口座から引き出していたんです。まあ、世話をする方は「面倒見ているほうが、財産の管理をするのは当然」と思うわけです。
でも遠方に住んでいる兄弟からすると「不当に財産を使い込んでいるのでは?」思うんですよね。このような依頼は結構ありますね。
これまで請求された側、請求する側どちらの依頼も受けていますが、依頼者から話を聞いたり、どんな介護をしていたか、病院の領収書や過去の日記から調査しますね。それで使途不明金の用途の証拠となるものを探すんです。使途不明金が被相続人のために使われたと証明できれば、現状残された遺産をもとに分割します。
この事例は領収書などが残っていたので、やりやすかったです。辞書のような分厚い膨大な資料だったので大変でしたが。
相手方からは最初500万くらい請求されたんですが、最終的に100万まで下げて和解できました。
―資料をチェックするのは大変ですね。証拠がないような場合は、どうするんですか?
老人ホームなどの施設とか入っていれば、だいたいの食費や生活費はわかるので。あとはお小遣いの3,000~4,000円とか。その辺を見積もって計算しますね。
わからないところは、ある程度推定でやることになります。話し合いで解決するケースが多いんで、金額についてはお互い承知してくれますね。裁判になったとしても、裁判官もある程度の理解はあるので。
―相続の問題は、話し合いで解決することが多いでしょうか?
家族というか親族間の話なので、話し合いで解決するほうがお互い良いと思いますね。
―身内の問題だからこそ、もめる場合もありますか?
そうですね。たとえばおじいさんが亡くなって、相続手続き中におばあさんが亡くなる。そうなると被相続人と関係の薄い人が当事者として関わることがあります。
残されたのがお嫁さんだけとか。そうなると嫁姑問題などドロドロしたものも掘り返されて、解決までに時間がかかったものもあります。
相続問題の早期解決のために、遺言書を作成しておいたほうが良い
―相続問題を相談される方は、早期解決を望まれる方が多いでしょうか?
そうですね。早期解決を望む人が増えているように感じます。やっぱりもめている時間は少ないほうが良いですからね。
実感としては、弁護士に依頼するか悩むくらいの相談を抱える人が増えているように思いますね。「弁護士に頼むとお金がかかるし…」とか迷っている間に、こじれたりしちゃうんですけど。遺言書とか事前にメッセージとか残していると良いんですけどね。
―遺言書を作成している人は、どのくらいいるんでしょうか?
実際には、ほとんど書いていないですね。自分が亡くなるという意識はないのかもしれませんね。
家族からも「ちょっと遺言書作って」なんて言いにくいですから。「まだそんなときじゃない」と言われてしまうと、引き下がるしかないですからね。でも時間が経つと、認知症などになる可能性もありますから、早めに作成しておくと良いですね。
高齢化社会が関係してか奥さんが割と早くに亡くなった場合、再婚する方が多くて。そうなると前妻の子がいると後妻の親子がいるともめますね。しかも遺言書もない。
亡くなったお父さんがけっこういい加減だったりすると、前妻に結構ひどい仕打ちをして、その子どもから憎まれていたり。
後妻の立場からすると、「ここまで財産を増やしたのは私のおかげ」というプライドがあるんですよ。どちらも主張があって、激しい対立になりますね。
結論とそれに至るプロセスを示してから、依頼するか決めてもらう
―対立が激しい案件の相談では、話を聞く際に配慮していることはありますか?
そうですね。最初のうちは言いたいことを言わせてあげるようにします。話を遮ったりせずに「そうですね」と聞きますね。でも依頼者の立場だけでなく、相手方の立場も考えるようにしています。
感情面についてはできるだけ共感するようにしてますけど、結論とそのプロセスに関しては専門家としてきちんと明確に示す。そのうえで依頼するか決めてもらうようにしています。
依頼者さんも先が見えないと不安だと思うので、こちらの分かる範囲で伝えるようにします。
―案件の解決のために、意識することはありますか?
感情的な対立が激しく話し合いで埒が明かないときは、調停や裁判にすぐ移行して良いと思っています。話し合いを続けても結局、ずっと感情のしこりが残るので。「公的な機関に手続きに乗せた方が解決が早いし、ストレスを抱えずに済みますよ」と伝えると納得してくれる方が多いですね。
―依頼者が先生の言葉を納得してくれるのは、信頼関係あってのことですね。
ある程度、話を聞きつつも解決までのスケジュールはこちらで管理するようにしないと、感情のしこりばかりどんどん続いちゃうので。弁護士として、あくまで冷静な判断は忘れないようにしています。
あらかじめ1ヶ月とか交渉する期間を言っておいて、「これを超えたら調停に行きましょう」と依頼者に事前に伝えておきます。そうすると、その時期がきたら「やっぱりこうなりますよね。調停にします」と納得してもらえますね。
相続問題を抱える方へメッセージ
―最後に、弁護士への相談を検討している方へメッセージをお願いします。
そうですね、ささいなことでも良いので早めに来てほしいですね。少なくとも1回は相談しておくと安心できるかと思います。
自治体の無料相談とかもあると思うんですけど、時間が30分とか限られているし一般の方が内容をかいつまんで話して、適切なアドバイスまでもらうのは難しいです。
だからなるべく、ある程度時間をとって話を聞いてくれる弁護士に相談したほうがかえって解決は早いと思うんです。
その場で結論がわかるような「それは時効だから大丈夫ですよ」くらいの相談なら良いですが、そういう案件は多くないので。うちは初回面談は対面で、じっくりお話を聞くようにしています。気軽な気持ちで、ぜひ事務所にいらしてくださいね。
―ありがとうございました!
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