【よくある質問】遺言書を作成する際、どの士業にお願いすれば良いですか?
母が遺言書を作成したいと言っています。遺言書を作成する際にどの士業にお願いすれば良いですか?
相続を手掛ける専門家としては弁護士、司法書士、税理士、行政書士などさまざまな種類がありますが、遺言書作成についてはそのご家庭の状況に応じて依頼先を使い分ける必要があります。
総財産の量が多い場合
財産総額が多いご家庭であれば最初に相談するべき先は税理士が最適です。遺産分割方法を考える際にやはり節税という観点を外しては考えられないからです。 ただ、節税対策はやりすぎると相続人の間での紛争を招くこともあり、「節税」「紛争対策」「納税資金準備」をバランス良くしなければならないのが難しいところです。
そこで、まず税理士に相談し、最適な分割方法を踏まえて遺言書を作成する、それから弁護士にチェックしてもらい、民法上の問題点(紛争の危険性)などがないかを指摘してもらうという流れにすればより完成度の高い遺言書になるのではないでしょうか。
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財産の額は少ないが、紛争の可能性がある場合
見込まれる相続財産は基礎控除「3000万円+(600万円×法定相続人の数)」に収まっていると考えられるが、財産の性質が分けづらいものである(不動産のみなど)というケースはよくあります。こういったご家庭は、「うちには遺言書など関係ない」と決めつけていることが多いのですが、分けるものがないケースほど解決が難しいため紛争防止のために遺言書は必須と考えられるのです。
司法書士でも紛争対策を考慮した遺言書を作ることはできますが、遺言書があってものちのち訴訟などに発展する可能性があるのであれば、最初から弁護士に頼む方がよいかもしれません。
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財産の性質が分けやすく、さほど紛争性のない場合
現金、預貯金、株式など、比較的分けやすい性質の相続財産である場合は、司法書士や行政書士に「遺言書の有効性、公平性」などを考えながらバランスの良いものを作ってもらうだけでも十分といえます。
遺言書を作成する際にひとつ難しいこととして、「法律的な要件を満たしていなければ無効になってしまい、作らなかったことと同じ」になってしまうことが挙げられます。特に、自宅で作成する「自筆証書遺言」については法律家のもとに持ち込まれる多くのケースで「財産の特定性に欠ける」「日付がはっきりしない」などの理由で無効、もしくはその遺言書を使って財産移転ができないといった事態になっています。
遺言書はできれば公正証書で作成するのがベストですが、自筆証書だとしても法律家のチェックを受けることは遺言書を無駄にしないためにも非常に大切なことです。
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