相続経験者が【必要な書類が多く大変だった】と答えたケースの相続とは│実際に行った手続きや専門家への費用を大公開!

相続手続きで大変だったのは「必要な書類が多かったこと」と答えたケースの相続の特徴
- 親が亡くなり相続を初めて経験する人が多く、必要書類を把握するのに苦労した。
- 金融機関、法務局などそれぞれに対して必要な書類を収集する必要があった。
- 不動産や証券など多様な財産が絡むと手続きが増え、必要書類も増えた。
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相続手続きで大変だったのは「必要な書類が多かったこと」と答えた方の相続手続きでは、どのような課題があったのでしょうか。
本記事では相続人の構成、相続財産の種類、必要な手続き、専門家にかかった費用など、相続経験者へのアンケート結果から実態を解説します。
必要な書類が多く大変だった方の「利用した情報源」「相続財産の種類と割合」「専門家の依頼費用の相場」などが具体的にわかります。
これから相続手続きを進める方や準備を考えている方は是非参考にしてください。
目次
相続手続きで最も大変だったことランキング
今回のアンケート中、相続を経験して大変だったことは何だったか?との問いに対しての回答は、以下のランキングとなりました。
- 必要な書類が多かったこと・・・48.10%
- 手続きのために時間が取られたこと・・・35.43%
- 手続き先が複数あること・・・30.43%
- 何をどう進めるべきかを理解するための情報収集・・・30.38%
- 遺産の中身や金額をはっきりさせること・・・19.40%
- 相続人同士の連絡・同意を得ること・・・18.97%
- 書類の書き方が難しかったこと・・・16.68%
- 金銭的な負担が発生したこと・・・16.30%
- その他・・・6.68%
※この設問は複数選択が可能なため、各回答の割合を合計すると100%を超えることがあります。ご了承ください。
相続手続きで多くの人が苦労したのは「必要な書類が多かったこと」(48.10%)でした。戸籍謄本や遺産分割協議書など、必要書類が多岐にわたり、取得にも時間がかかることが負担となっています。次いで「手続きに時間が取られたこと」(35.43%)、「手続き先が複数あること」(30.43%)と続き、金融機関や役所などへの対応の煩雑さが浮き彫りになりました。また、相続手続きをするにあたり、「何をどう進めるべきかを理解するための情報収集」(30.38%
ここからは、最も多かった「必要な書類が多かったこと」(48.10%)と回答した方について詳しくみていきます。
必要な書類が多く大変だったと回答した人の属性
年代別の傾向

必要な書類が多く大変だったと回答した人を年代別に見ると、60代(41.36%)が最多で、次に50代(23.84%)、70代(21.36%)、40代(11.75%)という順番でした。相続手続きの必要な書類は相続登記、預貯金の解約、株式の名義変更など、各手続きで求められる書類が異なり、同じ書類でも複数必要になることがあります。また、相続人各自が集めなくてはならない書類については、相続人が多かったり、遠方に住んでいる場合は時間がかかることもあります。
誰の相続だったか

被相続人(亡くなった人)は、父・母(82.82%
法定相続人は誰?法定相続分はどういう配分?気になる方は「法定相続分と法定相続人|法定相続人の相続順位や法定相続分の計算方法」へ!
相続の回数

相続の経験については、「初めて」(68.59%)との回答が最多でした。初めての相続は、何をすればよいのか、どこに相談すればよいのか分からず、苦労する人が多いと考えられます。2回目(28.02%)の相続でも一定数いることから、1回目の経験があっても、以前の相続から時間が経っていたり、相続する財産の種類や相続人の関係性が異なるため、難易度が変わり、同じ手続きがスムーズに進まない可能性があることが推測されます。
相続財産の額

必要な書類が多く大変だったと回答した人の相続財産の総額については、1,000万円~2,000万円が最多で、33.3%となりました。次いで2,000万円~3,000万円(14.8%)、1,000万円未満(12.5%)、3,000万円~4,000万円(10.6%)、
相続財産の種類

相続財産の種類は現金・預貯金(80.3%)が最多でした。預貯金は金融機関ごとに手続きが異なり、書類を揃えるのが大変だった可能性が考えられます。次に回答の多かった土地・建物(75.4%)は、相続登記に必要な書類(戸籍謄本、固定資産評価証明書、登記事項証明書など)の種類が多く、手続きの複雑さを感じた人が多かったと想定できます。次に生命保険(30.3%)、株・投資信託(20.2%)、山林・農地(14.8%)、自動車(11.8%)と続きました。電子マネー(1.7%)や仮想通貨(0.6%)は財産としての普及率が低く、手続きの認知度も確立されていないため、書類の準備が困難だった可能性があります。※この設問は複数選択が可能なため、各回答の割合を合計すると100%を超えることがあります。
相続財産はどういうものをいうのだろう?気になる方は「相続財産になるもの・ならないものを一覧でわかりやすく解説」へ
遺産分割の方法

遺産分割の方法については、遺産分割協議で分けた(49.0%)との回答が最多、法定相続分で分けた(38.9%)、遺言書通りに分けた(5.2%)という順でした。遺産分割協議をおこない、遺産分割協議書を作成する場合、相続人全員の合意があったことを記すために相続人全員の署名・押印(実印)や印鑑証明書などが必要になり大変だったと感じた可能性があります。
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必要な書類が多く大変だったと回答した人が実際におこなった手続き
必要な書類が多く大変だったと回答した人はどんな方法で情報を取得し、手続きをおこなったのか詳しくみていきたいと思います。
利用した・役に立った情報源

必要な書類が多く大変だった人が相続に利用した・役に立った情報源としては、インターネット検索(34.4%) が最も多い結果となりました。
また、司法書士事務所(25.3%)、税理士事務所(17.6%)、行政書士事務所(12.3%)、弁護士事務所(5.2%) など、専門家に相談している人も一定の割合で見られました。相続登記、相続税申告、遺産分割などの手続きにおいて、専門家のサポートを求める傾向があることがわかります。
市区町村の窓口(25.2%)、銀行・証券会社など金融機関(23.7%)、法務局(22.0%)、税務署(10.1%) も多く利用されており、公的機関や金融機関が相続手続きの中で重要な役割を果たしていることが示されています。また、葬儀社(15.0%)、年金事務所(13.3%) なども一定の割合で利用されており、相続関連の手続きの過程で関与する機会が多いと考えられます。
一方で、テレビ(3.8%)、新聞(3.5%)、ラジオ(1.2%)、YouTubeなどの配信動画(4.1%)、SNS(1.6%) などのメディアを活用する人は少なく、相続関連の情報は主に公的機関、専門家、インターネット検索を通じて得られていることがわかります。また、家族・親戚(18.2%)、友人・知人(7.9%) からの助言も一定の割合で活用されており、身近な人からの情報も重要な情報源となっていることがわかります。※この設問は複数選択が可能なため、各回答の割合を合計すると100%を超えることがあります。
実際の手続き

戸籍収集(62.3%)、銀行解約・名義変更(66.0%)、不動産の名義変更(60.5%)を行った割合が多いことが分かりました。戸籍収集は被相続人の場合は出生から亡くなるまでものが必要となります。また相続人の戸籍や印鑑証明書が必要になる場合も多く、金融機関や法務局の手続きではそれぞれの書類が求められるため、大変だったと感じる人が多いと考えられます。遺産分割協議(48.1%)、遺産分割協議書の作成(42.1%)と遺産分割に関しても一定数あり、相続手続きで「書類が多くて大変だった」と感じるのは、不動産・銀行・遺産分割協議の手続きに関わる場面が特に多いことが分かります。※この設問は複数選択が可能なため、各回答の割合を合計すると100%を超えることがあります。
必要な書類が多く大変だったと回答した人が実際に依頼した専門家と費用
情報収集が大変だったと回答した人はどんな専門家に手続きを依頼し、どのくらいの費用がかかったのかを詳しく見ていきます。
依頼した専門家

必要な書類が多く大変だったと回答した人の43.3%が専門家に依頼せずに手続きを進めたことがわかりました。専門家に依頼した場合、最も高いのが「司法書士」を利用した割合で24.5%。「税理士」(15.9%)、「行政書士」(11.2%)、「弁護士」(3.7%)という結果でした。
相続手続きは専門家に頼める!「遺産相続手続き代行サービスのおすすめは?自分で評判・口コミでの選び方や費用の見方のポイント」
専門家に依頼した内容

専門家への依頼した手続きは不動産の名義変更(相続登記)(67.0%)が最も多いことがわかりました。相続登記は 必要書類が多く、専門的な知識も必要なため、専門家に依頼したと想定できます。次に多かったのは遺産分割協議書の作成(44.7%)でした。相続財産が複数ある場合などは書き方が複雑になりやすいことから、書類の内容に不備がなく作成したい場合に専門家へ依頼した可能性があります。相続税の申告(35.9%)は相続税の申告期限(10か月以内)に間に合わせるため、書類の準備を急ぐ必要があるため、税務署への申告書類を正確に作成するために専門家に依頼したと考えられます。他にも、相続財産目録の作成(32.6%)、戸籍収集(27.8%)、相続関係説明図の作成(26.2%)、相続財産の調査(23.3%)なども依頼していることが分かりました。※この設問は複数選択が可能なため、各回答の割合を合計すると100%を超えることがあります。
専門家に支払った金額

専門家に支払った費用は10万円~20万円(13.79%)、10万円未満(10.28%)、20万円~30万円(6.78%)と、約30% の人が30万円以下の範囲に収まっています。100万円以上支払った人は5.31%と一定数あり、相続財産が多い相続税の申告や、相続争いを依頼した場合は高額になる傾向があります。
必要な書類が多く大変だったと回答した人の自分の相続対策

必要な書類が多く大変だったと回答した人の自分の相続対策への意向について、とても考えるようになった(39.89%)、少し考えるようになった(44.52%)と、合わせて約85%の人が相続対策を考えるようになったことがわかりました。
必要書類が多く、どの書類をどこで取得するのか調べるのが大変だった経験が影響し、自分の相続対策への意識を高める大きな要因になっていることが分かりました。

具体的にどんな相続対策を検討したいかとの問いに対しては、不動産の整理や活用(25.20%)と遺言書作成の検討(25.08%)が最も多い回答でした。生命保険を活用した相続対策(22.82%)、生前贈与の検討(21.24%)も関心が高いことがわかりました。家族信託(4.18%)は、認知度が低いため、まだ検討する人が少ないようです。成年後見(4.18%)も少数派でした。※この設問は複数選択が可能なため、各回答の割合を合計すると100%を超えることがあります。
まとめ
相続は、相続財産の種類や、相続手続きの進め方やかかる時間、費用も人それぞれです。もちろん、相続に対する考え方も違います。
本調査では、相続手続きの必要な書類が多かったことが大変だったの回答(21.63%)が最多でした。戸籍収集や銀行口座や不動産の名義変更で、相続税申告などでは多くの書類が必要となります。
相続手続きをスムーズに進めるためには、その人その人の状況に応じた対策が必要となります。
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| 40代 | 13.4% |
| 50代 | 24.4% |
| 60代 | 38.1% |
| 70代 | 22.4% |
| 80代 | 1.7% |
| 北海道・東北 | 15.1% |
| 関東 | 22.0% |
| 中部 | 20.8% |
| 関西 | 15.7% |
| 中国・四国 | 13.4% |
| 九州・沖縄 | 13.0% |
| 会社員 | 19.9% |
| 経営者・役員 | 4.0% |
| 公務員 | 4.3% |
| 派遣・契約社員 | 6.1% |
| 自営業・自由業 | 10.0% |
| 専業主婦/主夫 | 16.2% |
| パート・アルバイト | 11.9% |
| 無職 | 26.6% |
| その他 | 0.9% |
| 配偶者 | 6.9% |
| 父・母 | 82.4% |
| 祖父・祖母 | 2.7% |
| 兄弟・姉妹 | 3.7% |
| 叔父・叔母 | 3.1% |
| 子 | 0.5% |
| 甥・姪 | 0.1% |
| いとこ | 0.1% |
| その他 | 0.6% |
| 1人 | 11.4% |
| 2人 | 34.8% |
| 3人 | 36.4% |
| 4人 | 11.9% |
| 5人以上 | 5.5% |
| 1,000万円未満 | 13.2% |
| 1,000万円以上~2,000万円未満 | 33.6% |
| 2,000万円以上~3,000万円未満 | 13.0% |
| 3,000万円以上~4,000万円未満 | 10.6% |
| 4,000万円以上~5,000万円未満 | 5.4% |
| 5,000万円以上~8,000万円未満 | 9.2% |
| 8,000万円以上~1億円未満 | 2.4% |
| 1億円以上2億円未満 | 8.1% |
| 2億円以上 | 0.9% |
| 無回答 | 3.7% |
| 調査期間 | 2024/12/16~2024/12/26 |
| 調査対象者 | 過去4年以内に手続きを経験された方(現在手続き中の方も含む) |
| 調査方法 | インターネット調査 |
| 有効回答数 | 1,851名 |
| 調査主体 | いい相続(株式会社鎌倉新書) |
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