相続経験者に聞いた【税理士に依頼】した人の相続とは│実際に行った手続きや専門家の費用などを大公開!

税理士に依頼した人の傾向
- 相続財産は1億円以上の高額層が中心で、現金・不動産の割合が特に高かった
- 相続人は2~3人が主流で、遺産分割協議や法定相続分による分割が多かった
- 依頼内容は相続税申告が最多で、費用も100万円以上かかった人が最も多かった
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相続は、相続財産の種類や、相続手続きの進め方やかかる時間、費用も人それぞれです。
本記事では相続人の構成、相続財産の種類や金額、専門家にかかった費用など、相続経験者へのアンケート結果から実態を解説します。
アンケート結果で、税理士に依頼したと答えた方の相続手続きではどのような課題があったのでしょうか。
相続の準備や、家族での話し合いを始めるきっかけとして役立つ内容です。ぜひご活用ください。
※回答に一部、矛盾が見られますが、回答者の主観的認識・誤入力の可能性もあるため、該当件数は参考値として扱いました。
税理士に依頼した人の相続財産の金額と内容
相続財産の総額
税理士に依頼した人の中で、最も多かったのは「1億円~2億円」(30.7%)でした。次いで「5,000万円~8,000万円」(16.7%)、「1,000万円~2,000万円」(13.0%)、「3,000万円~4,000万円」(9.0%)、「2,000万円~3,000万円」と「4,000万円~5,000万円」(いずれも7.4%)、「8,000万円~1億円」(5.6%)が続き、「2億円以上」(2.8%)といった高額層も見られました。
「1,000万円未満」は4.0%にとどまり、税理士に依頼するケースでは、相続税の申告が必要になるような高額な財産を相続した人が中心であることがうかがえます。
相続財産の内容
税理士に依頼した人の相続財産として最も多かったのは現金・預貯金(87.9%)で、次いで土地・建物(82.7%)が続きました。いずれも8割を超える高い割合となっており、税理士が関わる相続では金銭的価値の大きい財産が中心であることがうかがえます。
また、生命保険(40.6%)や株などの金融商品(37.8%)も比較的高い割合で見られました。
山林・農地(18.0%)や自動車(11.8%)も一定数存在していますが、割合はやや低めでした。さらに、電子マネー(1.9%)や仮想通貨(0.6%)といったデジタル資産も少数ながら回答されており、財産の多様化が進む中で、税理士の対応領域も広がりつつある様子が見て取れます。※なお、この設問は複数回答形式のため、合計は100%を超えています。
遺産分割方法
税理士に依頼した人の中で、最も多かった遺産分割方法は「遺産分割協議で分けた」(45.2%)でした。次いで「法定相続分で分けた」(40.2%)が続き、この2つの方法で全体の85%以上を占めていました。「遺言書通りに分けた」(9.3%)はやや少数にとどまっており、話し合いや法定割合に基づいて分けるケースが多い傾向があります。
また、「揉めていて進んでいない」(2.2%)や「裁判」(0.6%)といった争いに発展したケースはごくわずかでした。
相続人の数
税理士に依頼したケースでは、相続人が2人(37.46%)という割合が最も高く、次いで3人(31.58%)が続いており、これらを合わせると全体の約69%を占めていました。
また、相続人が4人(14.24%)や1人(13.31%)、少数ながら5人(3.41%)といったケースも存在しており、相続人の人数にかかわらず税理士が必要とされることがわかります。
税理士に依頼した手続きと費用
依頼した手続き
税理士に依頼した手続きで最も多かったのは相続税の申告(67.5%)でした。次いで、遺産分割協議書の作成(51.7%)、不動産の名義変更(相続登記)(49.5%)、相続財産目録の作成(43.0%)、相続財産の調査(33.4%)が続いており、財産の把握や評価、申告に関わる手続きが中心となっていることがわかります。
また、戸籍収集(24.1%)、相続関係説明図の作成(24.8%)、銀行解約・名義変更(22.0%)、証券会社の解約・名義変更(12.7%)といった手続きも一定数行われており、相続全体の実務を広く依頼している様子がうかがえます。
さらに、遺言書の検認(9.3%)や家族信託手続き(5.0%)といった比較的専門性の高い手続きを行った人も存在していました。※なお、この設問は複数回答形式のため、各項目の割合の合計は100%を超えています。※回答に一部、矛盾が見られますが、回答者の主観的認識・誤入力の可能性もあるため、該当件数は参考値として扱いました。
専門家に支払った金額
税理士に依頼した人が専門家に支払った費用で最も多かったのは「100万円以上」(22.29%)でした。次いで「10万円~20万円」(12.69%)、「20万円~30万円」(10.22%)、「40万円~50万円」(10.53%)、「50万円~60万円」(9.29%)が続き、比較的高額な支払いが目立つ結果となりました。「10万円未満」(7.12%)も少数ながら存在しました。
税理士に依頼する業務は、相続税の申告や高額財産の評価といった専門性の高い業務が多いため、依頼内容によっては支払いが高額になるケースが一定数存在していることがうかがえます。
手続きにかかった期間
税理士に依頼した人のうち、相続手続きの完了までにかかった期間で最も多かったのは「6か月~9か月未満」(27.24%)でした。次いで「3か月~6か月未満」(26.32%)、「9か月~1年未満」(18.58%)が続き、全体の約72%が3か月~1年以内に手続きを終えています。これは相続の申告の期間が10ヶ月であることに関係していると考えられます。
3か月未満」(12.38%)との短期間で終わったケースはやや少なめでした。また、「1年~1年半未満」(8.05%)、「1年半~2年未満」(3.10%)、「2年以上~3年未満」(2.17%)、「3年以上~5年未満」(1.86%)、「5年以上~10年未満」(0.31%)といった長期化したケースも計15.5%見られ、複雑な手続きや調整が必要となる相続も少なくないことがわかります。
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税理士に依頼した人の相続の後悔
大変だったこと
税理士に依頼した人の中で、相続手続きにおいて最も多くの人が困難を感じたのは「必要な書類が多かったこと」(48.9%)でした。次いで「手続きのために時間が取られたこと」(38.7%)、「手続き先が複数あること」(35.3%)が続きました。
また、「何をどう進めるべきかを理解するための情報収集」(30.3%)や「遺産の中身や金額をはっきりさせること」(29.4%)、「金銭的な負担が発生したこと」(27.6%)との回答も多くみられました。
「相続人同士の連絡・同意を得ること」(21.1%)、「書類の書き方が難しかったこと」(12.4%)についても一定数を占め、手続きの細部や人間関係の調整といった場面でも負担を感じた人がいたことがわかります。※なお、この設問は複数回答形式のため、各項目の割合の合計は100%を超えています。
生前にやっておけばよかったこと
税理士に依頼した人の相続に関して生前にやっておけばよかったことについては、「日頃から相続についてもっと勉強しておくべきだった」(23.53%)が最も多く、次いで「相続税対策をしておけばよかった」(22.91%)、「生前元気なうちに、相続について相談しておけばよかった」(21.98%)が続きました。
また、「生前贈与をしてもらえばよかった」(21.05%)や「財産を記録しておく、通帳の置き場所を決める等まとめておいてもらえばよかった」(17.65%)といった財産の管理・整理に関する声も多く、事前準備の重要性を感じた人が多かったことがうかがえます。
他には「正式な遺言書を作成してもらえばよかった」(11.15%)や「家系図などで家族関係をまとめておいてもらえばよかった」(4.33%)、「認知症の家族に後見人をつけておけばよかった」(2.48%)と続きました。
「特にない」と回答した人も38.08%と一定数存在しており、特段の対策をしておくことを必要と感じなかった人もいたことがわかります。※なお、この設問は複数選択形式のため、回答の合計は100%を超えています。
相続対策への意識
税理士に依頼した人の自分の相続対策への意向について、「少し考えるようになった」(42.72%)、「とても考えるようになった」(40.25%)と回答した人を合わせると、全体の約83%が相続対策を意識するようになったことがわかります。
この結果から、相続手続きを経験したことが、自身の相続における備えの重要性を強く認識するきっかけになっていると考えられます。
一方で、「どちらともいえない」(10.84%)や「考えていない」(6.19%)と回答した人もおり、すべての人が積極的に行動に移すとは限らないものの、多くの人が今回の経験を機に、将来への準備を意識するようになっている傾向が見受けられました。
まとめ
以上、税理士に依頼したと答えた方のアンケート回答について解説しました。
相続は、相続財産の種類や、相続手続きの進め方やかかる時間、費用も人それぞれです。もちろん、相続に対する考え方も違います。また、専門家への依頼も相続財産の内容や手続きによって大きく異なります。
相続手続きをスムーズに進めるためには、その人その人の状況に応じた対策が必要となります。
いい相続では、相続手続きに関する無料相談ができる全国の専門家とご案内しています。相続に関するお悩みはぜひお気軽にご相談ください。
40代 | 13.4% |
50代 | 24.4% |
60代 | 38.1% |
70代 | 22.4% |
80代 | 1.7% |
北海道・東北 | 15.1% |
関東 | 22.0% |
中部 | 20.8% |
関西 | 15.7% |
中国・四国 | 13.4% |
九州・沖縄 | 13.0% |
会社員 | 19.9% |
経営者・役員 | 4.0% |
公務員 | 4.3% |
派遣・契約社員 | 6.1% |
自営業・自由業 | 10.0% |
専業主婦/主夫 | 16.2% |
パート・アルバイト | 11.9% |
無職 | 26.6% |
その他 | 0.9% |
配偶者 | 6.9% |
父・母 | 82.4% |
祖父・祖母 | 2.7% |
兄弟・姉妹 | 3.7% |
叔父・叔母 | 3.1% |
子 | 0.5% |
甥・姪 | 0.1% |
いとこ | 0.1% |
その他 | 0.6% |
1人 | 11.4% |
2人 | 34.8% |
3人 | 36.4% |
4人 | 11.9% |
5人以上 | 5.5% |
1,000万円未満 | 13.2% |
1,000万円以上~2,000万円未満 | 33.6% |
2,000万円以上~3,000万円未満 | 13.0% |
3,000万円以上~4,000万円未満 | 10.6% |
4,000万円以上~5,000万円未満 | 5.4% |
5,000万円以上~8,000万円未満 | 9.2% |
8,000万円以上~1億円未満 | 2.4% |
1億円以上2億円未満 | 8.1% |
2億円以上 | 0.9% |
無回答 | 3.7% |
調査期間 | 2024/12/16~2024/12/26 |
調査対象者 | 過去4年以内に手続きを経験された方(現在手続き中の方も含む) |
調査方法 | インターネット調査 |
有効回答数 | 1,851名 |
調査主体 | いい相続(株式会社鎌倉新書) |
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