「困っている人の力になりたい」新進気鋭の若き弁護士が問題解決のために尽力
終始穏やかな話し方が安心感を与えてくれる岡松 勇希先生。若手とは思えない落ち着きぶりで、「先生のお声を聞いたら安心できました」と笑顔になる依頼者も多いそうです。
今回は、弁護士を志したきっかけや相続事例、相続トラブルを未然に防ぐポイントを伺いました。
中部圏で最大級の規模を誇る、名古屋第一法律事務所に所属。「自分の後悔しない人生のために、周りの人々の力になりたい」と弁護士を志望。若手ながらも確かな法律知識とノウハウで依頼者からの信頼も厚い。
名古屋第一法律事務所 岡松 勇希
目次
遺言無効を争う案件は裁判になりがち
―相続案件は、これまでどのくらい携わりましたか?
そうですね、ここ2年で5件程度取り扱いました。うち2つは遺言書の無効を争う案件で、どちらも裁判になりましたね。
―遺言書の案件というのは、裁判になりやすいんでしょうか?
遺言無効の案件はお互い激しく対立しているので、裁判になることが多いと感じます。
遺言書というのは亡くなられた方の遺志を反映したもので、通常はそれを尊重して遺産分割を行います。ところが、遺言の無効を主張する人は「それは嘘だ」と言うわけですからね。「相続人たちで企てて無理やり遺言書を作らせたんだろう」と言われることもあって、どうしても対立姿勢になりがちです。交渉では解決が難しいことも多く、裁判になるケースが多いように感じます。
逆に遺産分割については、結局お金の問題なので交渉で終わることも多いです。
遺言書を作成する立場の人が気を付けたいこと
―遺言書を作成する際に、トラブル回避のために気をつけることはありますか?
そうですね。遺言書を作成する際はいろいろ配慮されると思うんですが、特に大事なことが2つあると思っていて。
ひとつは形式面。公正証書遺言でしっかり残しておくと争いになりにくいです。公正証書遺言は作成に多少お金がかかってしまいますが、作成手続がしっかりしている分、自筆証書遺言等と比較すると、無効だと評価される可能性は低いですね。
もうひとつは、意外とされてないことが多いんですが、相続人になるであろう全員に遺言書のことをあらかじめ伝えておくことですね。
全員に伝えている方ももちろんいらっしゃいますが、有利な条件で遺言を残す相続人にしか報告してなかったりとか。仲良い人にしか言ってないとか。そうなると、後々もめるタネになりやすいですね。
遺言書の内容が問題になるときには、遺言書を残した当事者はもういないので、なぜそのような内容の遺言を残したのか、確認することはできません。そうならないよう、事前に準備しておくのが良いと思います。遺言書に自分の思いを書き残していても、相続人がどうしても納得しないこともありますけどね。
―相続全般について、トラブルを未然に防ぐコツはありますか?
ひとつは相続人全員に財産を開示しておくことです。まず「どういう財産があったのかわからない」ことが多くて。普段から亡くなられた方と関わっている相続人しかお金のことがわからないんです。
そうなるともう一方の、遠くに離れていた相続人にとっては「本当にそれで全財産なのか」というところから疑心暗鬼です。まず財産に何があるのかを調べなければいけません。
亡くなられる方が「これだけの財産があります」というのをせめて全員に開示してもらえば争いのタネは減るのかな、と感じます。
相続人の立場の方が、トラブルを未然に防ぐコツ
―いずれ相続人となる方が、今からやっておいたほうが良いことはありますか?
もし「自分が親の世話を他の兄弟よりやっている」というなら、面倒ですけど世話をした記録を残しておくのが大事ですね。病院の領収書を取っておく、もしくは日記をつけたり。それらは証拠になりますから。
あとは、なるべく早く相談に来てもらうこと。特に相続放棄は手続きの期限が決まっているので、早く来てほしいですね。
少しでも財産に手をつけてしまうと相続する意思があるとみなされ、相続放棄できなくなってしまいます。財産を自分の口座に移してしまうことがよくあります。
何か手続きや話し合いを行う前に相談してほしいですね。相談だけならたいした費用もかからないですし、問題解決の筋道は示せるかと思います。
―相続でトラブルが発生した場合、弁護士はつけたほうが良いですか?
そうですね、できればつけた方が良いと思います。正確な法の知識ももちろんですが、ひとつひとつの財産の評価の仕方、交渉のノウハウなどもありますから。「最終的な落とし所はこれだけど最初からこれでいくと値切られちゃう」みたいなことは当然ありますので、落とし所に持っていくまでに、いかに法的・論理的に説得的な提案を積み重ねられるか、という部分が大切になってきて、一般の方にはなかなか難易度が高いように思います。
知識以外のノウハウ面から見ても、早めに弁護士を付けたほうが結局その方の負担も減るし、満足も得られやすいと思いますね。
インターネットで法律のことを調べることもできますが、「わかったな」と思っても間違った情報もありますし、あくまで基本的な理解に留まってしまうと思います。
また、弁護士を付けないとなると、当事者ご本人がひとりで紛争を抱えることになります。精神的な負担ももちろん、手続きを調べたり考える手間も多い。
相続問題って、今まで仲良かった親族同士ですら対立関係になりますから。なおさら当事者にとってキツイんです。
ご本人でやられる方もいらっしゃいますがが、いろいろな点を考慮しても、弁護士をつけたほうが安心かなと思います。
「多くの弁護士を見てノウハウを吸収したい」と大手弁護士事務所に入所
―岡松先生は、2019年に弁護士になったと伺いました。こちらの事務所に所属した理由はありますか?
まず「いろいろな弁護士を見てみたかった」というのがありますね。うちは所属弁護士が30人いるんですよ。中部圏だと最も大きい部類に入ると思います。
弁護士になる前に1年間研修があるんですが(司法修習)、そのときに「弁護士って千差万別」だと思ったんです。得意分野も仕事の仕方もバラバラ。なので「たくさんの弁護士を見て勉強したい」と思ったのが大きな理由ですね。
加えて、所属する弁護士の全員が対等の立場、というところにも惹かれました。比較的自由にやらせてもらえる環境だと思います。
先輩弁護士は「教えてあげたい」と気にかけてくださる方が多くてありがたいです。
―特に仲の良い先輩弁護士はいますか?
いますよ。大学の先輩で部活も一緒だった先輩がいます。私が「司法試験に合格した」と言ったら、事務所見学にも誘ってくださいました。私が入所したときには、「まさか入るとは・・・」と驚いていましたが。
―大学では、どのような部活をしていたんですか?
英語劇です。セリフは英語でキャストもやっていました。台詞だけ練習していたので、日常会話すら満足に話せないんですが、発音は良くなったかなと。
弁護士の志望動機は「自分が死んだときに後悔したくない」
―弁護士を目指そうと思ったきっかけはありますか?
小学校高学年くらいに鬱々とした時期があって、「これから自分はどうやって生きてこう」と考えていたんです。そのとき「自分の人生なんだから後悔しないようにしよう」と思って。それで自分が死ぬときから逆算して考えようと思いました。自分がこの世からいなくなるときに、周りの人が少しでもそのことを気にかけて、残念がってくれれば、それで満足だな、と思ったんです。
自分がどんな人生を歩みたいかを考えたとき、「家族や友人、知人、比較的仲の良い人たちに囲まれること。かつ困っているときに助けられなかったら後悔する。後悔せず、にやにやしながら死んでいきたいな」と思って。
だから、困っている時に、助けを求めてくれたときに助けられるように、弁護士を目指すようになりました。
失敗しない弁護士選びのために
―弁護士を探すときのアドバイスはありますか?
なかなか難しいですが、相談者の方がどういうところを重視したいかによりますね。例えば経験とか、フットワークの軽さ、自宅からの距離などがありますね。それによって「経験が豊富な弁護士が良いなら年配の方とか良い」と思うし、気安く連絡取りやすい・相談しやすい、ということであれば、若手の弁護士も選択肢に入りやすいかな、と思います。
何はともあれ、試しに一回話してみるのが大切かと思います。電話や初回相談に行ってもらって。声質や話し方でも人柄がわかると思います。それで概要だけでも伝えて実際に事務所に行ってみる。最近は初回相談無料のところも多いですから、いくつか行ってみても良いと思います。
―いろいろなお話を聞けて勉強になりました。ありがとうございました。
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