「人権を守る弁護士になりたい」他業種から弁護士へ転身。誠意ある対応で依頼者との信頼関係を築く
「依頼者さんとの信頼関係が一番大切だと考えています。まだまだ勉強不足ですが、もっとお客さんのお役に立ちたいです」と真面目で謙虚な姿が印象的な原 崇之先生。とあるきっかけで、サービス業から全く分野の違う弁護士へ転身したそうです。
今回は、そんな原先生の相続の解決事例や弁護士への転身のきっかけについて伺いました。ぜひ、参考にしてください。
目次
相続や企業法務、債権回収など幅広く取り扱う
―原先生は、普段どのくらい相続案件を受けていますか?
相続案件は途切れず、いつも数件は抱えています。相続案件は解決に時間がかかることが多いので、多くは抱えられないのが実情ですが、他の同僚弁護士と共同で事件にあったたりして、工夫して、事件をこなしています。
―相続分野以外では、どのような案件がありますか?
会社の顧問先がそれなりにあるので、企業法務の仕事も多いですね。日々発生する問題に対するアドバイスや契約書のリーガルチェック、訴訟案件などです。
あとは、債権回収の案件にも力を入れています。相続や離婚、企業案件でも、最終的にはお金の回収が大事になると思っています。判決で勝ちを取ってもお金を回収できなかったら困りますから。なので、自分を鍛えるために専用のホームページを作って集客しています。
生前の預金の使い込みを訴えられたが、円満に解決できた事例
―原先生が取り扱った相続案件で、印象に残っているものはありますか?
親の預金の使い込みについて請求された案件は印象に残っています。依頼者さんは親御さんの生前から、生活費や病院代として財産を下ろしていたのですが、親御さんの死後、他の兄弟から「どうして親の財産を勝手におろしているんだ」と訴えられたケースです。
依頼者さんは正直なお人柄で、自身のために預金を使ったわけではないとわかり、力になれればと思いました。
幸いにして、依頼者さんは何百枚もある、これまでの領収書をすべて保管していたので、通帳の履歴と照らし合わせて一つひとつ使途不明金について解決していきました。記録の量が膨大で、その作業が大変だったのが記憶に残っています。
―依頼者さんの人柄が良くても、他の兄弟から訴えられてしまうものでしょうか?
そうですね、他の兄弟は親とは離れたところに住んでいましたから。依頼者さんは長男で、親と一緒に住んで面倒を見ていたんです。親のために一生懸命尽くしても、他の兄弟にはわかりませんからね。自分の知らないところで親の遺産が使われて不安になる、先方の気持ちも理解できます。
最終的に、こちらが誠意をもって使途不明金の詳細な説明を行うことで、相手方にご納得していただくことができました。また、案件を原因にご兄弟が不仲になることもなかったと聞いています。
―トラブルの後は関係悪化しそうですが、円満に終わって良かったですね。
そうですね、私はできれば円満に問題を解決したいと思っているんです。相続は特に、紛争が終わっても血の繋がった家族ですから。きちんと双方の主張を聞いて納得の行く解決を心掛けています。
場合によっては紛争が起こる前から関係が悪かったり、縁を切りたいと思っていることもありますから、そこは出しゃばらないようにしています。
他業種から転身し、人権擁護派の弁護士を志す
―原先生は、どうして弁護士を目指そうと思ったんでしょう?
もともとはサービス業の仕事をしていたんです。でも就業中に腰を痛めてしまって…。仕事を辞めざるをえなかったんです。「社会なんて理不尽だ、弱者には冷たい」と感じて辛かったですね。
そこでじゃあ何をしようと思ったとき、社会的弱者といわれる方のお役に立ちたいと思い、弁護士を目指してみようと思いました。人権を守る弁護士になりたかったんです。
もともと、人のお役に立つ仕事が好きで。依頼者さんに「ありがとう」と言ってもらえるのが嬉しいんです。弁護士も依頼者さんの役に立っているのがストレートに感じられる。そういう意味では、サービス業に通じるものがあるかもしれませんね。
―先生も苦しい経験をしてきたんですね。依頼者さんの気持ちにも共感してもらえそうです。
そういった目的があって弁護士になったので、若手の頃、法テラスの常勤弁護士として3年間勤務していました。
法テラスって弁護士費用が払えない方が多く来られるんです。正当な権利を持っているのに、お金を理由に権利行使できない、そういった方に貢献したいと思いまして。
司法修習からずっとお世話になっている事務所
―新麻布法律事務所には、どのような経緯で入所されたんですか?
司法試験を合格すると司法修習が3か月あるのですが、そのときからお世話になっています。弁護士は私を含めて3名ですね。
そして、私は新米弁護士のときからこちらに所属させてもらっています。先程、法テラスに3年間勤務していたと話しましたが、法テラスでは1年間弁護士事務所での経験が必要で。なので今の事務所で1年働いて、3年間法テラスで仕事をして、また戻ってきました。
―ずっと同じ事務所なんですね。法テラスから戻るときは、原先生からお願いしたんですか?
はい。「法テラスでの任期が終わるので、もし事務所の席が空いていれば置いてもらえませんか?」と私から聞きました。それで「良いですよ」とボスが了承してくれたんです。
―法テラスの勤務は任期制なんですか?
そうなんです、3年間の任期制で。継続の打診もありましたが、スキルアップのために一度事務所に戻ろうと思って。法テラスでは企業法務などの依頼はありませんから。どんな分野の依頼でもこなせるようにしておきたかったんです。
法律の話より、まず先に依頼者さんの感情に寄り添う
―原先生が依頼者さんとお話するときに、配慮していることはありますか?
法律の話をする前に、まずは依頼者さんの話を聞いてあげることですね。依頼者さんはトラブルを抱えていて、感情的になっている方が多いので。
弁護士が依頼者さんの主張が通る、通らないを伝えるのは簡単です。でも依頼者さんの考えや主張を遮断してしまうと、依頼者さんの気分を害してしまうし信頼関係を壊しかねません。まずはしっかりと話を聞くのが一番大切なことだと思っています。
弁護士は「先生」と呼ばれますが、言ってしまえばサービス業ですから。お客さんに誠意をもって接する、これは当たり前だけど大事なことです。
―先生のお人柄が伝わってきます…!最後に、弁護士への相談を検討している人にアドバイスをお願いします。
紛争になった後は、なってしまったものは仕方がないので、早めにご相談いただければと思います。
重要なのは、生きているうちに、対立を生じさせないよう対策しておくことです。遺言書を作成したり、遺言執行者を選任しておいたり。任意後見契約を結んでおくなど、何かしらの対策ができると思います。
普通の方は自分が亡くなることなんて考えない、考えたくないと思います。ですが、できるだけ早い段階で検討しておくと良いですね。わからないことは弁護士に聞いてもらえれば大丈夫ですので、気軽にご相談くださいね。
―ありがとうございました!
▶新麻布法律事務所 原 崇之ご希望の地域の専門家を探す
ご相談される方のお住いの地域、遠く離れたご実家の近くなど、ご希望に応じてお選びください。