相続経験者に聞いた【弁護士に依頼】した人の相続とは│実際に行った手続きや専門家の費用などを大公開!

弁護士に依頼した人の傾向
- 相続財産額は1,000万~2,000万円が最多
- 相続人が2人以上のケースが大半で、調整や同意形成に苦労した人も多い
- 手続きの負担が弁護士依頼の動機となっている可能性がある
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相続は、相続財産の種類や、相続手続きの進め方やかかる時間、費用も人それぞれです。
本記事では相続人の構成、相続財産の種類や金額、専門家にかかった費用など、相続経験者へのアンケート結果から実態を解説します。
アンケート結果で、弁護士に依頼したと答えた方の相続手続きではどのような課題があったのでしょうか。
相続の準備や、家族での話し合いを始めるきっかけとして役立つ内容です。ぜひご活用ください。
※回答に一部、矛盾が見られますが、回答者の主観的認識・誤入力の可能性もあるため、該当件数は参考値として扱いました。
弁護士に依頼した人の相続財産の金額と内容
相続財産の総額
弁護士に依頼した人の相続財産の総額で、最も多かったのは「1,000万円~2,000万円」(33.9%)でした。次いで「5,000万円~8,000万円」(19.3%)、「1億円~2億円」(13.8%)、「3,000万円~4,000万円」(8.3%)が続きました。
「1,000万円未満」は6.4%にとどまっており、弁護士に依頼するケースでは、比較的高額な財産を相続した人が多いと考えられます。
また、「2億円以上」(2.8%)のような高額帯の相続も一定数見られ、「8,000万円~1億円」(4.6%)や「4,000万円~5,000万円」(6.4%)といった中~高額帯の層もあわせて、弁護士のサポートを受ける人の相続にはまとまった財産が関係している傾向がうかがえます。
相続財産の内容
弁護士に依頼した人の相続財産として最も多かったのは現金・預貯金(73.4%)、次いで土地・建物(71.6%)であり、いずれも7割を超える高い割合を示しました。生命保険(31.2%)や株などの金融商品(27.5%)も一定数あり、弁護士を介した相続では、資産の種類が多岐にわたる傾向が見られます。
山林・農地(14.7%)や自動車(6.4%)も相続財産として挙げられていました。電子マネー(4.6%)や仮想通貨(2.8%)といったデジタル資産もわずかですが存在し、今後財産の多様化が進むことがうかがえる結果となりました。※この設問は複数回答が可能なため、各項目の割合の合計は100%を超えています。
遺産分割方法
弁護士に依頼した人の中で、最も多かった分割方法は「法定相続分で分けた」(33.0%)でした。次いで「遺産分割協議で分けた」(24.8%)、「遺言書通りに分けた」(20.2%)という結果でした。
一方で、「揉めていて進んでいない」(6.4%)、「裁判」(7.3%)といった争いに発展したケースも合わせて13.7%存在しており、弁護士に依頼する背景には、相続人間の意見の対立や複雑な事情があることがうかがえます。
遺産分割でどんなことで揉めるのか気になる方は「相続で揉めるのはお金持ちだけ?遺産分割争いの特徴を裁判所のデータで見てみよう」を参照してください。
相続人の数
弁護士に依頼したケースでは、相続人が3人(32.11%)という割合が最も高く、全体の約3分の1を占めています。次いで2人(25.69%)、1人(12.84%)の順で続きました。比較的少人数での相続が多い傾向にあります。
一方で、相続人が4人(12.84%)や5人以上(16.51%)という多人数のケースも一定数存在しており、全体の約3割を占めています。
弁護士に依頼した手続きと費用
依頼した手続き
最も多かったのは相続人調査(33.9%)および遺産分割協議書の作成(同33.9%)でした。次いで、相続財産目録の作成(33.0%)、戸籍収集(31.2%)、相続財産の調査(31.2%)といった、相続人や財産の把握に関する手続きが高い割合を占めていました。
また、銀行解約・名義変更(29.4%)や不動産の名義変更(同29.4%)といった実務対応も一定数行われています。
相続税の申告(23.9%)や証券会社の解約・名義変更(12.8%)、遺言書の検認(27.5%)といった比較的専門性の高い手続きや、家族信託手続き(11.9%)を行った人もいました。※複数回答が可能な設問のため、合計は100%を超えています。
専門家に支払った金額
弁護士に依頼した人が専門家に支払った費用で最も多かったのは「100万円以上」(26.61%)でした。他の金額帯と比べて突出した割合となっています。
次に多かったのは「20万円~30万円」(13.76%)、「10万円未満」(12.84%)、「10万円~20万円」(10.09%)と続いており、10万円~30万円未満の範囲に収まった人は全体の約36.7%に達します。さらに、「30万円~50万円」(5.50%と7.34%を合わせて12.84%)や「50万円~60万円」(9.17%)までを含めると、50万円未満の人は合計で約59.5%となり、過半数の人が比較的抑えた費用で弁護士に依頼していることが分かります。
一方で、「60万円~100万円未満」の層(4.59%~3.67%)も少数ながら一定数存在しており、相続内容の複雑さや対応範囲によって費用が幅広く分かれる傾向が見られます。
特に「100万円以上」の割合が高いことから、弁護士への依頼が遺産分割トラブルや高額な相続財産の処理など、より専門性の高い対応を求められるケースであることがうかがえます。
手続きにかかった期間
弁護士に依頼した人のうち、相続手続きの完了までにかかった期間で最も多かったのは「6か月~9か月未満」(17.43%)でした。次いで「3か月~6か月未満」(15.60%)、「1年~1年半未満」(13.76%)、「1年半~2年未満」(11.01%)、「9か月~1年未満」(10.09%)と続いており、比較的幅広い期間にわたって相続手続きが行われていることが分かります。
「2年以上~3年未満」(6.42%)、「3年以上~5年未満」(5.50%)、「5年以上~10年未満」(0.92%)、「10年以上」(1.83%)といった長期化したケースも計14.67%存在しており、相続の複雑さやトラブルの有無によっては、完了までに数年を要することもあるという実態が浮かび上がりました。
相続手続きは誰に頼む?「相続の相談は誰にすれば良い? 弁護士・税理士・司法書士・行政書士・銀行・市役所を比較【行政書士監修】」
弁護士に依頼した人の相続の後悔
大変だったこと
弁護士に依頼した人の中で、相続手続きにおいて最も多くの人が困難を感じたのは「手続きのために時間が取られたこと」(34.9%)でした。次いで「必要な書類が多かったこと」(33.9%)、「相続人同士の連絡・同意を得ること」(36.7%)と続き、時間的負担と手続きの煩雑さ、人間関係の調整が主な悩みとして挙げられています。
また、「何をどう進めるべきかを理解するための情報収集」(27.5%)や「金銭的な負担が発生したこと」(26.6%)、「遺産の中身や金額をはっきりさせること」(24.8%)といった項目も比較的高い割合を示しており、情報不足やコスト負担、財産の把握の難しさも課題であることが分かります。
一方、「手続き先が複数あること」(22.9%)、「書類の書き方が難しかったこと」(11.9%)についても一定数の声があり、細かい実務対応においても困難を感じた人がいたことがうかがえます。※なお、この設問は複数回答形式のため、合計は100%を超えています。
生前にやっておけばよかったこと
弁護士に依頼した人の相続に関して生前にやっておけばよかったことについては、「日頃から相続についてもっと勉強しておくべきだった」(25.69%)が最も多く、次いで「生前元気なうちに、相続について相談しておけばよかった」(22.94%)、「正式な遺言書を作成してもらえばよかった」(22.02%)が続きました。これらの結果から、相続に関する知識や準備の不足を実感した人が多かったことがうかがえます。
また、「財産を記録しておく、通帳の置き場所を決める等まとめておいてもらえばよかった」(19.27%)、「生前贈与をしてもらえばよかった」(16.51%)、「相続税対策をしておけばよかった」(15.60%)など、財産の管理方法や節税対策に関する後悔の声も一定数見られました。さらに、「家系図などで家族関係をまとめておいてもらえばよかった」(15.60%)、「認知症の家族に後見人をつけておけばよかった」(5.50%)といった家族構成の確認や判断能力低下への備え不足に後悔していることが伺えます。
一方、「特にない」と回答した人は28.44%で、相続手続き後に特段の対策を講じる必要性を感じていない人も一定数存在していました。※なお、この設問は複数選択形式のため、回答の合計は100%を超えています。
相続対策への意識
弁護士に依頼した人の自分の相続対策への意向について、「とても考えるようになった」(45.87%)、「少し考えるようになった」(35.78%)と回答した人を合わせると、全体の約81.6%が相続対策を意識するようになったことがわかります。
この結果から、相続の煩雑さや負担を実際に経験したことで、自分の相続においては家族が困らないよう、事前に整理や準備をしておこうと考える人が多くなっていることがうかがえます。
一方で、「どちらともいえない」(14.68%)や「考えていない」(3.67%)という回答もあり、すべての人が行動意欲を強く持っているわけではないものの、実際に弁護士を介した相続を経験した人の多くが、自身の将来への備えを意識するきっかけとして捉えている傾向が見られました。
まとめ
以上、弁護士に依頼したと答えた方のアンケート回答について解説しました。
相続は、相続財産の種類や、相続手続きの進め方やかかる時間、費用も人それぞれです。もちろん、相続に対する考え方も違います。また、専門家への依頼も相続財産の内容や手続きによって大きく異なります。
相続手続きをスムーズに進めるためには、その人その人の状況に応じた対策が必要となります。
いい相続では、相続手続きに関する無料相談ができる全国の専門家とご案内しています。相続に関するお悩みはぜひお気軽にご相談ください。
40代 | 13.4% |
50代 | 24.4% |
60代 | 38.1% |
70代 | 22.4% |
80代 | 1.7% |
北海道・東北 | 15.1% |
関東 | 22.0% |
中部 | 20.8% |
関西 | 15.7% |
中国・四国 | 13.4% |
九州・沖縄 | 13.0% |
会社員 | 19.9% |
経営者・役員 | 4.0% |
公務員 | 4.3% |
派遣・契約社員 | 6.1% |
自営業・自由業 | 10.0% |
専業主婦/主夫 | 16.2% |
パート・アルバイト | 11.9% |
無職 | 26.6% |
その他 | 0.9% |
配偶者 | 6.9% |
父・母 | 82.4% |
祖父・祖母 | 2.7% |
兄弟・姉妹 | 3.7% |
叔父・叔母 | 3.1% |
子 | 0.5% |
甥・姪 | 0.1% |
いとこ | 0.1% |
その他 | 0.6% |
1人 | 11.4% |
2人 | 34.8% |
3人 | 36.4% |
4人 | 11.9% |
5人以上 | 5.5% |
1,000万円未満 | 13.2% |
1,000万円以上~2,000万円未満 | 33.6% |
2,000万円以上~3,000万円未満 | 13.0% |
3,000万円以上~4,000万円未満 | 10.6% |
4,000万円以上~5,000万円未満 | 5.4% |
5,000万円以上~8,000万円未満 | 9.2% |
8,000万円以上~1億円未満 | 2.4% |
1億円以上2億円未満 | 8.1% |
2億円以上 | 0.9% |
無回答 | 3.7% |
調査期間 | 2024/12/16~2024/12/26 |
調査対象者 | 過去4年以内に手続きを経験された方(現在手続き中の方も含む) |
調査方法 | インターネット調査 |
有効回答数 | 1,851名 |
調査主体 | いい相続(株式会社鎌倉新書) |
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