相続経験者が【手続き先が複数あり大変だった】と答えたケースの相続とは│実際に行った手続きや専門家への費用を大公開!

相続手続きで大変だったのは「手続き先が複数あり大変だった」と答えたケースの相続の特徴
- 65.36%が初めての相続で、手続きに苦労する人が多い。
- 銀行解約・名義変更、戸籍収集、不動産の名義変更が主な相続手続き。
- 相続財産の種類では現金・預貯金、土地・建物が多く、名義変更や解約手続きが発生
相続のお困りごとは「いい相続」へお気軽にご相談ください。 無料相談の流れはこちら
相続手続きで大変だったのは「手続き先が複数あり大変だった」と答えた方の相続手続きでは、どのような課題があったのでしょうか。
本記事では相続人の構成、相続財産の種類、必要な手続き、専門家にかかった費用など、相続経験者へのアンケート結果から実態を解説します。
情報収集が大変だった方の「利用した情報源」「相続財産の種類と割合」「専門家の依頼費用の相場」などが具体的にわかります。
これから相続手続きを進める方や準備を考えている方は是非参考にしてください。
目次
相続手続きで最も大変だったことランキング
今回のアンケート中、相続を経験して大変だったことは何だったか?との問いに対しての回答は、以下のランキングとなりました。
- 必要な書類が多かったこと・・・48.10%
- 手続きのために時間が取られたこと・・・35.43%
- 手続き先が複数あること・・・30.43%
- 何をどう進めるべきかを理解するための情報収集・・・30.38%
- 遺産の中身や金額をはっきりさせること・・・19.40%
- 相続人同士の連絡・同意を得ること・・・18.97%
- 書類の書き方が難しかったこと・・・16.68%
- 金銭的な負担が発生したこと・・・16.30%
- その他・・・6.68%
※この設問は複数選択が可能なため、各回答の割合を合計すると100%を超えることがあります。ご了承ください。
相続手続きで多くの人が苦労したのは「必要な書類が多かったこと」(48.10%)でした。戸籍謄本や遺産分割協議書など、必要書類が多岐にわたり、取得にも時間がかかることが負担となっています。次いで「手続きに時間が取られたこと」(35.43%)、「手続き先が複数あること」(30.43%)と続き、金融機関や役所などへの対応の煩雑さが浮き彫りになりました。また、相続手続きをするにあたり、「書類の書き方が難しかったこと」(16.68%
ここからは、「手続き先が複数あること」(30.43%)が大変だったと回答した方について詳しくみていきます。
手続き先が複数あり大変だったと回答した人の属性
年代別の傾向
手続き先が複数あり大変だったと回答した人を年代別に見ると、60代(35.54%)が最多で、次に50代(29.82%)、70代(20.89%)、40代(12.14%)、80代(1.61%)という順番でした。近年では親が80代〜90代で亡くなるケースが多く、実際の相続手続きをするのが50代〜60代になることが一般的な世代であり、この年代は、仕事をしている人も多く、相続手続きをする時間的な余裕が少ないことが影響している可能性があります。
誰の相続だったか
被相続人(亡くなった人)は、父・母(83.93%
法定相続人は誰?法定相続分はどういう配分?気になる方は「法定相続分と法定相続人|法定相続人の相続順位や法定相続分の計算方法」へ!
相続の回数
相続の経験については、「初めて」(65.36%)との回答が最多でした。初めての相続は、何をすればよいのか、どこに相談すればよいのか分からず苦労する人が多いと考えられます。2回目(31.61%)の相続でも一定数いることから、1回目の経験があっても、以前の相続から時間が経っていたり、相続する財産の種類や相続人の関係性が異なるため、難易度が変わり、同じ手続きがスムーズに進まない可能性があることが推測されます。
相続財産の額
手続き先が複数あり大変だったと回答した人の相続財産の総額については、1,000万円~2,000万円が最多で、30.2%となりました。次いで2,000万円~3,000万円(14.5%)で、3,000万円~4,000万円(12.5%)、
相続財産の種類
相続財産の種類は現金・預貯金(84.6%)の割合が最も高く、次に土地・建物(74.1%)が続きました。金融機関や不動産の相続登記には多くの書類が必要であり、収集するために様々な場所へ出向くことが影響していると考えられます。次に生命保険(35.7%)、株・投資信託(25.5%)、山林・農地(18.6%)、自動車(14.6%)と続きました。※この設問は複数選択が可能なため、各回答の割合を合計すると100%を超えることがあります。
相続財産はどういうものをいうのだろう?気になる方は「相続財産になるもの・ならないものを一覧でわかりやすく解説」へ
遺産分割の方法
手続き先が複数あり大変だったと回答した方の遺産分割の方法については、遺産分割協議で分けた(49.1%)が最多、法定相続分で分けた(
遺産分割には法律上のルールがある!「遺産分割とは?遺産分割協議の準備からやり方、トラブルを防ぐためのポイント」
手続き先が複数あり大変だったと回答した人が実際におこなった手続き
手続き先が複数あり大変だったと回答した人はどんな方法で情報を取得し、手続きをおこなったのか詳しくみていきたいと思います。
利用した・役に立った情報源
相続に関する情報源として最も多く利用されたのは、インターネット検索(39.1%) であり、多くの人がオンラインで情報を収集していることがわかります。続いて、市区町村の窓口(29.1%)や銀行・証券会社など金融機関(27.5%)も高い割合を占めました。司法書士事務所(24.8%)、税理士事務所(20.5%)、行政書士事務所(13.2%)、弁護士事務所(6.4%) などの専門家への相談も多く、また、家族・親戚(22.0%)や友人・知人(9.1%) からの助言も一定数活用されており、身近な人からの情報も相続の情報源となってることがわかります。
また、法務局(19.8%)、年金事務所(16.4%)、税務署(12.9%)、葬儀社(16.8%)などの公的機関・関連機関も一定の割合で利用されており、葬儀や相続手続きの流れの中で自然と関与する場面があると考えられます。一方で、テレビ(4.5%)、新聞(4.1%)、ラジオ(0.7%)、YouTubeなどの配信動画(4.8%)、SNS(2.5%) などのメディアを活用する人は少ない結果でした。雑誌・本(11.3%) も一定の割合で活用されており、書籍などを通じて情報収集する人もいることが示されています。※この設問は複数選択が可能なため、各回答の割合を合計すると100%を超えることがあります。
実際の手続き
手続き先が複数あり大変だったと回答した人が実際におこなった相続手続きとして、最も多かったのは銀行解約・名義変更(72.5%) でした。銀行口座の解約や名義変更はほぼすべての相続で必要となるため、高い割合を占めています。続いて、戸籍収集(63.9%)、不動産の名義変更(相続登記)(58.9%) も高い割合となっており、これらが負担となったことがうかがえます。また、遺産分割協議(49.8%)、遺産分割協議書の作成(44.5%)、相続関係説明図の作成(36.4%)、相続財産の調査(33.4%) なども比較的高い割合で実施されており、相続人間での話し合いや財産の整理が多くのケースで発生していることがわかります。
相続税の申告(27.9%) は、相続税が課税される対象者が限られるため、他の手続きと比較すると割合は低めですが、実際に申告を行う場合には専門的な知識が求められるため、負担が大きいと考えられます。証券会社解約・名義変更(23.4%)も対象者が限られることから割合は低めになっていると考えられます。遺言書の検認(7.9%)、家族信託手続き(4.3%) なども少数にとどまっています。※この設問は複数選択が可能なため、各回答の割合を合計すると100%を超えることがあります。
手続き先が複数あり大変だったと回答した人が実際に依頼した専門家と費用
手続き先が複数あり大変だったと回答した人はどんな専門家に手続き依頼し、またどのくらいの費用がかかったのかを詳しく見ていきます。
依頼した専門家
全体の42.0%が専門家に依頼せずに手続きを進めたことがわかりました。専門家に依頼した場合、最も高いのが「司法書士」を利用した割合で23.6%。「税理士」(17.7%)、「行政書士」(11.4%)、「弁護士」(3.9%)という結果でした。
相続手続きは専門家に頼める!「遺産相続手続き代行サービスのおすすめは?自分で評判・口コミでの選び方や費用の見方のポイント」
専門家に依頼した内容
専門家への依頼が多い手続きは多い順で不動産の名義変更(相続登記)(65.2%)、遺産分割協議書の作成(41.1%)、相続税の申告(31.2%)、相続関係説明図の作成(29.1%)、相続財産の調査(26.2%)、相続財産目録の作成(25.5%)と続きました。また、相続財産の調査(26.2%)、相続財産目録の作成(25.5%)、銀行解約・名義変更(22.0%)、遺産分割協議(22.0%) も一定の割合で専門家に依頼されています。これらの手続きは比較的多くの人が行う必要があるため、サポートを求めるケースが少なくないことがわかります。一方で、証券会社解約・名義変更(14.2%)、遺言書の検認(13.5%)、家族信託手続き(8.5%) は割合が低く、これらの手続きは必要となるケースが限られるため、専門家への依頼も少ないと考えられます。※この設問は複数選択が可能なため、各回答の割合を合計すると100%を超えることがあります。
専門家に支払った金額
専門家に支払った費用として最も多かったのは10万円~20万円(12.14%) であり、次いで10万円未満(8.57%) となっています。これらを合わせると、約2割の人がこの範囲に収まっていることがわかります。さらに、20万円~30万円(6.25%)、30万円~40万円(5.00%)、40万円~50万円(3.75%) などを含めると、約3割の人が50万円以内 で専門家費用を収めていることがわかります。
一方で、100万円以上支払った人は5.36% となっており、比較的少数派ですが、相続財産が多い場合の相続税申告や相続争いの解決を依頼した場合に高額になりやすい ことが考えられます。※この設問は複数選択が可能なため、各回答の割合を合計すると100%を超えることがあります。
手続き先が複数あり大変だったと回答した人の自分の相続対策
手続き先が複数あり大変だったと回答した人の自分の相続対策への意向について、とても考えるようになった(45.00%)、少し考えるようになった(41.96%)と、合わせて約87%の人が相続対策を考えるようになったことがわかりました。
書類の書き方の困難さを経験したことで、自分の相続の際には家族が困らないように、事前に整理・対策をしておこうと考えるようになった人が多いと考えられます。
具体的にどんな相続対策を検討したいかとの問いに対して最も多かったのは不動産の整理や活用(28.04%)、生前贈与の検討(28.04%)が同率の回答となりました。これに続いて、遺言書作成の検討(27.86%)、生命保険を活用した相続対策(27.50%)も高い割合を占めており、これらの対策に関心を持つ人が多いことがわかります。家族信託を検討(6.79%)や成年後見を検討(6.96%)との回答は少数派でした。※この設問は複数選択が可能なため、各回答の割合を合計すると100%を超えることがあります。
まとめ
相続は、相続財産の種類や、相続手続きの進め方やかかる時間、費用も人それぞれです。もちろん、相続に対する考え方も違います。
本調査では、相続手続きの流れや必要な手続きを把握するのが難しく苦労した、手続き先が複数あり大変だったとの回答が多くありました。専門家への依頼も手続き内容によって大きく異なりました。
相続手続きをスムーズに進めるためには、その人その人の状況に応じた対策が必要となります。
いい相続では、相続手続きに関する無料相談ができる全国の専門家とご案内しています。相続に関するお悩みはぜひお気軽にご相談ください。
40代 | 13.4% |
50代 | 24.4% |
60代 | 38.1% |
70代 | 22.4% |
80代 | 1.7% |
北海道・東北 | 15.1% |
関東 | 22.0% |
中部 | 20.8% |
関西 | 15.7% |
中国・四国 | 13.4% |
九州・沖縄 | 13.0% |
会社員 | 19.9% |
経営者・役員 | 4.0% |
公務員 | 4.3% |
派遣・契約社員 | 6.1% |
自営業・自由業 | 10.0% |
専業主婦/主夫 | 16.2% |
パート・アルバイト | 11.9% |
無職 | 26.6% |
その他 | 0.9% |
配偶者 | 6.9% |
父・母 | 82.4% |
祖父・祖母 | 2.7% |
兄弟・姉妹 | 3.7% |
叔父・叔母 | 3.1% |
子 | 0.5% |
甥・姪 | 0.1% |
いとこ | 0.1% |
その他 | 0.6% |
1人 | 11.4% |
2人 | 34.8% |
3人 | 36.4% |
4人 | 11.9% |
5人以上 | 5.5% |
1,000万円未満 | 13.2% |
1,000万円以上~2,000万円未満 | 33.6% |
2,000万円以上~3,000万円未満 | 13.0% |
3,000万円以上~4,000万円未満 | 10.6% |
4,000万円以上~5,000万円未満 | 5.4% |
5,000万円以上~8,000万円未満 | 9.2% |
8,000万円以上~1億円未満 | 2.4% |
1億円以上2億円未満 | 8.1% |
2億円以上 | 0.9% |
無回答 | 3.7% |
調査期間 | 2024/12/16~2024/12/26 |
調査対象者 | 過去4年以内に手続きを経験された方(現在手続き中の方も含む) |
調査方法 | インターネット調査 |
有効回答数 | 1,851名 |
調査主体 | いい相続(株式会社鎌倉新書) |
▼実際に「いい相続」を利用して、行政書士に相続手続きを依頼した方のインタビューはこちら
ご希望の地域の専門家を探す
ご相談される方のお住いの地域、遠く離れたご実家の近くなど、ご希望に応じてお選びください。