孫への不動産相続で生前贈与か遺言書か迷う
相談者は、80代の父親が所有する複数の不動産を子や孫に相続させるための方法に悩んでいました。父親は遺言書の作成を考えているものの、生前贈与が適しているのかも分からず、専門家の意見を求めていました。預貯金は少なく、主な財産は不動産であるため、適切な相続対策が必要でした。
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相続税の節税対策のひとつとして、生前に子や孫に財産の一部を贈与する生前贈与という方法があります。
相続財産に課税される相続税と比較して、贈与した財産に課税される贈与税の方が税率は高く、闇雲に贈与をしてしまうとかえって高い税金を納めなければならなくなりますが、暦年贈与など非課税となる制度を利用することで節税効果が期待できます。
この原稿では生前贈与の中でも特に孫に贈与することを中心に、生前贈与のメリットや暦年課税制度(暦年贈与)と相続時精算課税制度、さらに生前贈与の非課税特例などについてご説明します。
目次
孫に生前贈与するメリットを簡単にまとめると、節税効果が期待できることと、教育資金などの必要な資金を必要なタイミングで渡せることの2点です。
生前贈与をすると、相続税の課税対象となる財産を減らせるため、相続税を軽減できます。
ただし、生前贈与をすることで贈与税が課税されますし、贈与税の方が相続税よりも高く設定されています。それでも節税につながるのは、非課税で贈与できる控除額などが設定されているからです。基本的な制度は、暦年課税制度(暦年贈与)と相続時精算課税制度の2つですが、そのほかにもいくつかの非課税特例があるので、それらを上手に活用することで控除額以内で贈与することができます。
どの財産を、いつ、誰に、いくら渡すのかによって、課される税金の総額は変わります。したがって節税のために生前贈与を検討する際には、贈与税と相続税の納税額を試算し、どちらがより税金が低くなるかを確認する必要があります。細かな法令やそれぞれの家庭の事情などによっても異なりますので、詳しくは専門家に相談することをお勧めします。
自分が築いた財産で孫を喜ばせたり、十分な教育を受けさせる。孫にとってはもちろん、孫のいる方にとっても嬉しいことではないでしょうか。しかし相続では、死亡してからしか財産を渡すことができません。一方、生前贈与は亡くなった後の相続ではなく、生前に贈与をすることで生きている間に財産を孫に渡すことができ、その喜ぶ顔を見ることもできます。
また、贈与される孫やその親にとっても、教育資金や結婚資金などに必要な、まとまったお金を必要な時にもらえて、負担が減るのはとても大きなメリットです。
▼相続対策にはどんなことがある?まずは調べることから始めましょう!▼生前贈与を受ける際、贈与をされる側(受贈者)は暦年課税(暦年贈与)か相続時精算課税のどちらかを選ぶことができます。
暦年課税(暦年贈与)とは、受贈者が1月1日~12月31日までの1年間に受け取った財産の合計額が110万円を超えた場合、110万円を超えた分に対して贈与税が課税される制度です。受贈者が相続時精算課税の申請をしなければ、暦年課税(暦年贈与)を選択したことになります。
つまり、暦年課税(暦年贈与)を選択すれば、1年間で110万円まで非課税で贈与を受け取ることができます。
1年間の贈与額-110万円=贈与税の課税対象となる金額
暦年課税(暦年贈与)の大きなポイントは、税務署などへの手続きがいらないことです。贈与額が基礎控除額の範囲内なら、贈与があったことを申告する必要はありません。
また、年間110万円まで非課税というのは、贈与する側1人につきではなく、贈与される側、受贈者1人につき110万円まで非課税です。したがって、何人から贈与されても、受贈者1人が1年間に贈与された額が110万円以下であれば、贈与税はかかりません。
【例1】2人から1年間に50万円ずつ贈与を受けた場合
50万円×2人-110万円=-10万円
→110万円以下なので、贈与税は発生しない
【例2】2人から1年間に110万円ずつ贈与を受けた場合
110万円×2人-110万円=110万円
→110万円を超えた金額に対して、贈与税が発生する
もう1つのポイントは、何度でも繰り返し利用できるということです。年間110万円というと、たくさん財産を持っている人には節税効果が少ないと思われるかもしれませんが、10年間続ければ1,100万円を非課税で贈与することができるというわけです。
一方、注意しなければならない点としては、一定の時期ごとに贈与される定期贈与と判断された場合、贈与された総額から基礎控除額の110万円を差し引いた額が贈与税の対象となり、後々課税されてしまう可能性もあるという点です。贈与があったという事実を税務署に認めてもらうためにも、贈与契約書で贈与の証拠を残すことと、銀行振込などでお金の流れを記録しておくことをおすすめします。
贈与税率は、贈与者と受贈者との続柄や受贈者の年齢に応じて、「一般税率」と「特例税率」に区分されています。親や祖父母などの直系尊属から、(贈与の年の1月1日時点で)18歳以上の子や孫などの直系卑属への贈与は、「特例贈与財産」として贈与財産に対する税率が低くなっています。
| 基礎控除後の課税価格 | 200万円 以下 |
300万円 以下 |
400万円 以下 |
600万円 以下 |
1,000万円 以下 |
1,500万円 以下 |
3,000万円 以下 |
3,000万円 超 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 税 率 | 10% | 15% | 20% | 30% | 40% | 45% | 50% | 55% |
| 控除額 | ‐ | 10万円 | 25万円 | 65万円 | 125万円 | 175万円 | 250万円 | 400万円 |
| 基礎控除後の課税価格 | 200万円 以下 |
400万円 以下 |
600万円 以下 |
1,000万円 以下 |
1,500万円 以下 |
3,000万円 以下 |
4,500万円 以下 |
4,500万円 超 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 税 率 | 10% | 15% | 20% | 30% | 40% | 45% | 50% | 55% |
| 控除額 | ‐ | 10万円 | 30万円 | 90万円 | 190万円 | 265万円 | 415万円 | 640万円 |
【例】贈与財産が500万円で、特例贈与財産の場合
基礎控除後の課税価格 500万円-110万円=390万円
贈与税額 390万円×15%-10万円=48.5万円
贈与税の申告と納税は、原則として受贈者が、贈与があった年の翌年の2月1日から3月15日までにすることになっています。申告書は、郵便や信書便による送付または税務署の時間外収受箱へ投函するほか、e-Taxを利用して提出(送信)することができます。
また、申告期限までに申告しなかった場合や、実際にもらった額より少ない額で申告した場合には、本来の税金のほかに加算税がかかります。納税が期限に遅れた場合は、その遅れた税額に対して延滞税がかかりますので注意しましょう。
令和5年度税制改正により、暦年課税における相続税の持ち戻し期間が3年から7年に変更になりました。これは令和6年1月1日以降の贈与から適用されます。
相続税の持ち戻しとは、被相続人の相続財産のほかに、贈与されていた財産を相続財産として相続税の計算に含めることです。令和6年1月1日以前は被相続人の亡くなる前3年間に贈与した財産について相続財産に持ち戻すことになっていましたが、これが7年間に延長されたということです。
ただし、ただ対象期間が延長されたわけではなく、4~7年以上前のものはその期間に贈与された額から100万円控除した額が持ち戻しの対象となります。
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相続時精算課税は、(贈与の年の1月1日時点で)60歳以上の親や祖父母から、18歳以上の子や孫へ贈与する場合に選択することが可能です。相続時精算課税を選択すると、受け取った額の合計が2,500万円を超えるまで贈与税が非課税となる制度です。また、年110万円まで基礎控除があり、年110万円以下の贈与であれば贈与税がかからず、かつ2500万円の累計に含める必要がありません。
贈与された財産は、相続発生時に相続財産として加算され、相続税が課税されます。つまり、本来贈与税を課税するものを、相続税の対象にして、課税されるタイミングを 先送りにする制度ということです。
令和5年度の税制改正において、相続時精算課税制度に年間110万円の基礎控除が創設されます。年間110万円以下の贈与であれば贈与税はかからず、さらに、累計2,500万円までの特別控除に含める必要はありません。
また新しい相続時精算課税制度では、基礎控除の年間110万円を超えるかどうかで提出書類が異なります。
例えば、祖父母の1億円の財産のうち2,610万円(限度額2,500万円+基礎控除110万円分)を相続時精算課税制度を使って孫に贈与したら、贈与税はかかりませんが、祖父母が亡くなって相続が発生したときには、残りの7,390万円の財産に2,500万円が加算されて、相続財産を9,890万円として相続税を計算します。
相続時精算課税制度は金額の上限はありますが、回数に制限はありません。例えば、1年目に1,000万円、2年目に1,000万円、5年後に500万円など、合計2,500万円になるまで非課税枠を利用することができます。
相続時精算課税は、暦年課税(暦年贈与)とは異なり、贈与者1人から最大で2,500万円まで非課税で贈与を受けられる制度です。したがって、祖父から2,500万円、祖母から2,500万円の贈与を受けた場合も、非課税枠内で贈与を受けることができます。
また、祖父母それぞれから贈与を受ける場合は、祖父からの贈与は相続時精算課税、祖母からの贈与は暦年課税(暦年贈与)という選択も可能です。ただし、同じ贈与者からの贈与において相続時精算課税制度と暦年課税(暦年贈与)を併用することはできません。
もし、贈与額が2,500万円を超えた場合は、超えた分の金額について一律20%の税金が発生します。
【例】祖父からの3,000万円の贈与について、相続時精算課税制度を選択する場合
課税される金額:3,000万円-110万円-2,500万円=390万円
贈与税額:390万円×20%=78万円
相続時精算課税制度は、課税の時期が先送りされるだけでメリットが少ないように感じますが、贈与するタイミングによって大きなメリットを生みます。
第一に、相続時精算課税制度の大きなメリットは、親や祖父母が生きている間に子や孫にまとまったお金を贈与することができるという点です。子の住宅購入資金や孫の教育費の援助など、大きな金額が必要な時に生きたお金として使うことができるというわけです。また、相続時に分割しづらい土地などの財産も、この制度を使えばスムーズに贈与できます。
第二に、贈与した財産は贈与時の価格で相続時に精算されるため、将来値上がりする可能性が高い財産を値上がり前に贈与することで、相続時の税負担を軽減できる可能性があります。例えば、500万円の時価で贈与した株式が相続時に1,000万円になっていても、相続財産に加算される金額は500万円になります。
第三に、賃貸アパートなどの収益を生む不動産を所有している場合、早めに贈与しておけば、家賃収入が祖父母ではなく孫に貯まるため、祖父母の財産が少なくなり相続税の負担が減ることになります。
ただし、相続税の税率は贈与税よりも低く設定されているため、相続税で課税された方が税の負担が軽いケースもあります。どちらが有利になるかを判断するには、税理士などの専門家に試算してもらうといいでしょう。
▼まずはお電話で相続の相談をしてみませんか?▼相続時精算課税制度の注意すべき点も確認しておきましょう。
まず1つ目は、税務署へ申告する必要があるということです。いつ、誰から、どんな財産を、いくら贈与されたかを、受贈者が相続時精算課税選択届出書と添付書類を揃え申告します。なお、2回目以降、基礎控除額の年110万円以下の贈与は申告は不要です。
2つ目は、一度相続時精算課税制度を選択すると撤回できず、暦年課税(暦年贈与)に戻すことはできないという点です。
3つ目は、相続時精算課税制度を使って自宅を贈与した場合、小規模宅地の特例が使えなくなることです。これは、相続時の自宅の土地の評価が80%減額になるというとてもメリットの大きな特例です。例えば、祖父母の自宅の土地の評価が1億円なら、特例を使えば2,000万円の評価になるということです。

暦年課税制度(暦年贈与)と相続時精算課税制度以外にも、贈与税には財産の種類や使途によりさまざまな非課税特例があります。これらを活用して、さらなる節税対策が可能になります。
親や祖父母から、30歳未満の子や孫に、教育資金を贈与したとき、1,500万円まで贈与税が非課税になる制度です(平成25年4月1日から令和8年3月31日までの期間限定措置)。
本来、扶養者が教育資金を出しても贈与税は非課税ですが、その贈与は教育資金が必要になるたびに行う必要があります。この制度は、教育資金を前もって一括贈与しても贈与税が非課税になるのが特徴です。教育資金を必要なタイミングで贈与しようと思っていても、もし亡くなってしまったら非課税で贈与することはできず、相続税の課税対象になってしまいます。この制度を利用すれば、生前に孫の教育資金を非課税で一括贈与することができ、相続税の課税対象とはなりません。
この制度が適用される教育資金の範囲には以下のようなものがあります。
*ただし、23歳に達した日の翌日以後であっても、令和元年7月1日以後に支払われる一定の金銭のうち、教育訓練給付金の支給対象となる教育訓練を受講するための費用については非課税の対象となります。
この制度を使うためには、受贈者が金融機関に「教育資金口座」を開設し、金融機関を経由して教育資金非課税申告書を税務署に届け出る必要があります。贈与された資金は教育資金口座に預け入れ、必要になったときに引き出します。資金を引き出したときは、教育費用の領収書を所定の期日までに金融機関に提出しなければなりません。
なお、口座に残高がある場合は、次のように課税対象となります。
受贈者が30歳の時点で学校等に在学していなかったり、教育訓練を受けていない場合、贈与税の対象となります。受贈者が40歳に達した場合も、贈与税の対象となります。また、契約期間中に贈与者が死亡した場合は、受贈者が23歳未満の場合・学校等に在籍している場合・教育訓練を受けている場合を除いて、過去7年以内の預け入れ分が相続税の対象となります。
親や祖父母から、18歳以上の子や孫に、住宅購入や増改築のための資金を贈与したとき、一定額まで贈与税が非課税になる制度です(令和4年度税制改正大綱によって令和5年12月31日まで延長されました)。非課税枠は、売買契約や請負契約等の締結日や住宅の種類により異なります。
住宅用の家屋の新築等に係る対価等の額に含まれる消費税等の税率が10%である場合
| 住宅用家屋の新築等に係る契約の締結日 | 省エネ等住宅 | 左記以外の住宅 |
|---|---|---|
| 平成31年4月1日~令和2年3月31日 | 3,000万円 | 2,500万円 |
| 令和2年4月1日~令和3年3月31日 | 1,500万円 | 1,000万円 |
| 令和4年1月1日~令和5年12月31日 | 1,000万円 | 500万円 |
上記以外の場合
| 住宅用家屋の新築等に係る契約の締結日 | 省エネ等住宅 | 左記以外の住宅 |
|---|---|---|
| ~平成27年12月31日 | 1,500万円 | 1,000万円 |
| 平成28年1月1日~令和2年3月31日 | 1,200万円 | 700万円 |
| 令和2年4月1日~令和3年3月31日 | 1,000万円 | 500万円 |
| 令和4年4月1日~令和5年12月31日 | 1,000万円 | 500万円 |
国税庁のHPより
こちらの制度も、7年内加算の対象外なのでとても有効な手段です。なお、特例を受けるには、一定の書類を添付して税務署への申告が必要です。
また、この制度では暦年課税制度(暦年贈与)の併用も可能です。住宅取得資金の非課税対象となるのはあくまで住宅の購入や増改築のための費用で、仲介手数料など諸費用にあてることはできません。したがって、諸費用部分は暦年課税(暦年贈与)の基礎控除110万円を適用するといいでしょう。
この制度を利用するにあたって、以下のような条件がありますので注意してください。
親や祖父母から、18歳以上50歳未満の子や孫に、結婚や子育てのための資金を贈与したとき、1,000万円まで贈与税が非課税になる制度です(平成27年4月1日から令和7年3月31日までの期間限定措置)
教育資金と同様に、扶養している家族の結婚費用や出産費用は贈与税の対象外ですが、その贈与は結婚や出産のたびに行うことが前提です。この制度は、結婚や子育てのために必要な資金を前もって一括贈与しても贈与税が非課税になるのが特徴です。
この制度が適用される結婚・子育て資金の範囲には以下のようなものがあります。
この制度を使うためには、受贈者が金融機関に「結婚・子育て資金口座」を開設し、金融機関を経由して結婚・子育て資金非課税申告書を税務署に届け出る必要があります。贈与された資金は結婚・子育て資金口座に預け入れ、必要になったときに引き出します。資金を引き出したときは、結婚・子育て費用の領収書を所定の期日までに金融機関に提出しなければなりません。
なお、受贈者が50歳の時点で口座に残高がある場合は、贈与税の対象となりますので使い切れる額を贈与しましょう。また、契約期間中に贈与者が死亡した場合は、相続税の対象となります。
※2割加算とは、相続、遺贈や相続時精算課税に係る贈与によって財産を取得した人が、被相続人の一親等の血族(代襲相続人となった孫を含む)及び配偶者以外の人である場合には、その人の相続税額にその相続税額の2割に相当する金額が加算される制度です。
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ここまで説明してきた暦年課税(暦年贈与)や相続時精算課税、そのほかの非課税特例は孫に限らず子にも適用できるものでしたが、孫特有の節税方法には次のようなものがあります。
7年内加算とは、贈与者が亡くなる7年以内に相続人に対して行われた贈与は、死亡時に相続人の相続財産に加算され、相続税が加算される制度です(※2024年1月1日以降の贈与から3年→7年になりました。)。
例えば、贈与者が亡くなる7年以内に毎年110万円の贈与を受けていたら、770万円の財産は相続税に加算されるということです。この生前贈与加算は、贈与者の体調が悪くなったときに、急に相続税対策として贈与枠を利用する人がいるためのもので、相続税逃れを防止する制度です。
しかし、この制度は「相続または遺贈により財産を取得したもの」に適用されるため、法定相続人でない孫は7年内加算の対象外なのです。相続人ではない孫へ生前贈与することによって相続財産が減るので、有効な相続税対策になるというわけです。相続発生の直前でも贈与できるという点もメリットでしょう。
ただし、例外もあります。遺言書によって孫に財産を渡したり、生命保険を孫が受け取るようになっている場合、孫が「相続または遺贈により財産を取得したもの」になりますので、7年内加算が適用されます。
通常、財産は祖父母から親、親から子へと下の世代へ引き継がれていき、そと都度相続税や贈与税が課税されます。そこで、一世代飛ばして祖父母から孫へ引き継げば、一世代分の相続税や贈与税を課される機会が減り、節税することができます。
ただし、孫は一親等ではないので、代襲相続人となった場合を除いて、相続税額の2割加算が適用されます。
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孫への生前贈与のメリットや、課税制度、非課税特例について説明してきましたが、デメリットや注意点を知っておくことも大切です。以下の項目を見て、より自分にあった節税対策を検討しましょう。
生前贈与を成立させるためには、贈与者と受贈者の双方が生前贈与があったことを認識し、受贈者が贈与財産を管理していることが必要です。孫への贈与においてよくあるケースですが、孫が生前贈与について知らなかったり、了承していなければ生前贈与は成立しませんので注意しましょう。
生前贈与をする際は、贈与契約書を作成すると生前贈与したことを立証しやすくなりますので、贈与の都度、贈与契約書を作成するようにしましょう。
現金手渡し、名義預金は税務署に否認されてしまうことが多々あります。
名義預金とは、形式的には子や孫の名前で預金しているのですが、実質的には親や祖父母が管理している預金のことです。孫が自由に使えない状態だと思われないように、孫の印鑑で届け出をする必要があります。
現金で手渡しをするだけでは贈与の記録が残りにくいため、銀行振り込みなどで贈与したお金の流れがわかるようにしておきましょう。
また、不動産、車、有価証券などを贈与したつもりでも、名義変更していない場合は贈与があったと判断されない可能性がありますので注意しましょう。
遺留分とは、法定相続人が最低限の相続財産を受け取る権利のことを言い、その権利が侵害された場合、相続財産を取り返すことを遺留分侵害額請求といいます。遺留分は、法律上その取得が保障されているものなので、生前贈与や遺言によってもこの権利を侵害することは原則としてできません。
したがって、相続人になる人へ贈与した財産は、相続の際の遺留分侵害額請求の対象とされる可能性があります。このようなトラブルを避けるためには、贈与者の財産を試算して、ほかの法定相続人に遺留分として確保しておくべき財産額を確認しておくことが重要です。
特別受益とは、相続人が複数いる場合に、一部の相続人が被相続人からの遺贈や贈与によって特別に受けた利益のことです。
特別受益があった場合は、特別受益の価額を相続財産の価額に加えて相続分を算定し、その相続分から特別受益の価額を控除して特別受益者の相続分は算定されます。このようにして相続分を算定することを特別受益の持ち戻しといいます。なお、相続分以上に特別受益があったとしても返金する必要はなく、相続分がゼロになるだけです。
【例】相続人はA、Bの2人がおり、Aのみが1,000万円の生前贈与を受け取っており、相続財産の価額が3,000万円の場合
Bの相続分:(3,000万円+1,000万円)÷2=2,000万円
Aの相続分:2,000万円-1,000万円=1,000万円
孫が法定相続人の場合には、特別受益の持ち戻しにより孫の相続分が減る可能性があります。しかし、遺言等によって、被相続人が特別受益の持ち戻しを免除する意思を表示した場合は、持ち戻しを防ぐことができます。
孫のことを思う気持ちは分かりますが、自分の生活を圧迫してしまうほど贈与してしまうと、老後が楽しめないばかりか、かえって孫に迷惑をかけてしまうことになりかねません。節税だけでなく、自分の生活を第一に考えましょう。
小規模宅地等の特例とは、自宅の評価額を330㎡まで8割減にできるメリットがとても大きな制度です。この特例が適用できるのは、配偶者、同居の親族、家を持っていない親族のいずれかですが、配偶者以外は、 住宅取得等資金の贈与税の非課税の適用を受ける際に自宅を取得すると、小規模宅地等の特例を利用できなくなります。
土地・不動産を相続した場合、登録免許税0.4%、不動産取得税なしとなります。一方、生前贈与の場合は、固定資産評価額の2%の登録免許税と、固定資産評価額の3%の不動産取得税が課されてしまい、余分な費用がかかることになります。
【例】固定資産評価額が3,000万円の場合の登録免許税
相続の場合:3,000万円×0.4%=12万円
贈与の場合:3,000万円×2%=60万円
【例】固定資産評価額が3,000万円の場合の不動産取得税
贈与の場合のみ:3,000万円÷2×3%=45万円
(令和6年3月31日までに宅地を取得した場合は、その評価額の2分の1を不動産所得税の標準額とする特例があります)
▼相続手続きは一人で悩まず専門家に相談しましょう▼生前贈与の基本的な2つの課税制度、暦年課税制度(暦年贈与)と相続時精算課税制度に加え、非課税特例や孫の節税対策について説明しました。それぞれメリットとデメリットがありますので、上手に活用すれば節税になりますし、場合によってはかえって費用がかかってしまいます。判断に迷ったときは、税理士などの専門家に相談するのもいいでしょう。いい相続では相続に強い専門家を紹介していますので、お気軽にお問い合わせください。
生前贈与やお孫さんへの遺産の遺し方について詳しく知りたい方は、「孫に遺産を遺したい方の生前贈与について」(提供:弁護士法人東京新宿法律事務所)も参考にしてみてください。
ご相談される方のお住いの地域、遠く離れたご実家の近くなど、ご希望に応じてお選びください。
掲載している相談事例は、「いい相続」で過去にお受けしたご相談内容をもとに、個人が特定されないよう匿名化・一部編集したうえで要約したものです。実際に必要な手続きや相談先は、お客様の状況により異なるため、詳しくは専門家や相談窓口へご確認ください。
相談者は、80代の父親が所有する複数の不動産を子や孫に相続させるための方法に悩んでいました。父親は遺言書の作成を考えているものの、生前贈与が適しているのかも分からず、専門家の意見を求めていました。預貯金は少なく、主な財産は不動産であるため、適切な相続対策が必要でした。
いい相続では、遺言書作成や生前贈与に強い行政書士との対面無料相談を案内し、財産の引き継ぎ方や費用面について具体的なアドバイスを得られるようにご案内しました。
相談者は、夫名義の不動産を娘に生前贈与し、その後売却を考えていました。問題は、夫が物件から離れた場所に住んでいるため、名義変更の際の立会いが難しいことでした。娘はすでに不動産会社に査定を依頼済みで、名義人が現地に立会いせずとも売却可能かどうかをまず確認するようにとアドバイスを受けていました。
いい相続では、これらの手続きについて整理し、特に生前贈与に関する手続きや不動産売却の流れについて行政書士の無料相談を案内しました。生前贈与や名義変更に関する具体的な手続きについての理解を深め、次に進むべきステップを確認することができました。
相談者の方は、6年前に亡くなったお姉様と共有名義で所有している土地について、名義変更を希望されていました。お姉様には配偶者と複数の子供がいますが、甥の長男が手続きを任されており、相談者に贈与する形で名義を変更したいというお話でした。相続税は発生しないが、贈与税が心配という状況でした。
いい相続では、相続手続きと贈与の流れを整理し、オンラインでの相談が可能な行政書士事務所を案内しました。無料相談を通じて、具体的な手続きの流れや費用を確認し、次のステップに進むための準備を整えました。
相談者は、父親の相続において、相続税申告と不動産の手放しについて悩んでおられました。不動産は神奈川県と静岡県に複数所有しており、その評価額が不明であることが課題でした。また、遺言書は封がされており、家庭裁判所での手続きが必要かどうか不安がありました。兄弟での話し合いは問題なく進められそうですが、手続きの進め方に不安を抱いていました。
いい相続では、相続税申告の必要性を確認し、税理士による無料相談を案内しました。遺言書の内容確認を優先するよう提案し、不動産評価額の確認も含め、税理士と協力して進める方法を整理しました。まずは、税理士を通じた税申告の見積もり取得をお勧めし、次のステップとして必要な手続きについて案内しました。
相談者は、ご健在のお父様から「死後の準備を考えろ」と言われ、相続税申告の費用に不安を抱えていました。相続財産は不動産と現金・証券を合わせて2億円以上で、地元の会計士に相談したところ1.5%の手数料を提示され、高額に感じたとのこと。さらに、生前贈与に関する契約書がなく、相談すべきか悩んでいました。
いい相続では、税理士による無料相談を通じて、費用の見積もりや手続きの流れを確認するよう案内しました。特に、今後の生前贈与計画や契約書作成についても、専門的なアドバイスを受けることができるとご説明しました。
相談者は再婚同士で、実の長男に自宅不動産を確実に相続させたいと考えていました。相談者夫妻にはそれぞれ再婚前の子供がおり、財産分与を巡る不安があるようでした。また、相談者は高齢で足が悪く、妻は介護施設に入居中という状況で、相談は初めてとのことでした。
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相談者は父親の相続にあたり、相続税の申告が必要と感じていましたが、手続き方法が分からず困っていました。遺産には土地、不動産、生前贈与された車と建物、銀行預金、株式が含まれ、総額で5000万円を超える見込みでした。相談者は税理士に相談し、見積もりを希望していましたが、どのように進めて良いか分からず、具体的な手続きに不安を抱えていました。
いい相続では、相続税申告に必要な手続きを整理し、税理士との無料面談を通じて具体的な流れを確認するように案内しました。この相談を通じて、必要な書類や費用感の確認が進み、次に何をすべきかが明確になりました。
相談者は、30年前に亡くなった祖父の家屋を次男に相続させ、土地も次男に贈与したいと考えていました。家屋は祖父の名義のままで、土地は相談者と長女の配偶者の共有名義でした。相談者はこれらの名義変更を行いたいが、費用をできるだけ抑えたいと悩んでいました。また、贈与に関しては異なる手続きが必要であると理解していました。
いい相続では、家屋の相続手続きに必要な書類の整理を行い、次男への名義変更を進める方法を案内しました。贈与に関しては行政書士に確認するようアドバイスし、無料相談を通じて手続きの全体像を把握し、最適な専門家につなぐ準備をしました。
相談者は、東京都内の行政書士事務所で遺言書の作成と生前の相続対策について相談を希望されていました。特に不動産を含む財産に関する遺言の作成に関心がありましたが、具体的な内容は未定でした。また、名義変更についても不安を感じていましたが、行政書士では対応できないことを知り、司法書士を探す必要があることがわかりました。
いい相続では、遺言書の重要性や公正証書遺言の作成方法について整理し、無料相談での確認事項を案内しました。また、行政書士を通じて遺言書作成の具体的な手続きや必要書類、費用感についての理解を深めるお手伝いをしました。
相談者は93歳の父と要介護5の母が施設に入居している状況で、父の遺言書作成を検討していました。相談者には妹が一人おり、精神的な問題で生活に支障があるため、父に遺言書を書いてもらう必要性を感じていました。相続は未発生ですが、父が元気なうちに手続きを進めたいとのことでした。
いい相続では、相談者の意向を整理し、公正証書遺言の作成について行政書士の無料相談を案内しました。施設での対応も可能であることを確認し、今後の手続きの流れについて説明しました。
相談者は、愛知県に住む方で、父母の相次ぐ他界により相続が発生しました。相続対象には自宅と宮崎の田舎にある複数の土地が含まれており、特に宮崎の土地については将来的に贈与を考えているため、名義変更の手続きが必要でした。相談者はこれまで相続手続きを進めておらず、どのように進めればよいかが分からない状況でした。
いい相続では、遺産分割協議書作成と不動産名義変更の流れを整理し、行政書士と司法書士の専門家相談を案内しました。無料相談を通じて、具体的な手続きの進め方や贈与を含めた費用見積もりを確認することを提案しました。
相談者は、不動産を息子に名義変更したいと希望されていましたが、生前贈与には贈与税がかかることを知り、他の方法を模索していました。家族は妻と息子、娘がおり、特に息子への相続を希望していました。耳が遠いため電話での会話が難しく、直接会っての相談を希望されていました。
いい相続では、贈与税の負担を避けるために遺言書作成を提案しました。行政書士との無料相談を調整し、遺言書の具体的な内容や手続きの流れを確認するよう案内しました。これにより、希望する相続の形を整える一歩を踏み出しました。
相談者は、愛知県にお住まいの方で、実父の不動産を自身の子供に直接相続させたいと考えていました。しかし、別の事務所では遺言書が不要と言われたことから、遺言書の必要性について困惑されていました。相談者はシフト勤務のため、相談の時間調整が難しく、特に父が健在のうちにどのように準備を進めればよいかが分からない状態でした。
いい相続では、相談者のニーズに応じて、公正証書遺言の作成を含む生前対策について整理しました。行政書士を通じて、具体的な手続きの流れや費用について無料相談を案内し、最適な準備を進めるための第一歩としてご紹介しました。今後は、相談者とお父様の意向を確認しながら、具体的な手続きに進むことを提案しました。
相談者は叔母の遺産相続手続きに関する相談をいただきました。相続財産には、不動産、銀行預金、株式、生命保険が含まれており、遺言執行者としての役割も担っていました。特に生前贈与された金の扱いや、預金・株式で5~6千万円の相続財産評価が控除額を超える可能性があり、どのように申告を進めるべきか不安を抱えていました。
いい相続では、相続税申告をスムーズに進めるため、税理士による無料相談を案内しました。税理士は、生前贈与の影響や相続税の控除額を超えるかどうかの判断に関する具体的なアドバイスを提供し、安心して手続きを進められるようサポートしました。
相談者は祖父と祖母の生前相談を希望していました。両親を亡くし、叔母がいる状況で、祖父が遺言書を作成したいと考えており、生前贈与も視野に入れているとのことでした。財産としては不動産と銀行預金があり、山形県にある祖父母の不動産を中心に、相続に関する手続きを進めたいとのことでした。
いい相続では、行政書士との相談を案内し、遺言書の作成から生前贈与の可能性を含めて整理しました。贈与に関しては必要に応じて司法書士との連携も視野に入れつつ進めるよう案内しました。無料相談を通じて、手続きの全体像を把握し、次に進むべきステップを整理するお手伝いをしました。
相談者は、母の相続にあたり、相続税申告が必要か不安に感じていました。財産には不動産2件と預金があり、過去に生前贈与を受けていたため、相続税の基礎控除を超えるかもしれないと考えていました。相続人は兄弟で、遺言書はなく、話し合いは円滑に進む見込みでしたが、生前贈与の取り扱いに不安がありました。
いい相続では、相続税の申告が必要かを整理するために、まず相続税専門の税理士との無料相談を案内しました。これにより、財産評価や申告必要性を確認し、今後の手続きに向けた具体的な進め方を専門家と一緒に整理することができました。
相談者は独身の複数の叔父の財産を巡る相続対策に悩んでいました。叔父の一人は北海道に住み、土地と家屋を所有していますが、具体的な住所が不明なため手続きに手間取っていました。もう一人の叔父は沖縄に住み、土地と家屋がそれぞれ異なる名義であるため、生前贈与か相続のどちらが適切か判断に迷っていました。生前贈与による贈与税の負担を避けたいという希望もありました。
いい相続では、相談者に公正証書遺言の作成を提案し、叔父が沖縄に戻った際に相談者家族と共にサポートする流れを整理しました。行政書士を紹介し、遺言書作成の手続きや必要書類の取り寄せについて具体的なアドバイスをしました。無料相談を通じて、まずは遺言書の作成を優先することを確認しました。
相談者は大阪府在住で、所有する不動産を子供に生前贈与したいと考えていました。また、遺言書の作成についても不安を抱えていました。子供から名義変更を促されたものの、税金対策や手続きの具体的な方法が分からず、行政書士の助けを求めていました。相談者は財産として不動産の他に銀行預金や保険も持っており、将来の相続に備えたいという意向がありました。
いい相続では、相談者の希望に基づいて行政書士との無料相談を案内し、生前贈与と遺言書作成に必要な手続きや相続税の可能性を整理しました。相談を通じて必要な手続きや費用を確認し、安心して次のステップに進めるようサポートしました。
相談者は母親を亡くし、相続税申告が必要な状況でした。相続財産には、評価額が土地約345万円、建物約637万円の不動産と、複数の銀行預金が含まれていました。さらに、長年にわたり長女、次女、孫に年間110万円ずつ贈与していたため、生前贈与を考慮した相続税の申告が課題でした。
いい相続では、まず相続税申告の必要性を確認し、生前贈与や特例の適用について税理士による無料相談を案内しました。これにより、全体の手続きの流れや次に確認すべき事項を整理しました。
相談者は、母親の相続において相続税申告の必要性を検討していました。財産は銀行預金と証券、生命保険に加え、日本国債が少しある状況で、マンション購入時に生前贈与を受けた経緯もあり、相続財産の評価や税申告の要否について悩んでいました。また、遺品整理の進め方についても困っていました。
いい相続では、相続税申告の要否を含む財産評価の整理を行い、次に確認すべきこととして税理士への相談を案内しました。無料相談を起点に、相続手続きの全体像を把握し、専門家の支援が必要な部分を見極めることができました。