相続経験者が【遺産の調査が大変】と答えたケースの相続とは│実際に行った手続きや専門家への費用を大公開!

相続手続きで大変だったのは「遺産の中身や金額をはっきりさせること」と答えたケースの相続の特徴
- 50代〜60代が中心で、親の相続を担う世代が多い傾向。
- 相続の経験は「初めて」が59.94%と最多で、手続きの流れが分からず戸惑う人が目立つ。
- 相続財産の調査は36.1%が実施し、銀行解約や不動産の名義変更で苦労した人が多く見られた。
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相続手続きで大変だったのは「遺産の中身や金額をはっきりさせること」と答えた方の相続手続きでは、どのような課題があったのでしょうか。
本記事では相続人の構成、相続財産の種類、必要な手続き、専門家にかかった費用など、相続経験者へのアンケート結果から実態を解説します。
遺産の中身や金額をはっきりさせることが大変だった方の「利用した情報源」「相続財産の種類と割合」「専門家の依頼費用の相場」などが具体的にわかります。
これから相続手続きを進める方や準備を考えている方は是非参考にしてください。
目次
相続手続きで最も大変だったことランキング
今回のアンケート中、相続を経験して大変だったことは何だったか?との問いに対しての回答は、以下のランキングとなりました。
-
- 必要な書類が多かったこと・・・48.10%
- 手続きのために時間が取られたこと・・・35.43%
- 手続き先が複数あること・・・30.43%
- 何をどう進めるべきかを理解するための情報収集・・・30.38%
- 遺産の中身や金額をはっきりさせること・・・19.40%
- 相続人同士の連絡・同意を得ること・・・18.97%
- 書類の書き方が難しかったこと・・・16.68%
- 金銭的な負担が発生したこと・・・16.30%
- その他・・・6.68%
※この設問は複数選択が可能なため、各回答の割合を合計すると100%を超えることがあります。ご了承ください。
相続手続きで多くの人が苦労したのは「必要な書類が多かったこと」(48.10%)でした。戸籍謄本や遺産分割協議書など、必要書類が多岐にわたり、取得にも時間がかかることが負担となっています。次いで「手続きに時間が取られたこと」(35.43%)、「手続き先が複数あること」(30.43%)と続き、金融機関や役所などへの対応の煩雑さが浮き彫りになりました。
ここからは、5番目に多かった「遺産の中身や金額をはっきりさせること」(19.40%)が大変だったと回答した方について詳しくみていきます。
遺産の調査が大変だったと回答した人の属性
年代別の傾向
年代別に見ると、60代(34.17%)が最多で、次に50代(24.65%)、70代(23.53%)、40代(15.41%)、80代(2.24%)という順番でした。近年では親が80代〜90代で亡くなるケースが多く、実際の相続手続きをするのが50代〜60代になることが一般的な世代であり、このゾーンにボリュームが集まったものと考えられます。
誰の相続だったか
被相続人(亡くなった人)は、父・母(79.83%)が大部分を占めました。このことから、子どもが相続人となり、相続のための手続きをおこなった結果、遺産の調査が大変だったという回答が多いことが考えられます。
法定相続人は誰?法定相続分はどういう配分?気になる方は「法定相続分と法定相続人|法定相続人の相続順位や法定相続分の計算方法」へ!
相続の回数
相続の経験については、「初めて」(59.94%)との回答が最多でした。初めての相続は、何をすればよいのか、どこに相談すればよいのか分からず苦労する人が多いと考えられます。2回目(33.33%)の相続でも一定数いることから、1回目の経験があっても、以前の相続から時間が経っていたり、相続する財産の種類や相続人の関係性が異なるため、難易度が変わり、同じ手続きがスムーズに進まない可能性があることが推測されます。
相続財産の額
遺産の調査が大変だったと回答した人の相続財産の総額については、1,000万円~2,000万円(28.0%)が最多でした。次に2,000万円~3,000万円(14.0%)、
相続財産の種類
相続財産の種類として最も多かったのは現金・預貯金 (86.8%)でした。複数の銀行口座が存在し、どの銀行にどれだけの資産があるか不明だった場合に調査が大変になる可能性があります。 次いで、土地・建物 (77.3%)の割合が高い結果となりました。権利関係が複雑であったり未登記物件が存在する場合も手続きが難航する場合があります。ほか、生命保険(36.1%)、株・投資信託(28.9%)、山林・農地(17.4%)、自動車(10.6%) も相続財産として一定の割合を占めています。一方、電子マネー(2.0%)、仮想通貨(1.7%) は本アンケートでは少数派でしたが、近年のデジタル資産の増加に伴い、今後相続時の手続きの複雑さが課題になる可能性があります。※この設問は複数選択が可能なため、各回答の割合を合計すると100%を超えることがあります。
相続財産はどういうものをいうのだろう?気になる方は「相続財産になるもの・ならないものを一覧でわかりやすく解説」へ
遺産分割の方法
遺産分割の方法について、最も多かったのは遺産分割協議で分けた(49.3%) でした。次いで、法定相続分で分けた(36.4%) が多い結果となりました。一方で、遺言書通りに分けた(6.7%) は比較的少なく、遺言書を用意している相続が少ないことが推測されます。また、揉めていて進んでいない(2.2%)、裁判に発展したケース(1.4%) もあり、一部では相続トラブルが発生していることがわかります。相続財産の全容が不明なままでは遺産分割は進められないため、財産の調査は相続において非常に重要な作業です。
遺産分割には法律上のルールがある!「遺産分割とは?遺産分割協議の準備からやり方、トラブルを防ぐためのポイント」
遺産の調査が大変だったと回答した人が実際におこなった手続き
遺産の調査が大変だったと回答した人はどんな方法で情報を取得し、手続きをおこなったのか詳しくみていきたいと思います。
利用した・役に立った情報源
遺産の調査が大変だったと感じた人の情報収集方法では、インターネット検索(33.9%)が最も多く、相続に関する知識がない人がまず「検索」で情報収集を始める傾向が強いと考えられます。司法書士(24.4%)や税理士(23.5%)の利用者も多く、財産が複雑だったり、相続手続きが難航した際にサポートを求めるケースが多いと考えられます。このほか、金融機関(23.0%)や市区町村の窓口(20.4%)といった公的機関も多く利用されています。さらに、家族・親戚(21.0%)の助言を参考にする人も多く、煩雑な手続きに対応するため多様な情報源が活用されていることがうかがえます。
実際の手続き
遺産の調査が大変だったと回答した人が実際におこなった相続手続きは、銀行解約・名義変更(60.2%)が最も多く、次いで遺産分割協議(57.7%)や戸籍収集(52.7%)、不動産の名義変更(52.4%)が続いています。相続財産の調査(36.1%)も大きな負担になっていたことがわかります。相続人調査(17.6%)や遺言書の検認(11.8%)の割合は比較的少ないものの、特定の状況では必要となり、難しい手続きと感じることがあるようです。こうした手続きをスムーズに行うためには、財産の整理や家族間での情報共有が重要です。※この設問は複数選択が可能なため、各回答の割合を合計すると100%を超えることがあります。
遺産の調査が大変だったと回答した人が実際に依頼した専門家と費用
遺産の調査が大変だったと回答した人はどんな専門家に手続き依頼し、またどのくらいの費用がかかったのかを詳しく見ていきます。
依頼した専門家
専門家に依頼した場合、最も高いのが「司法書士」(24.8%)でした。次に「税理士」(22.0%)、「行政書士」(13.5%)、「弁護士」(6.3%)と続きました。32.0%が専門家に依頼しなかったことから、約3人に2人が専門家に何らかの手続きを依頼していることがわかります。
相続手続きは専門家に頼める!「遺産相続手続き代行サービスのおすすめは?自分で評判・口コミでの選び方や費用の見方のポイント」
専門家に依頼した内容
不動産の名義変更(53.0%)と遺産分割協議書の作成(51.6%)の依頼が最も多いことがわかりました。相続財産目録の作成(42.0%)や相続税の申告(42.0%)、相続財産の調査(31.5%)の依頼も多く、相続財産の全容把握や財産評価が難しい場合、専門家のサポートを利用しているようです。戸籍収集(24.2%)や銀行解約・名義変更(26.9%)は相続人自身で進めることも可能なため、比較的専門家への依頼が少ない傾向が見られました。※この設問は複数選択が可能なため、各回答の割合を合計すると100%を超えることがあります。
専門家に支払った金額
10万円~20万円(14.01%)の支払いが最も多く、10万円未満(7.28%)がそれに続きました。50万円以上の費用を支払った人の合計は約23%で、うち、100万円以上(8.96%)の割合も一定数存在し高額な費用を支払ったケースも見られ、費用の幅が広いのが特徴です。複数の不動産や多くの預貯金が絡む場合、不動産の名義変更や相続税申告などで時間と手間がかかり費用が高額になりやすいため、相続財産の整理や情報の共有を生前から行うことで、専門家への依頼範囲を絞り、費用を抑えることができます。
遺産の調査が大変だったと回答した人の自分の相続対策
遺産の調査が大変だったと回答した人の自分の相続対策への意向について、とても考えるようになった(46.22%)、少し考えるようになった(39.50%)と、合わせて約85%の人が相続対策を考えるようになったことがわかりました。
遺産の調査を経験したことで、自分の相続の際には家族が困らないように、事前に整理・対策をしておこうと考えるようになった人が多いと考えられます。
具体的にどんな相続対策を検討したいかとの問いに対して、遺言書作成を検討(35.57%)が最も多く、次に不動産の整理や活用(29.69%)、生前贈与の検討(28.57%)、生前贈与の検討(28.57%)と続き、財産の具体的な引き継ぎ方法に関する対策が重視されていることがわかります。
一方で、家族信託(9.80%)や成年後見(7.84%)などの長期的な財産管理策は、関心がまだ低めであるものの、今後の高齢化社会では重要性が増していくと考えられます。※この設問は複数選択が可能なため、各回答の割合を合計すると100%を超えることがあります。
まとめ
相続は、相続財産の種類や、相続手続きの進め方やかかる時間、費用も人それぞれです。もちろん、相続に対する考え方も違います。
本調査では、相続手続きの流れや必要な手続きを把握するのが難しく苦労し、時間がとられたとの回答が多くありました。専門家への依頼も手続き内容によって大きく異なりました。
相続手続きをスムーズに進めるためには、その人その人の状況に応じた対策が必要となります。
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40代 | 13.4% |
50代 | 24.4% |
60代 | 38.1% |
70代 | 22.4% |
80代 | 1.7% |
北海道・東北 | 15.1% |
関東 | 22.0% |
中部 | 20.8% |
関西 | 15.7% |
中国・四国 | 13.4% |
九州・沖縄 | 13.0% |
会社員 | 19.9% |
経営者・役員 | 4.0% |
公務員 | 4.3% |
派遣・契約社員 | 6.1% |
自営業・自由業 | 10.0% |
専業主婦/主夫 | 16.2% |
パート・アルバイト | 11.9% |
無職 | 26.6% |
その他 | 0.9% |
配偶者 | 6.9% |
父・母 | 82.4% |
祖父・祖母 | 2.7% |
兄弟・姉妹 | 3.7% |
叔父・叔母 | 3.1% |
子 | 0.5% |
甥・姪 | 0.1% |
いとこ | 0.1% |
その他 | 0.6% |
1人 | 11.4% |
2人 | 34.8% |
3人 | 36.4% |
4人 | 11.9% |
5人以上 | 5.5% |
1,000万円未満 | 13.2% |
1,000万円以上~2,000万円未満 | 33.6% |
2,000万円以上~3,000万円未満 | 13.0% |
3,000万円以上~4,000万円未満 | 10.6% |
4,000万円以上~5,000万円未満 | 5.4% |
5,000万円以上~8,000万円未満 | 9.2% |
8,000万円以上~1億円未満 | 2.4% |
1億円以上2億円未満 | 8.1% |
2億円以上 | 0.9% |
無回答 | 3.7% |
調査期間 | 2024/12/16~2024/12/26 |
調査対象者 | 過去4年以内に手続きを経験された方(現在手続き中の方も含む) |
調査方法 | インターネット調査 |
有効回答数 | 1,851名 |
調査主体 | いい相続(株式会社鎌倉新書) |
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