相続経験者に聞いた【司法書士に依頼】した人の相続とは│実際に行った手続きや専門家の費用などを大公開!

司法書士に依頼した人の傾向
- 相続財産は1,000万~2,000万円が最も多く、特に不動産を含む相続が目立った
- 相続人は2~3人が中心で、少人数の中で話し合いによる分割が行われる傾向
- 司法書士へ依頼した手続きは不動産の相続登記が最多
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相続は、相続財産の種類や、相続手続きの進め方やかかる時間、費用も人それぞれです。
本記事では相続人の構成、相続財産の種類や金額、専門家にかかった費用など、相続経験者へのアンケート結果から実態を解説します。
アンケート結果で、司法書士に依頼したと答えた方の相続手続きではどのような課題があったのでしょうか。
相続の準備や、家族での話し合いを始めるきっかけとして役立つ内容です。ぜひご活用ください。
※回答に一部、矛盾が見られますが、回答者の主観的認識・誤入力の可能性もあるため、該当件数は参考値として扱いました。
司法書士に依頼した人の相続財産の金額と内容
相続財産の総額
司法書士に依頼した人の相続財産の総額で最も多かったのは「1,000万円~2,000万円」(35.5%)で、全体の3人に1人以上を占めました。次いで「2,000万円~3,000万円」(14.1%)、「5,000万円~8,000万円」(10.5%)、「3,000万円~4,000万円」(9.3%)が続き、比較的まとまった財産を相続した人が多い傾向が見られます。
一方、「1,000万円未満」(8.1%)や「4,000万円~5,000万円」(7.4%)といった層も一定数存在しており、必ずしも高額な財産に限らず、さまざまな規模の相続で司法書士が利用されていることがわかります。
さらに「1億円~2億円」(8.6%)や「2億円以上」(0.9%)といった高額帯の相続も確認でき、中~高額層に加え、規模にかかわらず手続きの専門性を重視して司法書士に依頼するケースが幅広く存在していることが特徴です。
相続財産の内容
司法書士に依頼した人の相続財産として最も多かったのは土地・建物(85.2%)で、次いで現金・預貯金(71.0%)が続きました。特に土地・建物の割合が非常に高く、相続登記など不動産に関する手続きで司法書士が多く利用されている傾向があると考えられます。
また、生命保険(26.4%)や株などの金融商品(13.5%)も一定数存在しており、財産の種類は幅広いものの、全体的には不動産と現金が中心となっている様子がうかがえます。
山林・農地(15.6%)や自動車(8.6%)も相続財産に含まれていましたが、割合は比較的低めでした。電子マネー(1.2%)や仮想通貨(0.7%)といったデジタル資産はごくわずかであり、現時点では相続対象としては少数にとどまっています。※なお、この設問は複数回答が可能なため、各項目の割合の合計は100%を超えています。
遺産分割方法
司法書士に依頼した人の中で、最も多かった分割方法は「遺産分割協議で分けた」(48.2%)でした。次いで「法定相続分で分けた」(36.2%)が続き、これら二つの方法で全体の8割以上を占めています。「遺言書通りに分けた」(6.7%)は比較的少なく、司法書士に依頼するケースでは、相続人同士で話し合って分ける方法が主流となっていることがわかります。
一方で、「揉めていて進んでいない」(3.0%)や「裁判」(0.9%)といった争いに発展したケースは少数にとどまっていました。
相続人の数
司法書士に依頼したケースでは、相続人が3人(35.50%)という割合が最も高く、全体の約3分の1を占めています。次いで2人(34.45%)が多く、これらを合わせると約7割を占めており、2~3人で相続を行うケースが一般的であることがわかります。
一方で、相続人が1人(10.37%)や4人(13.01%)、5人以上(6.68%)といったケースも存在しており、相続人の人数にかかわらず司法書士がサポートに関わる場面があることがうかがえます。
司法書士に依頼した手続きと費用
依頼した手続き
司法書士に依頼した手続きで最も多かったのは不動産の名義変更(相続登記)(70.7%)でした。次いで、遺産分割協議書の作成(41.1%)、戸籍収集(31.6%)、相続財産目録の作成(26.7%)、相続関係説明図の作成(26.5%)と続きました。
また、相続財産の調査(21.1%)や銀行解約・名義変更(17.9%)、証券会社の解約・名義変更(7.0%)、遺言書の検認(6.0%)、家族信託手続き(2.8%)などを行った人も見られました。※なお、この設問は複数回答が可能なため、各項目の割合の合計は100%を超えています。※回答に一部、矛盾が見られますが、回答者の主観的認識・誤入力の可能性もあるため、該当件数は参考値として扱いました。
専門家に支払った金額
司法書士に依頼した人が専門家に支払った費用で最も多かったのは「10万円~20万円」(29.00%)でした。次いで「10万円未満」(21.27%)、「20万円~30万円」(15.82%)が続き、10万円~30万円未満の範囲に収まった人は全体の約66%に達しています。さらに、「30万円~40万円」(9.84%)、「40万円~50万円)(7.56%)や「50万円~60万円」(4.75%)までを含めると、50万円未満で費用を抑えた人が全体の約83.4%となり、司法書士に依頼するケースでは比較的負担の軽い費用感が一般的であることがわかります。
一方で、「60万円~100万円未満」の層(0.88%~1.41%)や「100万円以上」(6.15%)といった高額帯の支払いも一部存在しており、相続内容や依頼範囲によっては費用が増加するケースも見受けられます。
手続きにかかった期間
司法書士に依頼した人のうち、相続手続きの完了までにかかった期間で最も多かったのは「3か月未満」(32.34%)でした。次いで「3か月~6か月未満」(30.58%)が続いており、半年以内に手続きを終えた人が全体の約63%を占めています。
「6か月~9か月未満」(13.18%)や「9か月~1年未満」(10.02%)といったケースも一定数ありましたが、比較的スムーズに完了している人が多いことがわかります。
一方で、「1年~1年半未満」(3.87%)、「1年半~2年未満」(2.99%)、「2年以上~3年未満」(1.41%)、「3年以上~5年未満」(2.11%)、「5年以上~10年未満」(1.23%)、「10年以上」(2.28%)といった長期化したケースも計13.9%存在しており、案件によっては完了までに数年かかる場合もある実態が見られました。
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司法書士に依頼した人の相続の後悔
大変だったこと
司法書士に依頼した人の中で、相続手続きにおいて最も多くの人が困難を感じたのは「必要な書類が多かったこと」(42.9%)でした。次いで「手続きのために時間が取られたこと」(33.9%)、「何をどう進めるべきかを理解するための情報収集」(29.3%)が続き、手続きに伴う書類の多さや時間的負担、情報収集の難しさが主な悩みとして挙げられています。
また、「手続き先が複数あること」(26.7%)や「金銭的な負担が発生したこと」(24.1%)、「相続人同士の連絡・同意を得ること」(21.8%)も比較的多く、実務上の煩雑さや費用負担、人間関係の調整といった側面でも課題があったようです。
一方で、「書類の書き方が難しかったこと」(13.9%)や「遺産の中身や金額をはっきりさせること」(18.8%)についても一定数の声があり、細かい部分での実務対応や財産整理の難しさに悩んだ人もいたことがうかがえます。※なお、この設問は複数回答形式のため、各項目の割合の合計は100%を超えています。
生前にやっておけばよかったこと
司法書士に依頼した人の相続に関して生前にやっておけばよかったことについては、「生前元気なうちに、相続について相談しておけばよかった」(21.09%)が最も多く、次いで「日頃から相続についてもっと勉強しておくべきだった」(17.57%)、「財産を記録しておく、通帳の置き場所を決める等まとめておいてもらえばよかった」(15.29%)が続きました。これらの結果から、事前に相続の話し合いや情報整理をしておかなかったことに後悔を感じる人が多かったことがわかります。
また、「正式な遺言書を作成してもらえばよかった」(9.49%)、「生前贈与をしてもらえばよかった」(8.26%)、「相続税対策をしておけばよかった」(8.96%)といった財産管理や節税対策に関する声も一定数見られました。さらに、「家系図などで家族関係をまとめておいてもらえばよかった」(4.39%)や「認知症の家族に後見人をつけておけばよかった」(2.99%)といった家族関係や判断能力低下への備えを求める意見も挙がっています。
一方、「特にない」と回答した人は48.68%に上り、手続き後に特段の対策を必要と感じなかった人も多く存在していました。※なお、この設問は複数選択形式のため、回答の合計は100%を超えています。
相続対策への意識
司法書士に依頼した人の自分の相続対策への意向について、「少し考えるようになった」(44.29%)、「とても考えるようになった」(38.14%)と回答した人を合わせると、全体の約82.4%が相続対策を意識するようになったことがわかります。
この結果から、実際に相続手続きを経験したことで、自分自身の相続時には家族に負担をかけないよう、事前に準備をしておこうと考える人が多くなっている様子がうかがえます。
一方で、「どちらともいえない」(11.42%)や「考えていない」(6.15%)という回答も一定数見られ、すべての人が強く行動意欲を持っているわけではないものの、多くの人が今回の経験をきっかけに将来の備えを意識し始めている傾向が見られました。
まとめ
以上、司法書士に依頼したと答えた方のアンケート回答について解説しました。
相続は、相続財産の種類や、相続手続きの進め方やかかる時間、費用も人それぞれです。もちろん、相続に対する考え方も違います。また、専門家への依頼も相続財産の内容や手続きによって大きく異なります。
相続手続きをスムーズに進めるためには、その人その人の状況に応じた対策が必要となります。
いい相続では、相続手続きに関する無料相談ができる全国の専門家とご案内しています。相続に関するお悩みはぜひお気軽にご相談ください。
40代 | 13.4% |
50代 | 24.4% |
60代 | 38.1% |
70代 | 22.4% |
80代 | 1.7% |
北海道・東北 | 15.1% |
関東 | 22.0% |
中部 | 20.8% |
関西 | 15.7% |
中国・四国 | 13.4% |
九州・沖縄 | 13.0% |
会社員 | 19.9% |
経営者・役員 | 4.0% |
公務員 | 4.3% |
派遣・契約社員 | 6.1% |
自営業・自由業 | 10.0% |
専業主婦/主夫 | 16.2% |
パート・アルバイト | 11.9% |
無職 | 26.6% |
その他 | 0.9% |
配偶者 | 6.9% |
父・母 | 82.4% |
祖父・祖母 | 2.7% |
兄弟・姉妹 | 3.7% |
叔父・叔母 | 3.1% |
子 | 0.5% |
甥・姪 | 0.1% |
いとこ | 0.1% |
その他 | 0.6% |
1人 | 11.4% |
2人 | 34.8% |
3人 | 36.4% |
4人 | 11.9% |
5人以上 | 5.5% |
1,000万円未満 | 13.2% |
1,000万円以上~2,000万円未満 | 33.6% |
2,000万円以上~3,000万円未満 | 13.0% |
3,000万円以上~4,000万円未満 | 10.6% |
4,000万円以上~5,000万円未満 | 5.4% |
5,000万円以上~8,000万円未満 | 9.2% |
8,000万円以上~1億円未満 | 2.4% |
1億円以上2億円未満 | 8.1% |
2億円以上 | 0.9% |
無回答 | 3.7% |
調査期間 | 2024/12/16~2024/12/26 |
調査対象者 | 過去4年以内に手続きを経験された方(現在手続き中の方も含む) |
調査方法 | インターネット調査 |
有効回答数 | 1,851名 |
調査主体 | いい相続(株式会社鎌倉新書) |
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