広島のあらゆる困りごとを解決。子どもからお年寄りまで頼りにされる弁護士
「受容と共感を大事にしています」と依頼者の話を親身に聞いてくれる門脇 慧先生。丁寧に話を聞きつつ、依頼者のストレスを軽くするためスピーディーな解決を心掛けているそうです。
相続問題だけでなく消費者問題や法教育など、多世代の生活をより良くするため幅広く活動されているそう。今回は、注力分野や弁護士を目指したきっかけ、事務所のある広島の魅力などを伺いました。
目次
他士業との連携で、相続問題を円滑に解決
―遺産相続の案件は、どのくらいありますか?
相続問題は全体の半分くらいですね。街弁(街の弁護士)なので、相続だけでなく交通事故や離婚問題などあらゆる相談が来ますよ。分野にこだわらず対応できるものに応じています。
相続の依頼でなくても、結果として相続が絡むことは多いと思います。生前贈与や遺言書など、被相続人が亡くなる前も含めて相続ですから。案件もひとつとして同じものはありません。離婚後の相続権や養子縁組で揉めるケースもあります。
あと、他の士業から相続案件を紹介されることもあります。逆にこちらからお願いすることも。相続税のことは税理士、登記のことは司法書士ですね。
他士業と提携することで早期の解決に繋がることも多いです。懇意にしている税理士は勉強会で出会いました。士業同士の交流会などもあるんですよ。
私はできるだけ早く問題解決に導きたいと思っているんです。相続トラブルは依頼人にとって結構な負担ですから。
―弁護士業務のほかに、精力的に活動していることはありますか?
そうですね、弁護士業務に支障のない範囲で消費者問題や子どもの権利・法教育にも取り組んでいます。
消費者問題は、振り込め詐欺やキャッチセールス、マルチ商法などの解決です。消費者委員会に入っているので、根本的な原因の解決や事例研究などを行っていますね。
あと、子どもの法教育にも関わっています。広島弁護士会法教育委員会の委員長もしてますよ。小学校や高校に行って法律に関する授業を行っています。
小学校ではいじめの予防対策の授業を行い、高校では模擬裁判をしましたね。もちろん、小学生と高校生では取り扱う内容が異なりますから、いろいろと工夫を凝らして、生徒自身に考えてもらえるようにしています。
日本は法教育が少ないと思っています。子どもの間は親に守られているけど、大人になった途端、仕事や家庭のトラブルに直面する。そのときに制度や法律のことを調べても遅いですから。子どものうちからもっと法律に触れてほしいです。
争点が多岐にわたる遺産分割の解決事例
遺産分割が複雑化した事例は少し大変でした。兄弟間に争いがあり、寄与分、特別受益、さらには土地の分割など争点が多岐に渡っていたので、まずはひとつ一つ問題を紐解いていきました。
寄与分とは「長年被相続人の世話や介護をしてきたので、遺産を多く分けてくれ」のような被相続人に特別な貢献をしたとして、相続分以上の財産を取得できる制度ですね。
また特別受益とは、被相続人から生前贈与を受けていたり、遺言書によって遺産を多くもらうことです。
土地の分割も大変でした。土地ってそもそも分割しづらい財産ですからね。土地の分割の仕方、先に土地を売って現金にするかなど、決める内容がいろいろありますから。それに固定資産税がかかってきたり、相続登記の手続きも必要になります。相続放棄するにしても、その手続きが必要ですからね。
相続放棄は、相続の開始から3ヶ月以内に手続きを行う必要があります。それが過ぎてしまうとちょっと難しい。相続の開始を知らなかった場合など、きちんと説明することで相続放棄の期限を延期してもらえる場合もあります。
こちらの案件は調停が成立せず、審判まで移行しました。それぞれの争点に対して丁寧な主張をすることで、最終的には不満の残らない分割を実現することができました。
―弁護士に相談するタイミングも重要になってきますね。
相続に関して言うと、早く弁護士に相談したほうが良いですね。何をしたいかにもよりますが。
「遺言書を作りたい」という場合でも、早めが良いですよね。遺言書を作っている最中に亡くなることもありますから。それに認知症になってしまうと、「遺言書が無効だ」と主張されかねません。
また、遺言書を作ることで相続人トラブルを未然に防げますよね。揉め事が起こってからだと、相続人の負担が大きくなってしまいます。
先ほど述べたように、相続放棄など期限が決まっている手続きもあるので、そこは注意ですね。「揉めそうかも…」と思ったら相談に来てもらえればと思います。そうすればアドバイスができますから。
広島のまちに魅せられて、この地で弁護士活動をすると決めた
―弁護士を目指したきっかけを教えてください。
そうですね…なんとなく大学で法学部に入って、そのときはまだ弁護士を目指してなかったんです。
大学3年生になって、司法試験合格者が毎年3~4人出るようなゼミに入りました。100人規模の大きなゼミで、その先輩の弁護士への熱意がすごかったんです。法律がある目的、果たすべき役割などを改めて知りました。
その話を聞くうちに、自分も同じように弁護士を目指したいと思いました。1年のときから弁護士の勉強は一応していたので、ロースクールに通って、司法試験に合格することができました。
今年で弁護士になって10年目です。弁護士のなかでは若い方ですが、弁護士の仕事に誇りをもっていますし、皆さんのお役に立てることがとても嬉しいです。
―門脇先生は広島の弁護士事務所に所属していますが、こちらは地元ですか?
いえ、地元は千葉です。司法試験に合格したときは、関東に就職するつもりでした。弁護士は司法試験に合格すると1年間司法修習を受けるのですが、それが広島に決まったんです。
司法修習の際に一応希望を出せるんですが、希望地のひとつとして広島を書いて通りました。広島を書いたのは西のほうに住んでみたかったのと、広島カープのファンだったので。
司法修習を広島で受けて、そのまま広島に就職しました。広島好きです。休日に宮島に行ったりもします。
―広島の良いところは何ですか?
そうですね、まず食べ物が美味しいです。お好み焼きや牡蠣、汁なし担々麺も美味しいです。山も海もあるので、いろいろなものが食べられます。
それに広島はコンパクトシティと言われますよね。街がぎゅっと短縮されていて、必要な施設が近くある。住みやすい街だと思います。
「受容と共感」を意識して、依頼者の気持ちを理解する
―相談者と話すときに、心掛けていることはありますか?
僕は「受容と共感」を大事にしていますね。相談に来てくださった人のお話は否定せず、最後まで聞くようにしています。
相談を受けるなかで「どうしてそうなんだろう」と思うときもあります。もちろん口には出しませんよ。そのときに「大変でしたね」と理解を示すことが大切だと思っています。
その一方、相続の問題ではすべて共感するのは良くない場面もあります。
相続問題には感情的な対立が多いです。長年の恨みが積もっているので、相手の人格を攻撃するような発言が出てくることもあります。
それにストップをかけるのも弁護士の仕事だと思っています。相談者の立場を尊重しつつ、弁護士はあくまで冷静でいることです。
相談者と一緒になって攻撃する弁護士もいますが…わざわざ禍根を残す必要はありませんから。
あと、はじめに見通しを立てることも重要です。案件のすべてが勝てるわけではありません。勝ち目のないときもあります。負けるのがわかっているときは始めに話します。そこで繕ってもしょうがないですから。「上手く負ける」作戦を練ることも必要です。主張がすべて通らなくても、もらえる遺産がないか調査したりします。
相談者を検討している人へのメッセージ
―相談を検討している人に向けて、メッセージをお願いします。
早めに弁護士に相談しておくのが最善かと思います。病院もそうですよね、早期に対策しておくことでトラブルを防ぐことにつながります。
「弁護士は敷居が高い」と思う人も多いかと思いますが、ちょっとした相談でもかまいませんので、ぜひお話に来てくださいね。
―大変参考になりました。ありがとうございました。
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