孫への不動産相続で生前贈与か遺言書か迷う
相談者は、80代の父親が所有する複数の不動産を子や孫に相続させるための方法に悩んでいました。父親は遺言書の作成を考えているものの、生前贈与が適しているのかも分からず、専門家の意見を求めていました。預貯金は少なく、主な財産は不動産であるため、適切な相続対策が必要でした。
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相続において「特別受益」というものが重要になる場合があります。これを耳にしたことはあっても、詳しく理解している人は少ないでしょう。
「特別受益」とは、被相続人(亡くなった人)から一部の相続人に贈与された特別な利益(生前贈与や遺贈、死因贈与で受け取った利益)をいいます。
このような贈与は、相続開始の際に相続財産と合算したうえで各相続人の相続分を決めなければなりません。今回は特別受益となる財産や、特別受益を受けた場合の計算方法などを解説します。
目次
特別受益とは、一部の相続人が故人が亡くなる前に受け取った特別な利益です。
一部の相続人のみが多額の贈与を受けていた場合、それを考慮せずに遺産分割をすると他の相続人は「不公平だ」と感じるでしょう。場合によっては、親族間のトラブルにもなりかねません。
特別受益は、このような争族の原因を取り除くために設けられた制度です。
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特別受益の対象となる贈与は、生前贈与、遺贈、死因贈与です。具体的には以下のとおりです。
しかし生前贈与が特別受益となるかどうかは、被相続人の収入や社会的地位、教育水準や生活状況などによっても判断される場合があります。「遺産の前渡しと言えるかどうか」が判断のカギになりますが、意見が分かれる場合は専門家に相談してみても良いでしょう。
生前贈与のすべてが特別受益に該当するわけではありません。以下の贈与が特別受益にあたるとされています。
結婚の際の持参金や支度金、嫁入りのための道具など、婚姻のための贈与は特別受益に該当します。これらは相続財産の前渡しとみなされるからです。
しかし、結婚式費用や結納金などの少額の金銭は特別受益に含まれない場合もあります。
養子縁組には普通養子縁組と特別養子縁組がありますが、実親が養子に持参金を贈与したとき、この贈与は特別受益の対象となります。
生計の資本としての贈与とは、親から独立して生活を営んでいる子どもなどへの多額の贈与をいいます。
例えば住宅購入のための贈与や、事業のための資金贈与など、扶養の範囲を超える金銭の贈与が特別受益となります。
また、居住用の不動産そのものの贈与も特別受益にあたります。ただし、配偶者間の居住用不動産の遺贈または贈与は、持ち戻し免除の意思表示があったと推定することとして、原則として持ち戻ししなくても良いことになりました(特別受益の持ち戻しについては後述)。
大学の学費は、場合によっては特別受益になり、その家庭や社会の状況などから総合的に判断されます。
遺贈とは、遺言書によって財産を無償で譲ることです。遺贈によって受け取った財産は、原則として特別受益の対象となります。
死因贈与とは、贈与者が生前、「私が死んだらあなたに●●を贈与します」と特定の人(受遺者)と契約したものをいいます。双方の合意によって成立する契約行為です。この受遺者が相続人であれば特別受益になります。
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上記のような生前贈与で特別受益が認められた場合、相続時には贈与された金額を相続財産に足して、遺産分割の計算をすることを「特別受益の持ち戻し」といいます。
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特別受益があった場合、原則としては持ち戻しをされますが、「特別受益の持ち戻し免除」の規定もあり、以下の2つの場合においては特別受益の持ち戻し免除が認められています。
被相続人の遺言書で「◯◯(相続人の名前)に生前贈与をしたが、これを相続財産に持ち戻して、遺産分割の計算をすることはしないでほしい」などと明確に意思表示がされている場合、特別受益の持ち戻しをしなくて良くなります。
このとき、意思表示の形式などは定められていません。遺言書や贈与契約書に記載するか、別の方法でも問題ありません。
おしどり贈与とは、婚姻期間が20年以上の夫婦の間で居住用不動産の贈与があった場合に、2,000万円まで贈与税の対象から控除される制度です。贈与税の配偶者控除とも呼ばれます。
贈与税の基礎控除(年間110万円)とも併用できるため、最大2,110万円まで贈与税がかかりません。
改正民法によって、このおしどり贈与について特別受益に持ち戻さなくてもよいこととなりました。
特別受益があった人を「特別受益者」と言います。しかし贈与を受けた人すべてが特別受益者になるわけではありません。被相続人との関係によって特別受益者になれる人が決まっています。
特別受益者に該当するかは、生前贈与等がおこなわれた時点において、贈与等を受けた者が推定相続人であったか否かによって判断します。推定相続人とは相続人となる予定の人です。
したがって、祖母から孫(相続人ではない)の贈与は、原則、特別受益には該当しません。
前述のとおり、特別受益の対象となる人は相続人に限られます。ただし、相続人以外の人におこなわれた多額の贈与が相続財産の一定以上なら、相続人はその人に対し「遺留分侵害額請求」をすることができます。
遺留分とは、一定の相続人に対して、遺言によっても奪うことのできない遺産の一定割合の留保分のことです。
▼相続手続きは一人で悩まず専門家に相談しましょう▼以下の金銭については、特別受益にあたらないとされています。しかし金額や生活状況によっては特別受益とみなされる場合もあります。
被相続人の土地などを無償で利用(使用貸借)している場合、「実務上は特別受益と判断されない」というケースが多いようです。
生命保険金(死亡保険金)は、受取人固有の財産になり、遺産分割の対象にもなりません。そのため、原則として特別受益には該当しません。
ただし、被相続人の財産の大部分が生命保険であったり、その金額が多すぎる場合は、特別受益に準じて、持ち戻しを行うことがあります。
死亡退職金も、生命保険金と同様に受取人固有の財産であり、遺産分割の対象でもないため特別受益にはあたりません。しかし相続人の一部が多額に受け取ったり、場合によっては特別受益とみなされる可能性があります。
ただし他の相続人から「特別受益ではないか?」と聞かれたときに判断に迷うようであれば、専門家に相談したほうが良いでしょう。
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相続人に特別受益者がいる場合、以下のように相続分を計算します。
【みなし相続財産 = 相続財産 + 特別受益分】
みなし相続財産とは、「故人が持っていた財産以外でも、相続財産の対象とみなす財産」のことです。特別受益の持ち戻しの計算には、遺産分割の対象となる【相続財産+特別受益分】として総額を計算します。
みなし相続財産が求められたら、その総額を相続人で分割します。
特別受益者の相続分は、②の相続分から自身が受け取った特別受益額を引いて求めます。
▼相続手続きは一人で悩まず専門家に相談しましょう▼遺産分割協議が終わった後に特別受益が発覚した場合、遺産分割協議のやり直しもしくは遺留分侵害額請求をするかの選択になります。
既に合意された遺産分割協議を再度行うのは、なかなか骨が折れる行為です。また遺留分侵害額請求についても、相続人間でトラブルになる可能性があるので、専門家に相談したほうが良いでしょう。
特別受益に時効はありません。したがって古い贈与であっても特別受益として持ち戻しがされます。遺産分割協議をする際には昔の贈与でも持ち戻して相続分の計算することになります。もっとも、古い贈与は証明が難しいことも。
遺留分の計算には、原則として相続開始前10年の間にされた生前贈与しか持ち戻しの対象になりません。
そのため遺産分割協議をする場合には特別受益に時効はありませんが、遺留分の計算には10年間の期限がありますので、その扱いを区別して考える必要があります。
今回は特別受益について解説しました。特別受益があった場合は遺産分割が複雑になるため、相続人間でトラブルにならないよう慎重に対応しましょう。
また、合わせて相続税申告が必要になるケースもあります。正確に計算して納めなければいけませんから、税理士などの専門家に相談してみても良いですね。
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ご相談される方のお住いの地域、遠く離れたご実家の近くなど、ご希望に応じてお選びください。
掲載している相談事例は、「いい相続」で過去にお受けしたご相談内容をもとに、個人が特定されないよう匿名化・一部編集したうえで要約したものです。実際に必要な手続きや相談先は、お客様の状況により異なるため、詳しくは専門家や相談窓口へご確認ください。
相談者は、80代の父親が所有する複数の不動産を子や孫に相続させるための方法に悩んでいました。父親は遺言書の作成を考えているものの、生前贈与が適しているのかも分からず、専門家の意見を求めていました。預貯金は少なく、主な財産は不動産であるため、適切な相続対策が必要でした。
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相談者は、夫名義の不動産を娘に生前贈与し、その後売却を考えていました。問題は、夫が物件から離れた場所に住んでいるため、名義変更の際の立会いが難しいことでした。娘はすでに不動産会社に査定を依頼済みで、名義人が現地に立会いせずとも売却可能かどうかをまず確認するようにとアドバイスを受けていました。
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相談者の方は、6年前に亡くなったお姉様と共有名義で所有している土地について、名義変更を希望されていました。お姉様には配偶者と複数の子供がいますが、甥の長男が手続きを任されており、相談者に贈与する形で名義を変更したいというお話でした。相続税は発生しないが、贈与税が心配という状況でした。
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相談者は、父親の相続において、相続税申告と不動産の手放しについて悩んでおられました。不動産は神奈川県と静岡県に複数所有しており、その評価額が不明であることが課題でした。また、遺言書は封がされており、家庭裁判所での手続きが必要かどうか不安がありました。兄弟での話し合いは問題なく進められそうですが、手続きの進め方に不安を抱いていました。
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相談者は、ご健在のお父様から「死後の準備を考えろ」と言われ、相続税申告の費用に不安を抱えていました。相続財産は不動産と現金・証券を合わせて2億円以上で、地元の会計士に相談したところ1.5%の手数料を提示され、高額に感じたとのこと。さらに、生前贈与に関する契約書がなく、相談すべきか悩んでいました。
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相談者は再婚同士で、実の長男に自宅不動産を確実に相続させたいと考えていました。相談者夫妻にはそれぞれ再婚前の子供がおり、財産分与を巡る不安があるようでした。また、相談者は高齢で足が悪く、妻は介護施設に入居中という状況で、相談は初めてとのことでした。
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相談者は父親の相続にあたり、相続税の申告が必要と感じていましたが、手続き方法が分からず困っていました。遺産には土地、不動産、生前贈与された車と建物、銀行預金、株式が含まれ、総額で5000万円を超える見込みでした。相談者は税理士に相談し、見積もりを希望していましたが、どのように進めて良いか分からず、具体的な手続きに不安を抱えていました。
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相談者は、30年前に亡くなった祖父の家屋を次男に相続させ、土地も次男に贈与したいと考えていました。家屋は祖父の名義のままで、土地は相談者と長女の配偶者の共有名義でした。相談者はこれらの名義変更を行いたいが、費用をできるだけ抑えたいと悩んでいました。また、贈与に関しては異なる手続きが必要であると理解していました。
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相談者は、東京都内の行政書士事務所で遺言書の作成と生前の相続対策について相談を希望されていました。特に不動産を含む財産に関する遺言の作成に関心がありましたが、具体的な内容は未定でした。また、名義変更についても不安を感じていましたが、行政書士では対応できないことを知り、司法書士を探す必要があることがわかりました。
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相談者は93歳の父と要介護5の母が施設に入居している状況で、父の遺言書作成を検討していました。相談者には妹が一人おり、精神的な問題で生活に支障があるため、父に遺言書を書いてもらう必要性を感じていました。相続は未発生ですが、父が元気なうちに手続きを進めたいとのことでした。
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相談者は、愛知県に住む方で、父母の相次ぐ他界により相続が発生しました。相続対象には自宅と宮崎の田舎にある複数の土地が含まれており、特に宮崎の土地については将来的に贈与を考えているため、名義変更の手続きが必要でした。相談者はこれまで相続手続きを進めておらず、どのように進めればよいかが分からない状況でした。
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相談者は、不動産を息子に名義変更したいと希望されていましたが、生前贈与には贈与税がかかることを知り、他の方法を模索していました。家族は妻と息子、娘がおり、特に息子への相続を希望していました。耳が遠いため電話での会話が難しく、直接会っての相談を希望されていました。
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相談者は、愛知県にお住まいの方で、実父の不動産を自身の子供に直接相続させたいと考えていました。しかし、別の事務所では遺言書が不要と言われたことから、遺言書の必要性について困惑されていました。相談者はシフト勤務のため、相談の時間調整が難しく、特に父が健在のうちにどのように準備を進めればよいかが分からない状態でした。
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相談者は叔母の遺産相続手続きに関する相談をいただきました。相続財産には、不動産、銀行預金、株式、生命保険が含まれており、遺言執行者としての役割も担っていました。特に生前贈与された金の扱いや、預金・株式で5~6千万円の相続財産評価が控除額を超える可能性があり、どのように申告を進めるべきか不安を抱えていました。
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相談者は祖父と祖母の生前相談を希望していました。両親を亡くし、叔母がいる状況で、祖父が遺言書を作成したいと考えており、生前贈与も視野に入れているとのことでした。財産としては不動産と銀行預金があり、山形県にある祖父母の不動産を中心に、相続に関する手続きを進めたいとのことでした。
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相談者は、母の相続にあたり、相続税申告が必要か不安に感じていました。財産には不動産2件と預金があり、過去に生前贈与を受けていたため、相続税の基礎控除を超えるかもしれないと考えていました。相続人は兄弟で、遺言書はなく、話し合いは円滑に進む見込みでしたが、生前贈与の取り扱いに不安がありました。
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相談者は独身の複数の叔父の財産を巡る相続対策に悩んでいました。叔父の一人は北海道に住み、土地と家屋を所有していますが、具体的な住所が不明なため手続きに手間取っていました。もう一人の叔父は沖縄に住み、土地と家屋がそれぞれ異なる名義であるため、生前贈与か相続のどちらが適切か判断に迷っていました。生前贈与による贈与税の負担を避けたいという希望もありました。
いい相続では、相談者に公正証書遺言の作成を提案し、叔父が沖縄に戻った際に相談者家族と共にサポートする流れを整理しました。行政書士を紹介し、遺言書作成の手続きや必要書類の取り寄せについて具体的なアドバイスをしました。無料相談を通じて、まずは遺言書の作成を優先することを確認しました。
相談者は大阪府在住で、所有する不動産を子供に生前贈与したいと考えていました。また、遺言書の作成についても不安を抱えていました。子供から名義変更を促されたものの、税金対策や手続きの具体的な方法が分からず、行政書士の助けを求めていました。相談者は財産として不動産の他に銀行預金や保険も持っており、将来の相続に備えたいという意向がありました。
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相談者は母親を亡くし、相続税申告が必要な状況でした。相続財産には、評価額が土地約345万円、建物約637万円の不動産と、複数の銀行預金が含まれていました。さらに、長年にわたり長女、次女、孫に年間110万円ずつ贈与していたため、生前贈与を考慮した相続税の申告が課題でした。
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相談者は、母親の相続において相続税申告の必要性を検討していました。財産は銀行預金と証券、生命保険に加え、日本国債が少しある状況で、マンション購入時に生前贈与を受けた経緯もあり、相続財産の評価や税申告の要否について悩んでいました。また、遺品整理の進め方についても困っていました。
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