「遺産分割協議書」を聞いたことがある人は多いかと思いますが、「遺産分割協議証明書」はご存知ですか?
これは、遺産分割協議書とどう違うのでしょうか?相続手続きに使用できるのでしょうか?
この記事では、遺産分割協議証明書の作成方法や遺産分割協議証明書と遺産分割協議書の違い、メリットデメリットなどを解説します。是非、参考にしてください。
この記事はこんな方におすすめ:
「遺産分割協議証明書を作成する人」「遺産分割協議書との違いについて知りたい人」
この記事のポイント:
- 遺産分割協議証明書は、相続人が遠方にいる場合などに便利
- 遺産分割協議証明書を相続人全員分集めないと、相続手続きができない
- 遺産分割協議証明書で相続手続きを行うときは、印鑑証明書を添付する
相続手続きについての無料相談は、いい相続(0120-992-150)へ。お気軽にお電話ください。
この記事の監修者
大島英行政書士事務所
大島 英
〈行政書士〉
サラリーマン時代に法律の勉強を始め、2017年札幌市に行政書士事務所を開設しました。相談しやすさをもっとも重視しており、初回の無料相談、電話相談、訪問相談も可能です。分かりやすく、丁寧な仕事をモットーとしています。
▶大島英行政書士事務所
遺産分割協議証明書とは?
遺産分割協議証明書とは、その名の通り、遺産分割協議で決まった内容を証明する文書です。
「遺産分割証明書」と言われることもあります。
遺産分割協議書と遺産分割協議証明書の違い
遺産分割協議で決まった内容を証明する文書には、遺産分割協議証明書のほかに、遺産分割協議書があります。
各相続人が個別に証明するものが遺産分割協議証明書、すべての相続人がまとめて証明するものが遺産分割協議書です。
遺産分割協議証明書のメリット・デメリット
メリット
相続人が近くに住んでいる場合は、全員が一堂に会して遺産分割協議書に署名・押印することができますよね。このような場合は、遺産分割協議書が適しています。
しかし、遠方に住んでいるなどで相続人全員が集まれない場合は、郵送等で各相続人に順次回していき、署名・押印を集めることになります。
相続人の数が多いと全員の署名・押印が終わるまでに日数がかかりますし、途中で紛失する可能性もあります。
この点、遺産分割協議証明書の場合は、各相続人が個別に署名・押印することができるので、遺産分割協議書の場合よりも日数が短縮できることが期待できますし、途中で紛失されて一からやり直しということもありません。
したがって、相続人の数が多く、かつ、散り散りに住んでいる場合は、遺産分割協議書よりも遺産分割協議証明書の方が便利であるといえます。
デメリット
しかし、遺産分割協議証明書には欠点があります。
遺産分割協議書の場合は、各相続人がそれぞれ原本を1通ずつ持ち相続手続きに利用できますが、遺産分割協議証明書は全員分を集めないと相続手続きができません。
そのため、相続手続きを行う代表者が遺産分割協議証明書を取りまとめ、そのうえで相続手続きを行うことになります。
▼あなたに必要な相続手続きを調べることができます▼
遺産分割協議証明書でできる相続手続き
遺産分割協議証明書は、次のような相続財産を取得する手続につかうことができます。
- 不動産の所有権移転登記
- 自動車や船舶の名義変更
- 預貯金の払戻
- 株式等の有価証券の名義書換
- 相続税の申告
もちろん上記の手続きに、遺産分割協議書を持参しても構いません。
相続手続きの際には、印鑑証明書が必要
遺産分割協議書、遺産分割協議証明書のどちらを利用する場合でも、相続手続きの際には印鑑証明書が必要です。印鑑証明書の有効期限が定められている手続きもありますので、事前に手続き先へ確認しておきましょう。
なお、遺産分割協議証明書は、相続人が一人の場合は必要ないことが多いです。相続人が一人だとその人がすべての財産を取得するので、遺産分割について協議する余地はないことが多いからです。
また、遺言どおりに財産を取得する場合も遺産分割協議証明書は不要であることが多いです。その場合、相続手続の際に遺言書が必要になります。
▼あなたに必要な
相続手続き、ポチポチ選択するだけで診断できます!▼
遺産分割協議証明書の書き方と見本
遺産分割協議証明書には、次の主要な2つの方式があります。
- すべての財産を記述する方式
- 自分の取得した財産だけを記述する方式
どちらの方式でも構いませんが、すべての財産について記述する方式の場合は、すべての相続人の遺産分割協議証明書が同じ文面になるので、作成の間違えが起こりにくいでしょう。
以下では、それぞれの記載例(サンプル)を紹介します。
すべての財産を記述する方式の見本と書き方
すべての財産を記述する方式は、遺産分割協議書とほとんど変わりません。
以下に見本を示しますので、参考にしてください。なお、あくまでも見本ですので、このとおりの形式にしなければいけないわけではありません。
提出先のホームページなどで決められたひな型があるかを確認するようにしてください。
|
遺産分割協議証明書
被相続人 ○○○○(昭和〇〇年〇〇月〇〇日生まれ)
死亡日 令和〇〇年〇〇月〇〇日
本籍地 東京都△△区△△○丁目○番地○
最終の住所地 東京都△△区△△○丁目○番地○
被相続人○○○○(以下「被相続人」という。)の遺産相続につき、被相続人の妻○○○○(以下「甲」という。)、被相続人の長男○○○○(以下「乙」という。)、被相続人の長女○○○○(以下「丙」という。)の相続人全員が遺産分割協議を行い、本日、下記のとおりに遺産分割の協議が成立したことを証明する。
1.甲は、以下の遺産を取得する
(1)土地
所 在 東京都△△区〇〇
地 番 ○○番○○
地 目 宅地
地 積 ○○.○○平方メートル
(2)建物
所 在 東京都△△区〇〇
家屋番号 〇〇番〇
種 類 居宅
構 造 木造瓦葺2階建て
床面積 1階部分 ○平方メートル
2階部分 ○平方メートル
(3)動産
上記(2)の建物内にある家具家財等一切の動産
2.乙は、以下の遺産を取得する
(1)建物
(一棟の建物の表示)
所 在 神奈川県〇〇市△△○丁目○番地○
建物の名称 ○○○○マンション
(専有部分の建物の表示)
家屋番号 △△○丁目○番地○
建物の名称 ○○○号
種 類 居宅
構 造 鉄骨造1階建
床面積 ○階部分○○.○○平方メートル
(敷地権の目的たる土地の表示)
土地の符号 1
所在及び地番 ○○△丁目○番○
地 目 宅地
地 積 ○○○.○○平方メートル
(敷地権の表示)
土地の符号 1
敷地権の種類 所有権
敷地権の割合 ○○○○○分の○○○
(2)車両
名義人 ○○○○
自動車登録番号 品川○○○あ○○−○○
車台番号 第○○○○号
(3)有価証券等
〇〇証券〇〇支店(口座番号〇〇〇〇)保護預かりの以下の有価証券等
〇〇株式会社 株式1000株
△△株式会社 株式2000株
国内投資信託 〇〇MRF〇〇〇〇口
3.被相続人の丙は、以下の遺産を取得する
(1)預貯金
〇〇銀行〇〇支店
普通預金 口座番号〇〇〇〇〇〇
口座名義人 〇〇〇〇
4.甲は、第1項記載の不動産を相続する代わりに、丙に対し、代償金として、金500万円を支払う。
5.(1)次の不動産は、乙及び丙が各2分の1の割合をもって共有で相続する。
所 在 東京都〇〇市〇〇町△丁目
地 番 〇番〇
地 目 宅地
地 積 ○○.○○平方メートル
(2)乙及び丙は、共同して前項の不動産を売却し、その売買代金から売却に要する一切の費用を控除した残金を、前項の共有持分割合に従って取得する。
(3)乙及び丙は、第1項の不動産を売却し買主に引き渡すまで、これを共同して管理することとし、その管理費用は、第1項の共有持分割合に従って負担する。
6.本遺産分割協議書に記載のない遺産及び本遺産分割の後に判明した遺産(負債も含む)については、甲が全て相続する。
令和〇〇年〇月〇日(作成日)
住所 東京都△△区△△○丁目○番地○
生年月日 昭和〇〇年〇〇月〇〇日
相続人甲(妻) 〇〇〇〇 実印
|
自分の取得した財産だけを記述する方式の見本と書き方
自分の取得した財産だけを記述する方式は、相続人ごとに内容が変わるので、作成に多少の手間がかかります。
以下に見本を示しますので、参考にしてください。
|
遺産分割協議証明書
被相続人 ○○○○(昭和〇〇年〇〇月〇〇日生まれ)
死亡日 令和〇〇年〇〇月〇〇日
本籍地 東京都△△区△△○丁目○番地○
最終の住所地 東京都△△区△△○丁目○番地○
被相続人○○○○(以下「被相続人」という。)の遺産相続につき、被相続人の妻○○○○(以下「甲」という。)、被相続人の長男○○○○(以下「乙」という。)、被相続人の長女○○○○(以下「丙」という。)の相続人全員が遺産分割協議を行い、下記のとおり、甲が、財産を取得し、また、債務を負担することに決まったことを証明する。
1.甲は、以下の遺産を取得する
(1)土地
所 在 東京都△△区〇〇
地 番 ○○番○○
地 目 宅地
地 積 ○○.○○平方メートル
(2)建物
所 在 東京都△△区〇〇
家屋番号 〇〇番〇
種 類 居宅
構 造 木造瓦葺2階建て
床面積 1階部分 ○平方メートル
2階部分 ○平方メートル
(3)動産
上記(2)の建物内にある家具家財等一切の動産
2.甲は、第1項記載の不動産を相続する代わりに、丙に対し、代償金として、金500万円を支払う。
3.本遺産分割協議書に記載のない遺産及び本遺産分割の後に判明した遺産(負債も含む)については、甲が全て相続する。
令和〇〇年〇月〇日(作成日)
住所 東京都△△区△△○丁目○番地○
生年月日 昭和〇〇年〇〇月〇〇日
相続人甲(妻) 〇〇〇〇 実印
|
▼結果別の遺産分割協議書がダウンロードできる!相続タイプ診断はコチラ▼
遺産分割協議証明書作成時のポイント
遺産分割協議証明書は、共同相続人(または包括受遺者)の1人が作成し、郵送などで配布して、他の共同相続人から署名と押印をもらいます。
共同相続人(または包括受遺者)であれば誰が作成しても構いませんが、遺産分割協議証明書は相続手続きに使うものなので、実際に相続手続きを行う人が良いでしょう。
遺産分割協議証明書を作り慣れている人は、そう多くないと思われます。作成時のポイントや疑問について解説していきます。
遺産分割協議証明書の日付はバラバラでも問題ない
書類の郵送などの関係で遺産分割協議証明書の書類がバラバラになっても問題ありません。複数の遺産分割協議証明書のうち、一番遅い(最新)の日が協議成立の日になります。
遺産分割協議証明書には捨印をもらう
遺産分割協議証明書には捨印を押してもらうと安心です。捨印があることで記載の誤りがあったときの訂正印となり、書き直したり、郵送し直す手間が省けます。
※金融機関によっては訂正箇所への直接の訂正印が必要な銀行があるので、金融機関によっては取り扱いが異なる場合があります。
遺産分割協議証明書の押印は実印で
遺産分割協議証明書の押印は実印で押してもらいます。この押印が本人のものであると証明するために、印鑑証明書を添付する必要があります。
▼今すぐ診断してみましょう▼
この記事のポイントとまとめ
今回の記事では、遺産分割協議証明書について説明しました。最後にこの記事のポイントをまとめます。
- 遺産分割協議証明書と遺産分割協議書の違い: 遺産分割協議証明書は各相続人が個別に証明するもので、遺産分割協議書は全員がまとめて証明するものです。相続人が多く散り散りに住んでいる場合、遺産分割協議証明書の方が便利とされています。
- 遺産分割協議証明書のメリットデメリット: 各相続人が個別に署名・押印することができるの日数を短縮できるメリットが考えられます。ただし遺産分割協議証明書の場合、全員分を集めないと相続手続きができないのはデメリットといえるでしょう。
- 遺産分割協議証明書の作成と取り扱いのポイント: 遺産分割協議証明書の書き方には2つの方式があり、押印は実印で、印鑑証明書の添付が必要です。訂正印として捨印を押してもらうと、記載の誤りがあった際の手間が省けます。
遺産分割での書類作成や収集など手間を省きたい人、ミスを防ぎたい人は専門家への相談をおすすめします。相続手続きの専門家は行政書士や税理士などです。
また、戸籍収集や相続税申告など、その他の手続きも専門家に依頼することが可能です。状況に応じて利用を検討してみてください。
いい相続では、相続に強い専門家探しをサポートしています。ぜひ、お気軽にお問い合わせください。
▼実際に「いい相続」を利用して、専門家に相続手続きを依頼した方のインタビューはこちら
ご希望の地域の専門家を探す
ご相談される方のお住いの地域、遠く離れたご実家の近くなど、ご希望に応じてお選びください。
相続手続きのご相談
まずは
STEP1お問い合わせ
お客様に合う専門家をご紹介
STEP3お申し込み
お見積りをご確認の上お申込み
参考価格
*参考価格は「いい相続」がご案内した行政書士に依頼した場合の目安の料金です。
相続のことなら
「いい相続」に
ご相談ください